カスタマーサポート(CS)とは?業務内容や重要性、おすすめツールを紹介

マーケティング

既存顧客のサポートや新規顧客の獲得をはじめ、企業に欠かせないカスタマーサポート。商品や企業が成長する上で重要な役割を担っているからこそ、一つひとつの問い合わせに丁寧に対応したい一方、社内のリソース不足が心配という方も多いのではないでしょうか。

今回は、カスタマーサポートの業務内容や目的、さらに社内のリソース不足を改善できる主要カスタマーサポートツールを8つ厳選してご紹介します。是非参考にしてみてください。

カスタマーサポート(CS)とは?

カスタマーサポート(Customer Support:通称CS)とは、自社の製品やサービスを購入したり利用したりしている顧客からの問い合わせに対応する業務のことです。

製品の使い方説明やクレーム処理など、インバウンドの業務が基本となりますが、顧客へのアンケートや販促を行うアウトバウンドの業務も含まれます。

顧客と直接やりとりを行うカスタマーサポートの質が顧客満足度やリピート率に直結するため、まさに企業の顔と言えるでしょう。

カスタマーサポートの業務

カスタマーサポート=コールセンターというイメージも強いかと思いますが、実際にどのような業務を行うのでしょうか。

ここでは、カスタマーサポートの業務をお問い合わせ対応と顧客管理の2つに分けて業務内容をご紹介します。

お問い合わせ対応

お問い合わせ対応は、顧客から問い合わせを受け付ける“インバウンド”の業務です。

例えば、

  • 製品やサービスを注文したい
  • 製品やサービスの注文をキャンセルしたい
  • 製品やサービスの使い方を知りたい
  • 製品を交換/返品したい
  • 製品やサービスに不具合があり解決したい

など、製品やサービスの注文・キャンセルから使い方の説明、不具合が起きた場合の対処など、あらゆる方向から疑問や質問が寄せられるため、柔軟な対応が求められます。

顧客管理

カスタマーサポートにおいて、お問い合わせ対応と連動した顧客管理を行うことも大切な業務の一つです。

顧客管理では顧客の属性や購入履歴、どのような問い合わせがあり、どう対応を行ったかという対応履歴などの情報を管理します。

顧客情報をしっかりと管理することで、同一の顧客に対し複数人で同時に対応するのを避けたり、問い合わせ内容によって担当者を変更する際にスムーズに引き継ぎを行ったりすることが可能です。

カスタマーサポートの重要性

顧客と直接やり取りを行うカスタマーサポートは顧客満足度に大きな影響を与えるため、商品やサービス、さらには企業の価値を左右する重要な役割を担っています。

既存顧客の囲い込み

自社製品やサービスのリピート客になってもらうには、既存顧客の満足度を高め、既存顧客のファン化を促すことが重要です。

そのためには、顧客からの問い合わせにスピーディーかつ的確に回答し、その場で疑問や問題を解決することや、定期的なヒアリングを含めたアフターフォローが有効です。

既存顧客の流出を回避し利益を安定させるために重要な役割を果たすとして、近年カスタマーサポートの価値が見直されています。

顧客の声を製品・サービスに生かす

カスタマーサポートは、唯一自社製品やサービスに関する顧客の生の声を聞ける部門でもあります。

お問い合わせ対応に加え、ヒアリングという形で製品やサービスの良い点・悪い点を顧客から聞き出すことで、製品やサービスの改善に生かせます。

カスタマーサポートと製作・開発チームが連携をとり製品の品質向上を実現すれば、リピート客や新規顧客の獲得につながるでしょう。

カスタマーサポートが収益につながる

マーケティング業界で有名な「1:5の法則」では、企業が新規顧客を獲得するためのコストは、既存顧客を維持するのに必要なコストの5倍かかると言われています。同様に、「5:25の法則」では、既存顧客の流出を5%減らすことができれば、利益が最低25%改善するとも言われています。

実際、ある企業の調査では、顧客が企業を離れる原因の約7割が、十分なサポートを得られなかったことであるという結果も出ています。

既存顧客の維持が利益の安定に直結することを考えれば、カスタマーサポートでの対応が収益に直結すると言っても過言ではありません。

収益を安定させたいと考えるのであれば、カスタマーサポートの見直し・改善が必須と言えるでしょう。

主要カスタマーサポートツール8選

カスタマーサポートには電話・メール・チャットといった手段がありますが、大量の問い合わせを管理しながら一つひとつに対応するのは至難の業と言えます。
そこで近年企業で活用されているのがカスタマーサポートツールです。

ここでは、主要カスタマーサポートツールのなかから8つを厳選し、それぞれの特徴や違いを解説します。

Zendesk(ゼンデスク)

https://www.zendesk.co.jp/?variant=a&variant=a

Zendesk(ゼンデスク)は全世界で10万社以上に導入されているデンマーク発のカスタマーサービスプラットフォームです。
顧客による問い合わせの回答に必要な社内外のコミュニケーションを1つの画面で管理できるだけでなく、未回答の質問や問い合わせの優先順位も一目で確認できるので、スピーディーな顧客対応を実現できます。

また、お問い合わせに番号を割り当てて管理するサポートチケットシステムにより、複数チャネルから同じ問い合わせがあった場合にチャネルをまたいで同じ回答をすることも避けられます。

チャットプラス

https://chatplus.jp/

チャットプラスは、簡単なタグを埋め込むだけでサイトを訪問したユーザーとリアルタイムで会話できるチャットサポートツールです。
メールや電話よりも手軽でスピーディーなチャットをカスタマーサポートに利用することで問い合わせが増えますが、そのうち7割~9割は定形質問のため無人のチャットボットの自動回答で対応が可能です。

チャットボットの活用によりサポートコストを5分の1~10分の1までカットし、同時に顧客満足度のアップも見込めます。

Intercom(インターコム)

https://www.intercom.com/

Intercom(インターコム)は必要なツールを単独もしくはカスタマイズして利用できるプラットフォームです。
1つの受信トレイで顧客の問い合わせを管理するため、どのチャネルで問い合わせがきてもスムーズに対応できます。

また、画面上で顧客の状況を把握できるため、顧客が求める回答を即座に提供できます。
既存顧客の維持はもちろん、ターゲットを絞ったメッセージの自動送信や優良見込み客とのライブチャットなど、新規顧客の獲得にも活用できる機能が強みです。

メールディーラー

https://www.maildealer.jp/

顧客からの問い合わせメールを複数人で共有・管理するならメールディーラーもおすすめです。

問い合わせメールの対応状況を共有できるステータス管理機能に加え、対応スタッフがメールへ返信している間はメールにロックがかかる二重返信防止機能も備わっています。
そのほか、スマートフォン対応や多言語対応などユーザーとカスタマーサポートスタッフの両者にメリットのある機能が揃ったシステムです。

HelpScout(ヘルプスカウト)

https://www.helpscout.com/

HelpScout(ヘルプスカウト)は顧客からの問い合わせ先として複数のメールアドレスを所有している企業のカスタマーサポートにぴったりのツールです。

製品やサービスごとに問い合わせ先を設定している場合でも、一箇所でメールの管理ができます。担当者の振り分けや定型文の設定など、問い合わせの数やチャネルが増えるほど混乱しがちなメールでの問い合わせをシンプルにできるのが特徴です。
現時点では日本語未対応ですが、使いやすいUIのため戸惑うことなく導入・運用できるでしょう。

Freshdesk(フレッシュデスク)

https://freshdesk.com/jp/

Freshdesk(フレッシュデスク)はメール・チャット・電話、さらにはTwitterやFacebookといったSNSなど、複数のチャネルを横断して寄せられる問い合わせに一箇所で対応できます。

また、複数のタスクを自動で振り分ける機能や、FAQや製品のチュートリアルを掲載するナレッジスペースの設置で繰り返し発生するタスクの量を減らし業務効率化を図ることも可能です。

Tayori(タヨリ)

https://tayori.com/

Tayori(タヨリ)はメールフォームやチャット、FAQ、アンケート作成など、カスタマーサポートに必要な機能を備えたツールです。

問い合わせフォームやチャットを最短5分で設置できるという手軽さに加え、アンケート機能や回答のグラフ化など、営業や製品・サービスの質を向上させるために活用できそうな機能が揃っている点もポイントとなっています。

Tayoriについての詳しい解説はこちら

formrun(フォームラン)

https://form.run/

formrun(フォームラン)は用途に合わせてテンプレートを選択しテキストを入力するだけで簡単にフォームを作成、さらに顧客の対応から管理まで行えるツールです。

ボード表示でステータス別に問い合わせの進捗を確認できるため、複数人での管理も円滑に行えます。
また、SlackやChatworkとの連携で問い合わせ発生時の通知を見逃さずチームで迅速に対応することが可能です。

顧客とのやりとりが増えることで他部門でも活用できるCRMになるため、カスタマーサポートによる業務効率化とCRMの実現の両方を叶えられます。

比較であなたに適したカスタマーサポートツールが見つかる!

ここでは、上記で紹介した8つのツールを価格や機能で比較します。
自社に合うツール選びの参考にしてみてください。

価格比較

ツール名月額無料トライアルの有無
Zendesk5ドル~(約550円)/1ユーザー
チャットプラス1,500円~/1ID
Intercom87ドル~(約9,600円
メールディーラーお問い合わせ
HelpScout20ドル~(約2,200円)/1ユーザー
Freshdesk0円~
Tayori0円~
formrun0円~

 

ツールの価格は年契約や月契約といった契約の違いによって変動します。
また、必要な機能だけをカスタマイズして使用するツールの場合も、オプションの組み合わせによって価格が変わります。

今回紹介したツールは全て無料トライアルまたは無料プランがあるため、まずは実際に使ってみて必要な機能を精査すると良いでしょう。

機能比較

ツール名特徴的な機能機能の概要スマホアプリ対応
Zendeskチケットシステム複数チャネルからの問い合わせに番号を振って一元管理できる。
チャットプラスリード機能メールアドレスを取得できるポップアップを自動表示。外部へのAPI連携もできる。
IntercomマルチチャネルWebサイト/メール/Facebook/Twitterなど様々なチャネルから届く問い合わせに1つの管理画面で対応できる。
メールディーラー二重返信防止メールの返信中に排他ロックがかかるため二重返信を回避できる。
HelpScoutヘルプデスク機能チームやブランドごとに設定したメールアドレスに届く問い合わせを全て一箇所で管理できる。
Freshdesk業務量の自動管理グループ内で自動的にチケットが割り当てられるため業務をバランス良く分散できる。
Tayoriアンケート作成無料のアンケート作成機能で顧客満足度や顧客ロイヤリティの調査にも対応できる。
formrunカンバン方式未対応/対応中/対応済とステータス別に表示されるボードで顧客対応の進捗を一目で確認できる。

 

カスタマーサポートのツールは複数のチャネルからの問い合わせに対応できるものとそうでないもの、ボットを活用できるもの、顧客情報やアンケート結果をデータ化したりCRMに活かしたりできるものなど、それぞれに異なる特徴や機能を備えています。
まずは自社に必要な機能を吟味してツールを選択しましょう。

まとめ:対策しないと損する!?カスタマーサポートの強化を急げ!

顧客から寄せられる声には、自社製品やサービスを改善するためのヒントが詰まっています。また、顧客対応のスピードや回答の正確性は顧客満足度や既存顧客の維持率、新規顧客の獲得にも影響を与えます。

製品・サービスの売上げや企業の収益を左右する顧客対応の質を高めるためにはカスタマーサポートの強化が欠かせません。

ツールの価格や機能性、自社で使用しているツールとの連携のしやすさなどを検討し、自社に合うカスタマーサポートツールを選択しましょう。