CRM(顧客関係管理)とは?ツール導入前に知っておくべきこと&おすすめツール9選

マーケティング

企業が存続していくためには利益を出し続ける必要があり、そのためには顧客一人ひとりに合ったアプローチによって良好な関係を築いて維持していくことが欠かせません。

そこで注目されているのが、CRM(顧客関係管理)です。

一度は聞いたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、具体的に理解できていない方も多いのではないでしょうか。

今回は、CRMとは何なのか、メリット・デメリット、活用方法や導入の注意点など、ツール導入前に知っておくべきことを詳しく解説します。

おすすめのCRMツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

CRM(顧客関係管理)とは?

まずは、CRM(顧客関係管理)とは何なのか、意味や注目されている背景、機能について解説します。

CRMの意味

CRMとは、Customer Relationship Managementの略称で、「顧客関係管理」または「顧客管理」という意味があります。

具体的には、「顧客と良い関係を構築し、維持していく仕組み」のことです。

1990年代にアメリカで誕生したマーケティング手法で、当初は顧客の情報と電話サポートの履歴を関連付けて活用したことから始まったと言われています。

注目される背景

CRM(顧客関係管理)が注目される背景には、顧客ニーズの多様化があります。

インターネットやスマートデバイスの普及により、消費者が自ら情報を得て選べるようになったことで顧客のニーズや好みが細分化され、従来のテレビCMや新聞、ラジオなどのマスメディアによるアプローチの効果が薄れてきました。

そこで注目されたのが、顧客情報を蓄積・管理し、様々な角度から分析することで顧客のニーズや好みに合った商品やサービスを提供できるCRMなのです。

また、膨大かつ散逸してしまいがちな顧客情報をすべて手作業で管理することが難しいこともあり、効率的に顧客情報が管理できるCRMツールを導入する企業が増えてきています。

CRMツールに実装されている機能

CRMツールに実装されている主な機能は、以下の通りです。

機能 詳細
顧客情報の入出力 CSV形式のデータを使用した顧客情報の一括登録・出力
顧客情報の管理 顧客情報の管理や検索
顧客情報の分析 蓄積された顧客情報を分析(レポートに出力できるツールもある)
メール配信・管理 メールマガジンの配信や管理
キャンペーン管理 顧客のキャンペーン参加履歴やアンケートデータなどの管理
外部サービス連携 SFA(営業支援)、MAなどのツールやSNS(ソーシャルメディア)との連携

顧客情報とは、氏名や生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレスから、購買履歴や応対履歴、キャンペーン履歴まで、顧客のあらゆる情報を指します。

CRMのメリット・デメリット

では、CRMを導入することでどのようなメリットやデメリットがあるのかを紹介します。

メリット

1.顧客情報の一元管理・見える化ができる

CRMは、顧客情報の一元管理・見える化ができるというメリットがあります。

紙やExcelといった管理方法、営業担当者や部署ごとなど、社内で散逸している顧客情報を集約し、まとめて管理することが可能です。

また、CRMで管理されているデータは関係者がいつでも確認できるようになるので、顧客情報の見える化を図ることができます。

2.戦略的なマーケティング活動ができる

戦略的なマーケティング活動ができることも、CRMのメリットの一つです。

社内にあるあらゆる顧客情報をCRMに集約して分析することで、顧客のニーズをより正確に把握することができるようになります。

その結果、顧客へのアプローチ方法やタイミングなどを戦略的に考えて実行できるので、マーケティングの効果を最大化することができるでしょう。

3.顧客満足度を上げることができる

CRMには、顧客満足度を上げることができるというメリットもあります。

顧客一人ひとりのニーズに合った商品やサービスを適切なタイミングで提供することができるので、顧客満足度の向上につなげることが可能です。

また、顧客の状況を効率的に管理・共有することによってスムーズな顧客対応が可能になることから、更なる顧客満足度の向上が期待できます。

デメリット

1.導入・運用コストがかかる

CRMのデメリットは、導入・運用コストがかかるということです。

利用するCRMツールにもよりますが、導入時にはサーバーの設置やツールの購入などの費用に加えて、運用時にはツールの利用料やメンテナンス費、人件費などがかかります。

導入時のコストに気を取られてしまいがちですが、運用コストは継続的に発生するものなので、十分に検討する必要があるでしょう。

2.すぐに効果が出ない場合もある

すぐに効果が出ない場合があることも、CRMのデメリットです。

CRMを導入して顧客情報を登録したらかといってすぐに効果が出るというわけではなく、蓄積した顧客情報を分析し、マーケティング活動に活かさなければ意味がありません。

顧客情報を登録するだけで終わってしまうケースも少なくないので、導入後の運用計画も綿密に立てておく必要があるでしょう。

CRMとSFAの違い

顧客情報を管理するツールとして、CRMとよく混乱してしまうのがSFAです。
CRMとSFAの違いを、機能の面から分析してみましょう。

機能 CRM SFA
顧客情報の管理
顧客情報の分析 ×
案件管理 ×
取引先管理 ×
営業の行動管理 ×
日報管理 ×
問い合わせ管理
メール配信・管理
キャンペーン管理 ×
スケジュール管理
ToDoリスト・通知機能
見積書作成 ×
請求書発行 ×
外部サービス連携

〇…ほとんどのツールに搭載されている機能
△…一部のツールに搭載されている機能
×…基本的に搭載されていない機能

CRMとSFAの最大の違いは「役割」

CRMとSFAの最大の違いは、「役割」です。

ここまで紹介してきたように、CRMには顧客との関係構築や顧客情報を管理する役割があります。

一方で、SFA(Sales Force Automation)は営業のプロセスや情報を可視化し、自動分析やスムーズな共有などによって営業の効率化を図るためのツールなので、大きな役割は営業を支援することです。

それぞれの機能からもわかるように、CRMには顧客満足度を高めるための機能、SFAには営業活動を漏れなく効率的に行うための機能が搭載されています。

管理する「顧客情報」にも違いがある

CRMとSFAではどちらも顧客情報を管理できますが、管理できる顧客情報の内容にも違いがあります。

CRMで管理する顧客情報は、

  • 企業名
  • 担当者氏名
  • 担当者連絡先
  • 担当者部署や役職
  • 企業所在地
  • 購入履歴
  • 応対履歴 など

に対して、SFAは

  • 企業名
  • 担当者氏名
  • 担当者連絡先
  • 担当者部署や役職
  • 企業所在地
  • 案件内容
  • 商談内容 
  • 抱えている課題 など

と、管理できる範囲が違います。

役割や管理できる情報からわかるように、既存顧客の情報管理や顧客満足度の向上させたい場合はCRM、営業活動の見える化や効率化を図りたい場合はSFAと、目的によってどちらかを選ぶ、もしくはどちらも利用するという選択が必要だと言えるでしょう。

CRMの活用方法と導入の注意点

CRMを上手く活用する方法と導入の注意点を紹介します。

CRMの活用方法

1.導入の目的を明確にする

CRMを最大限に活用するためには、導入の目的を明確にすることが重要です。

どのような課題を抱えていて、CRMを導入することでどのように解決していくのか、より具体的にしておくことで、導入して終わりという事態を避けられるでしょう。

2.既存顧客のデータ活用から始める

CRMを導入したら、まずは既存顧客の満足度を上げることから始めると良いでしょう。

蓄積・分析したデータから既存顧客のニーズに適した商品やサービスを提供し、優良顧客を増やしていきます。
そうすることで、自社の商品やサービスを継続的に利用してもらえるようになり、売上や利益を確保することができます。

新規顧客を増やすには、既存顧客の5倍ものコストがかかると言われていることからも、どちらを優先すべきかは明白でしょう。

3.社員同士のスムーズな連携

社員同士のスムーズな連携も、CRMを活用するために必要な要素です。

いくら優秀なCRMを導入しても、マーケターや営業、システム担当者など、関係する社員・チーム同士の連携がとれていなければCRMの効果を高めることはできません。

各社員・チームが連携しながら情報を的確に把握することで、より効果的なデータ活用が実現できるでしょう。

CRM導入の注意点

1.導入目的に合った機能が搭載されているか

特に、初めてCRMを導入する場合には、自社の導入目的に合った機能が搭載されているかに注意して検討する必要があります。

多機能なCRMに魅力を感じる方も多いと思いますが、費用をかけて導入したのにも関わらず、必要な機能以外はほとんど使っていない、使いこなせていないというケースも珍しくありません。

必要な機能が揃ったシンプルなCRMを選ぶことで、運用負担の軽減にもつながるでしょう。

2.操作性やカスタマイズ性に優れているか

操作性やカスタマイズ性に優れているかも、CRMを導入する際の注意点です。

実際に使うのは、現場の社員やスタッフなので、操作性が悪いと使うことが億劫になり、社内に定着しづらくなります。

データの入出力のしやすさや、必要な情報をひと目で確認できるかなど、実際に使用する社員やスタッフにとっていかに使いやすいかが重要です。

また、自社の業務に合わせてカスタマイズできるかも、大切な要素だと言えます。

3.必要なサポートが受けられるか

特に、CRMの知識や導入・運用経験がない場合は、必要なサポートを受けられるかという点にも注意しましょう。

CRMを導入してから成果が出るまでには時間がかかる場合が多いので、導入時だけでなく、導入後もサポートを利用することで効果的な運用が実現できます。

無料で使えるものも!おすすめCRMツール9選

Zoho CRM

https://www.zoho.com/jp/crm/

Zoho CRMは、ゾーホージャパン株式会社が提供しているクラウド型のCRMです。

見込み顧客の獲得や商談、受注、分析、既存顧客との関係構築だけでなく、ルーティンワークの自動化機能など、営業の業務を支援するSFAとしての役割も果たせます。
メールや電話、SNS、チャットツールなど、複数チャネルでの顧客のアクションを一元管理することで円滑なコミュニケーションが実現できるので、効率的に顧客満足度を上げることが可能です。

月額1,400円/ユーザーから利用することができ、導入前に15日間、無料で試してみることもできます。

料金

プラン スタンダード プロフェッショナル エンタープライズ アルティメットプラン
月額/ユーザー 2,160円 3,600円 5,400円
月額(年間契約)/ユーザー 1,400円 2,400円 4,200円 12,000円

Microsoft Dynamics 365

https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/

Microsoft Dynamics 365は、日本マイクロソフト株式会社が提供しているCRMです。

製品や人材など、会社の資材を一元管理するERPとしての機能も兼ね備えている点が大きな特徴だと言えます。
Microsoft Officeとの連携によって、より効率的な業務進行が実現可能です。

クラウド型とオンプレミス型の導入形態があるので、自社に適した導入・運用を実現できるでしょう。

料金

プラン Customer Engagement Plan Unified Operations Plan Dynamics 365 Plan
月額/ユーザー 12,510円 要問い合わせ 要問い合わせ

HubSpot CRM

https://www.hubspot.jp/products/crm

HubSpot CRMは、HubSpot Japan株式会社が提供しているCRMです。

顧客情報の管理や追跡、対応、さらには顧客とのあらゆるコミュニケーションも一元管理することができます。
ユーザー数、ストレージ数、利用期間が無制限かつ無料で利用可能な点も特徴です。

顧客との関係構築に必要な機能がムダなく搭載されているので、使わない機能に予算を割いてしまうということもないでしょう。

料金

プラン Free Starter Professional Enterprise
月額 0円
※コンタクト数、最大100万件まで
6,000円~ 96,000円~ 384,000円~

Vtiger CRM

https://www.vtiger.com/

Vtiger CRMは、Vtiger Systemsが提供しているCRMです。

オープンソースのCRMなので、自社の運用に合わせてカスタマイズすることができます。
また、顧客管理をはじめ、営業管理やマーケティング管理、サポートサービス管理など、幅広く対応することが可能です。

英語版なので、日本語の開発コミュニティサイトなどを参考にした開発が必要でしょう。

料金

プラン Enterprise Professional
月額/ユーザー 58ドル 42ドル
月額(年間契約)/ユーザー 42ドル 30ドル

※セールス・ヘルプデスク・マーケティング・その他の機能が使えるオールインワンタイプの料金です。

Salesforce

https://www.salesforce.com/jp/

Salesforceは、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供しているCRMです。

これまでに15万社以上の企業が導入しており、世界で一番使われているCRMとも言われています。
顧客情報の共有によってタイムリーな提案や対応が可能になり、売上の向上に成功した企業も多いです。

インフラやネットワーク、アプリなど様々な面において、危機を未然に予測することで高度なセキュリティを確保しているので、より安心して利用できるCRMだと言えるでしょう。
30日間の無料トライアルもあります。

料金

プラン Salesforce Essentials Lightning Professiona Lightning Enterprise Lightning Unlimited
月額(年間契約)/ユーザー 3,000円 9,000円 18,000円 36,000円

SugarCRM

https://www.sugarcrm.com/

SugarCRMは、米国のSugarCRM社が開発したオープンソースのCRMです。

有料版と変わらない機能が無料で使え、操作性も優れている点で多くの支持を得ています。

無料版の場合は日本語に対応していないので、英語が苦手な方は利用しにくい場合もあります。

料金

プラン Professional Enterprise Ultimate
月額(年間契約)/ユーザー 40ドル 65ドル 150ドル

ちきゅう

https://chikyu.net/

ちきゅうは、株式会社ジーニーが提供しているCRMです。

顧客管理と商談管理、データ分析が一つで実現できるクラウドサービスで、導入・運用のしやすさや柔軟な拡張性が特徴的です。
モバイルアプリやGmail連携など、顧客対応のスピードを上げる機能も多数搭載されています。

業界別の導入事例をはじめとする効果的な活用方法を提案してもらえるので、CRMの導入が初めての方でも安心でしょう。

料金

プラン ライト スタンダード プロ
月額/ユーザー 1,480円 2,980円 4,980円

SkyDesk CRM

https://www.skydesk.jp/ja/products/crm/

SkyDeskは、富士ゼロックス株式会社が提供しているCRMです。

顧客管理やマーケティング支援だけでなく、案件・商談管理や活動・日報管理などの営業を支援する機能も多数搭載されており、1名から300名以上まで、様々な規模や業界で導入されています。

Webフォームからの取り込みや名刺情報の取り込みなど、顧客情報の登録が非常に簡単な現場の負担を考慮したCRMなので、導入後も定着しやすいでしょう。

料金

プラン 無料 スタンダード プロフェッショナル エンタープライズ
月額(6ヶ月契約)/ユーザー 0円 1,520円 2,565円 4,465円

formrun

https://form.run/ja

formrunは、弊社が提供しているCRMです。

フォーム作成やバリデーション(入力値の正誤判定や、住所の自動補完入力)、通知機能、問い合わせ対応・管理、メールなどの機能が搭載されています。

問い合わせフォームから送信された顧客情報は自動的にカード化され、かんばん方式を利用したステータス管理によってそれぞれの顧客の状況をひと目で確認できるので、仕事のパフォーマンスを劇的に上げることが可能です。

利用人数やフォーム作成数など一部制限はありますが、基本的な機能は無料で利用できるので、小規模での利用であれば十分に活用できるでしょう。

オーバースペックなCRMツールは高額な場合が多いので、無料で顧客情報の管理や共有ができるのは、とても大きなメリットだと言えます。

>>formrunを無料で始めるならこちら

料金

プラン 無料 スタンダード プロフェッショナル
月額 0円 4,980円 12,800円

まとめ:CRMを実施してアップセルや解約防止につなげよう

顧客情報は持っているだけでは意味がなく、データを活用して初めて価値が生まれます。

また、顧客の状況を正確に分析することで、新たな気づきを得ることができるので、その気づきを上手く活かすことができれば、優良顧客のアップセルや解約防止につなげられるでしょう。

顧客との関係構築に少しでも課題を感じている方は、この機会にCRMの導入を検討してみてください。