エクセルのフォーム機能は、リスト形式の項目や行数が増えて、データの入力や管理が不便になったときに使える機能です。
この機能を利用することで、入力時間や入力ミスを減らし、作業効率や業務改善に役立てられます。
そこで本記事では、エクセルのフォーム機能の表示方法や使い方、フォーム機能を最大限に活用するためのテクニックを解説します。
目次
フォームの基礎知識
フォームとは、ユーザーからの問い合わせや申し込みに使用される「入力欄」のことです。メールフォームやWebフォームと呼ばれることもあります。
たとえば、Webサイトに問い合わせフォームを設置すると、ユーザが入力したデータを直接サイト管理者に送信できます。そのデータをエクセルと連携させれば、自動的に集計したり、データベース化して抽出・分析することも可能です。
このように、フォームを利用して問い合わせ受付を効率化し、そのデータを販売管理や在庫管理、マーケティングなどにも活用できるのです。
フォームは誰でも簡単に作成できる
今の時代、フォームは誰でも簡単に作成できるのをご存じでしょうか?
インターネット上には、デザイン性に優れ、機能的なフォームをクリック操作だけで作成できる「フォーム作成ツール」が数多く公開されています。
フォーム作成ツールを使えば、プログラミングの知識がなくても自社サイトに問い合わせフォームを設置でき、問い合わせ内容を効率的に管理できるようになります。
.png)
▼無料で使えるお問い合わせフォーム作成ツールなら「formrun」
無料で高品質なお問い合わせフォームをつくりたい方には、弊社の「formrun」がおすすめです。
formrunは、専門的な知識なしにビジュアル豊かなフォームを作成できるツールです。豊富なテンプレートから用途に応じたものを選び、テキストを入力するだけで簡単にフォームを編集・設置できます。設置したフォームから問い合わせがきたら、問い合わせ管理も行うことができます。問い合わせの進捗はカンバン方式で管理でき、案件ごとに担当者も設定できます。
まずは、無料でお問い合わせフォームをつくって試してみてください。
Excel(エクセル)のフォーム機能とは?
エクセルのフォーム機能とは、リスト形式1行分のデータをカード形式に表示する機能のことです。
たとえば、顧客情報をまとめたリスト(列見出しのある表)を作成するとき、セルを移動しながら入力していくのは手間がかかります。
エクセルのフォーム機能を使えば、キーボード操作のみでデータを連続して入力できるため、ワークシートに直接入力するよりも時間短縮できます。
注意点
エクセルのフォーム機能にはいくつか注意点があります。
フォーム機能はデフォルトで非表示になっている
Excel2007以降、フォーム機能はデフォルト(初期設定)で非表示になっています。フォーク機能を使うときは、クイックアクセスツールバーにフォーム機能を登録する必要があります。
※フォーム機能を表示する方法は、このあと詳しく説明します。
Mac版エクセルでは使えない
Mac版エクセルでフォーム機能を使うことはできません。フォーム機能を使いたいときは、フォーム作成ツールなど別のサービスを使い、CSVデータを出力して読み込む方法などがあります。
項目数に制限がある
カード形式のフォームに表示できる項目は32列までです。これ以上の項目を入力したいときは、2つ以上のフォームを作成しましょう。
フォームから数式の修正はできない
数式を使った値はフォームから修正できません。ワークシートに戻って数式を修正する必要があります。
入力が反映されるセルは空白にしておく
リスト形式の下にデータが入力されていると、その前の行までしか新規データの追加ができません。セルに別のデータやメモは貼り付けないようにしましょう。
Excel(エクセル)のフォーム機能をツールバーに表示する方法
ここでは、バージョンごとに、エクセルのフォーム機能を表示する方法を紹介します。
※Excel2003以前はクイックアクセスツールバーの「データ」→「フォーム」でフォーム機能を呼び出せます。
Excel2013・2016
「ファイル」のバックステージビューから「その他」→「オプション」をクリックします。

メニューから「リボンのユーザー設定」を選択して、「コマンドの選択」→「すべてのコマンド」を選択します。


次に、画面右下にある「新しいグループ」をクリックして、フォームのアイコンを表示したい場所に移動してください。今回は、「元に戻す」アイコンの横に表示させます。

「すべてのコマンド」から「フォーム」を探し出し、中央にある「追加」をクリックしてください。すると、新しいグループの下に「フォーム」が表示されます。最後に「OK」をクリックします。
任意のタブに「フォーム」アイコンが表示されます。
Excel2007
- 画面左上の「Officeボタン」から「Excelのオプション」をクリックします。
- 「ユーザー設定」をクリックして、「コマンドの選択」ボックスから「すべてのコマンド」を選択します。
- 一覧から「フォーム」を選択して「追加」をクリックします。
- 「クイックアクセスツールバーのカスタマイズ」に「フォーム」表示されているかチェックして「OK」をクリックします。
- クイックアクセスツールバーに「フォーム」アイコンが表示されます。
Excel2010
- リボンから「ファイル」タブを選択し、「オプション」をクリックします。
- 「Excelのオプション」から「クイックアクセスツールバー」を選択し、「コマンドの選択」から「すべてのコマンド」をクリックします。
- 一覧から「フォーム」を選択して「追加」をクリックします。
- 「クイックアクセスツールバーのユーザー設定」に「フォーム」が表示されているかチェックして「OK」をクリックします。
- クイックアクセスツールバーに「フォーム」アイコンが表示されます。
エクセルのフォーム機能の基本操作
エクセルのフォーム機能の使い方を紹介します。
フォームを呼び出す

フィールド名が入力されている行またはセルのいずれかを選択した状態で、「フォーム」アイコンをクリックします。

「リストまたは範囲選択のどの行に列見出しが含まれているかを特定できません。このコマンドを実行するには、行を特定する必要があります。」というポップアップが表示されたら「OK」をクリックしてください。
フォームが表示されると、リスト1行目のデータが見出し項目として自動認識されます。

すでにデータが入力されている場合は、前の行のデータを表示するときは「前を検索」、次の行のデータを表示するときは「次を検索」をクリックしましょう。フォームを閉じるときは、一番下にある「閉じる」をクリックします。
ショートカットキーの使い方
データを効率よく入力するために、マウスではなくショートカットキーを使用します。
次の項目に移動するショートカットキーは「Tab」キー。1つ前の項目に移動するショートカットキーは「Shift」+「Tab」キーです。
データを新規入力する

フォームの「新規」をクリックして空白のフォームを表示します。
フォーム内の各項目に沿ってデータを入力し、「Enter」キーを押します。

入力したデータがワークシートにあるリストの最終行に追加されます。
入力したデータを修正する
データの修正はリスト上、またはフォームから修正できます。ここではフォームからデータを修正する方法を紹介します。

フォームにあるスクロールバーまたは「次を検索」「前を検索」で修正したいデータを表示します。
入力内容を修正して「Enter」キーまたは「新規」をクリックするとリストに修正内容が反映されます。
入力したデータを削除する

フォームに削除したいデータを表示して「削除」をクリックします。「表示されているレコードを削除します。削除を元に戻すことはできません。」と表示されるので「OK」をクリックしてください。

このように、削除されるのはフォームに表示された1行分のデータだけです。ただし、フォームから削除すると、シートの「戻る」を選択しても元には戻せませんのでご注意ください。
入力したデータを検索する

入力したデータを検索したいときは、フォームにある「検索条件」をクリックします。すると、検索条件を入力するフォームに切り替わります。

各項目にキーワードや不等号をつけた数値を入力して「次を検索」をクリックすると、条件を満たすデータが抽出されます。ここでは担当者の「村田」を検索します。

検索したデータがフォームに表示されます。データが複数ある場合は、「次を検索」または「前を検索」で表示できます。
エクセルの入力フォームをさらに便利にする機能3つ
ここでは、エクセルの入力フォームをもっと便利に使う方法を紹介します。
フォームコントロール
エクセルには、シートに入力を補助するパーツを挿入できるフォームコントロールという機能があります。デフォルトではアイコンが表示されていません。
フォームアイコンを表示させたときと同じ流れで「リボンのユーザー設定」、コマンドの設定から「メインタブ」を選択し「追加」をクリックしてください。

フォームコントロールが表示されます。フォームコントロールのパーツには以下のような種類があります。
コントロールの種類 | 概要 |
---|---|
ボタン | 記録された複数の操作を1クリックで自動的に実行できる。 |
ラベル | セルまたはテキストボックス(入力欄)の目的を表示する。 |
リストボックス | 1つまたは複数の項目を選択できる。番号や内容が異なる選択肢を多数したいときに適している。 |
チェックボックス | 差分の明確な複数の選択肢を有効、または無効にする。 |
コンボボックス | テキストボックスとリストボックスを組み合わせて、ドロップダウンリストボックスを作成する。複数の条件から1つの項目を選択したいときに適している。 |
オプションボタン | 複数の選択肢の中からいずれか1つを選ぶときに使う。 |
グループボックス | 画面上のオブジェクトをグループ化する。 |
スピンボタン | 数値の増分、時刻、日付などの値を増減する。 テキストボックスに文字列値を直接入力することもできる。 |
これらを活用することで、フォームを使わなくても入力時間を短縮できます。
VBAを使う
VBAとは、マクロ機能を構成するプログラミング言語のことです。VBAを使うことで、フォームの入力画面をカスタマイズできます。

VBAのプログラムを入力する画面を表示させるには、「開発」タブから「Visual Basic」をクリックします。

問い合わせを管理しているシートを選択して右クリック→挿入から「ユーザーフォーム」を選択してください。

このように、フォームのデザインをカスタマイズできます。
以下はVBAの活用例です。
フォーム機能のカスタマイズ例 |
|
自動化ツールの例 |
|
ただ、これらを実現するにはプログラミングの知識が必要です。社内にデータベースの管理ができる人材がいなければ、長期的に運用するのは難しいでしょう。
▶CVポイント
フォーム作成ツールの中には、Webフォームの作成だけでなく、問い合わせ対応や顧客管理までできるサービスもあります。
formrun
Excel(エクセル)のフォーム機能を使うメリット・デメリット
ここまで説明したように、エクセルでも機能的なフォームを作成できます。ただ、長期的に運用するのであれば、事前にメリット・デメリットを把握しておくべきです。
フォーム機能を利用するメリット
エクセルはすでに多くの企業に導入されているため、専用のソフトやツールを必要としません。大がかりな仕様変更があってもすぐに共有できますし、コストも最小限で済みます。
お金をかけずに入力作業を効率化したい企業にとっては、良い選択肢と言えます。
フォーム機能を利用するデメリット
エクセルは大量のデータを高速で処理できるように設計されていません。そのため、マクロで大量にデータを処理すると、操作が重くなることがあります。
また、ブックの共有をオンにすれば複数名で同時編集できますが、共有中は一部の機能が制限されます。編集のために共有を解除したとき、誤ってセルや数式を壊してしまう可能性があります。
一部のセルを保護や、アクセス権限の設定はできるものの、新しいブックを作成するたびに、設定内容をカスタマイズしなければなりません。
そもそもエクセルは表計算ソフトであり、業務ソフトのように使おうとするほどその有用性は失われていきます。
業務効率化を支援するフォーム作成ツールの機能
入力業務の精度やスピードを向上させたい、顧客情報をより効率的に管理したいと考えているなら、フォーム作成ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、フォーム作成ツールの機能を紹介します。
入力フォームを簡単作成
機能性とデザイン性に優れたフォームを誰でも簡単に作成・設置できます。プログラミングの知識は必要ありません。目的ごとにテンプレートが用意されているため、クリック操作のみで項目を設定できます。
また、使用デバイスに合わせて入力フォームのデザインが調整されるため、PCだけではなく、スマホやタブレットからも快適に操作できるフォームを作成できます。
入力ミスをリアルタイムに表示
フォーム作成ツールには、エラーをリアルタイムで表示するバリエーション機能が搭載されています。
たとえば、メールアドレスの形式が妥当か、日付や金額に正しい値が入力されているのかなどを厳密にチェックできます。これにより、入力ミスなどのヒューマンエラーを減らせます。
無料で使えるツールもある
フォーム作成ツールによっては、無料プランやお試し期間が用意されています。一部機能に制限がつくものの、余計なコストをかけずにエクセルでの作業を効率化できるかチェックできます。
データの管理から運用まで一元化
管理画面のあるフォーム作成ツールは、フォームに入力した情報をカードとして管理できます。
たとえば、以下のような使い方ができます。
問い合わせフォーム | ユーザーがフォームに必要事項を入力して送信ボタンを押すと、自動で受付完了メールが送信される。問い合わせごとに担当者を割り振り、管理画面でメールのやり取りができる。 |
営業管理 | 担当者が見積もり金額や顧客とのやり取りをフォームに入力することで、売り上げの達成度や、商談の進捗を可視化できる。 |
社内アンケート | 社員にフォームのURLリンクを送信して、回答内容を人事制度や人材教育に活用する。 |
受注管理 | フォームに受注内容を入力し、案件ごとのステータス(見積中・発注確定・発注済)を可視化する。 |
このように、フォームの作成から案件ごとのステータス管理、メール対応までフォームに関わる業務を一元化できます。集計したデータをCSV形式で出力してエクセルで読み込んだり、顧客管理システムと連携することもできます。
業務効率化を促進するなら機能性に優れたフォーム作成ツールがおすすめ
エクセルのフォーム機能を使えば、左右にスクロールすることなく、1行全体の情報を簡単に表示・入力できます。しかし、誰もが使いやすい高機能なフォームを作成するには、プログラミングの知識が必要です。
formrunは、40種類以上の豊富なテンプレートが用意されているフォーム作成ツールです。クリックだけで機能性に優れたフォームを作成できます。Webサイトに問い合わせフォームを設置すれば、ユーザーに直接テキストを入力・送信してもらうこともできます。
フォームの作成から設置、その後の集計や分析までワンストップで管理するなら、formrunがおすすめです。まだフォーム作成ツールを使ったことがない方は、ぜひformrunの無料プランをお試しください。