カスタマーサポートは、企業の問い合わせ窓口として機能し、顧客と接点をつくる重要な部署です。
近頃はテレワークの影響で仕事場がオフラインからオンラインへと変化しつつあり、自社ホームページだけではなくSNSやチャットなど、さまざまな方法でのカスタマーサポートが必要とされています。
こうした状況に対応するためには、カスタマーサポートシステムを上手に導入して、顧客管理の一元化を行う必要があります。
ここでは、カスタマーサポートの概要と課題、カスタマーサポートシステム導入によるメリットと導入時の注意点を解説していきます。
目次
カスタマーサポートとは
カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせに対応する業務や部署のことをいいます。
業務内容は、商品やサービスの使い方説明、顧客の疑問に対する回答、クレーム処理など多岐にわたります。
カスタマーサポート業務の最大のミッションは、顧客の疑問などを解消し、顧客満足度を向上させることにあります。
以下では、カスタマーサポートに必要とされるスキルを3つ紹介します。
ヒアリング力
カスタマーサポート業務では、ヒアリングが重要になります。どんなところでつまずいているのか、何を不満に感じているのかなどを正確に聞き出さなくてはならないからです。
顧客が問い合わせをしてきている表面上のことの奥にはもっと根本的な悩みを抱えているかもしれません。
顧客の悩みを解消するためにも、深いところまでヒアリングするスキルが求められます。
提案力
カスタマーサポートにおいて、提案力はとても重要です。
聞かれたことに答えるだけでは、顧客の本当のニーズに応えることはできません。顧客の問い合わせ以上の提案を行うことで、顧客自身が想像している回答以上のものを提供でき、より満足度を高めることができます。
そのためには、提案する姿勢や幅広い提案力を培うような教育が必要となります。
課題解決力
カスタマーサポートにおいて、課題解決力は必須のスキルです。
お客様は課題を抱えて問い合わせをしているので、その課題を迅速かつ正確に解決しなくてはなりません。すぐに課題を解決しなければ、サービスの利用から離れてしまうかもしれません。
課題解決のためには、サービスのことを隅々まで知っていなくてはなりませんし、ケーススタディなどを把握しておく必要があります。
カスタマーサポートにおける課題3つ
カスタマーサポート業務における課題としてはどのようなものがあるでしょうか?主に以下の3つが挙げられます。
1.対応の属人化
カスタマーサポートの課題としては、対応が属人化してしまうことが挙げられます。
カスタマーサポートにはマニュアルがありますが、どうしてもオペレーターのノウハウや経験、コミュニケーション力といった個人のスキルに依存してしまい、サポートの質に差が出がちです。
これでは顧客満足度を下げる可能性がありますし、特定のオペレーターしか対応できない業務が発生してしまい効率が悪くなります。だからこそ、ノウハウやナレッジの共有が必要になってきます。
2.部門をまたぐ対応でコミュニケーションロスが発生
顧客の問い合わせの中には、他部門を経由するものもあります。その場合には、各部門への確認が必要になり、回答までに時間がかかってしまいます。
システム上で、部門間をまたいでも顧客情報を閲覧できるようにしたり、ヒアリングの必須項目がわかるようにしたりして、コミュニケーションロスを防ぐ必要があります。
3.データ収集と活用ができない
カスタマーサポート業務で顧客から得られた情報は、企業にとって商品開発やサービス改善などに役立つ貴重なデータとなります。
しかし、適切なシステムを構築していなければ、こういったデータの収集や共有は難しくなります。プロダクト開発や顧客とのコミュニケーションに活かせるはずのせっかくの情報が埋もれてしまうのです。
必要な顧客情報を入力でき、その情報を共有できるシステムが必要なのです。
だからこそ、情報の収集と共有に優れた「カスタマーサポートシステム」を導入しなくてはなりません。
カスタマーサポートシステムとは
カスタマーサポートシステムとは、顧客対応業務を効率化するサービスです。サポート担当者の日々の業務を円滑にするだけでなく、情報を共有するためのシステムです。
具体的には以下の機能などが必要となります。
- 顧客情報、応対情報のデータベース化
- 複数の問い合わせ媒体の一元管理
- FAQ
- 品質レポートの作成
関係者全員が顧客情報を管理・共有できるように、あらゆる情報をデータベースとして蓄積する必要があります。さらに、電話・メール・SNS・チャットなどの複数チャネルからの問い合わせを一元管理できなければなりません。
顧客から寄せられた問い合わせと回答例を蓄積し、すぐに参照できるFAQの機能も必要です。こういった情報を共有することで、今後同様の質問があった場合に使用できます。
レポートを自動的に作成できる機能もあると便利です。顧客対応をする一件あたりの時間や問い合わせが多いユーザーの年代やエリア、どのような問い合わせが多いかといった情報が簡単にわかります。
カスタマーサポートシステムを導入するメリット

カスタマーサポートシステムを導入することで得られるメリットを紹介します。
業務の効率化ができる
カスタマーサポートシステムでは、顧客の問い合わせ内容や対応状況のステータス、履歴などを一元管理でき、業務の効率化ができます。
チームで対応するときには、誰がどこまで担当しているのか、返信は完了しているのか、といった進捗状況の共有が重要になります。
システムを利用することでひと目で進捗がわかり、返信忘れや担当者の割り振りミスを減らせて業務効率化が図れます。
担当者間の引き継ぎが楽になる
カスタマーサポートシステムを利用することで、担当者間に引継ぎが必要になったときのやり取りが楽になります。
システムに情報を集約できるので、引継ぎを口頭で行う必要がなくなりますし、漏れがなくなります。
メモ機能などもあるので、注意点やイレギュラーなこともで書いておくことができます。
顧客満足度が上がる
サポートシステムによって、顧客満足度を上げることができます。
メールやSNS、チャットを利用して連絡ができるので、問い合わせでの待ち時間を減らせます。
こういったツールでは、電話と違って複数人とやり取りが可能になるため、効率的に顧客対応が可能となります。
また、顧客によっては電話以外のツールを利用したいという人もいます。そういったニーズにも応えられます。
顧客とのコミュニケーションが取りやすくなる
サポートツールを使うことで、顧客とのコミュニケーションが取りやすくなります。
メールでの問い合わせでは、情報が不足していて即座に対応ができないことがあります。チャットやSNSなどを利用したツールでは、リアルタイムでコミュニケーションが取れるため、必要な情報を適宜確認することが可能です。
情報がデータベースに集約されているので、これまでのやり取りを参考にコミュニケーションをすることもできます。
対応内容をナレッジ化できる
カスタマーサポートシステムを導入することで、顧客対応の内容をナレッジ化できます。
対応の内容をデータベースに登録していくことで、スタッフ全体で顧客対応のノウハウを体系化していくことができるのです。それによって、一定のクオリティを保った対応が可能になります。
また、過去の問い合わせを対応事例としてFAQにまとめデータベース化することで、新規の問い合わせに活用することもできます。
システム導入時にチェックすべき4つのポイント

カスタマーサポートシステムは、自社に合ったシステムを導入することが重要です。導入する際は、以下の4つのポイントをチェックしましょう。
1.操作性が簡潔であるか
カスタマーサポートシステムを導入する上で重要なポイントは、操作性が簡潔であるかです。
操作が複雑だと業務効率が落ちてしまいます。顧客からの問い合わせにスムーズに対応できなくなってしまうと、顧客満足度の低下にもつながります。
そのため、システム導入前には無料のトライアルを試すか、無料版を利用するなどをして操作性を確認しておきましょう。
2.問い合わせ手段は何があるのか
カスタマーサポートシステムを導入する際は、どのようなコミュニケーションツールが用意されているのかを確認しましょう。
近年はメールや電話だけではなく、SNSやチャットツールから問い合わせを行う人も増えているため、複数の問い合わせ手段に対応しているシステムがおすすめです。
顧客層に合ったツール手段が用意されているシステムを導入することで、顧客の利便性が上がります。
3.どのような機能があるのか
カスタマーサポートシステムを導入する際は、どのような機能が備わっているのかにも注目しましょう。
例えば、顧客の情報管理が煩雑になっているのが課題であれば、顧客情報をデータベース化する機能が必要ですし、同じ内容の問い合わせ対応に追われているならFAQ機能が必要です。
このように、自社の課題に合った機能があるかを確認しましょう。
4.コストが適正であるか
カスタマーサポートシステムのコストが適正であるかも重要なポイントです。操作性や機能が優れていても、予算をオーバーしてしまっては長期間の運用ができません。
ただし、コストの低さだけで選んでしまうと、業務上の課題を解決できない可能性があるので注意が必要です。
操作性や機能などを考慮し、自社の予算に合ったカスタマーサポートシステムを選びましょう。
おすすめのカスタマーサポートツール8選
ここでは、おすすめのカスタマーサポートツールを8つ紹介します。自社に合うカスタマーサポートツールを導入する際の参考にしてください。
おすすめのカスタマーサポートツール比較表
ツール | 操作性 | 問い合わせ手段 | 機能 | コスト |
---|---|---|---|---|
formrun(フォームラン) | 〇 | メールフォーム、チャット | デザイン性に優れたフォーム作成、問い合わせ対応一元化、チーム機能、カンバン方式画面、データ連携で顧客管理、外部ツールの通知機能連携など | 0円~ |
Zendesk(ゼンデスク) | 〇 | 電話、メール、メールフォーム、チャット、SNS | 問い合わせチケット管理、複数チャネル一元管理、ステータス管理、チャット機能、FAQサイト作成など | 49ドル~ |
Re:lation (リレーション) | 〇 | メール、LINE、Twitter、チャット、電話 | 複数チャネル問い合わせ管理、ステータス管理、チケット分類による分析、一画面一元管理、外部システム連携など | 0円~ |
Freshdesk(フレッシュデスク) | 〇 | メール | 顧客とのやり取りを一元管理、繰り返し業務の自動化、他チームとの連携、カスタマイズ機能など | 0円~ |
チャットプラス | 〇 | チャット | リアルタイム対話、IDの即時発行・即時利用可、チケットボット自動回答、外部システム連携など | 1500円~ |
Tayori(タヨリ) | 〇 | メールフォーム、チャット | テンプレでメールフォーム作成、FAQ作成、チャット機能、アンケート集計のグラフ化など | 0円~ |
HubSpot(ハブスポット) | 〇 | メール、メールフォーム、SNS、チャット | チケットの一元管理、複数チャネルとの情報共有、顧客間アンケートのフィードバック機能、カスタムオブジェクト機能、レポート作成など | 0円~ |
yaritori(ヤリトリ) | 〇 | メール | メール対応の効率化、コラボレーション機能、顧客管理機能、Slack連携など | 980円~ |
1.formrun(フォームラン)

formrunは、株式会社ベーシックが提供しているフォーム作成ツールです。フォーム作成ツールではあるものの、カスタマーサポートツールとしても利用できます。
顧客からの問い合わせをカンバン方式で管理できるため、複数の問い合わせを可視化できます。問い合わせ状況は、未対応・対応中・対応完了などのステータスに振り分けられるため、対応漏れや二重対応といったミスも防止できます。
SlackやChatworkなど、外部ツールとの連携も可能なため、自社で使用しているツールに合わせた運用ができます。問い合わせフォームのテンプレートも豊富に用意されており、簡単な操作でフォームを作成することも可能です。
2.Zendesk(ゼンデスク)

Zendeskは、アメリカに本社を置く株式会社Zendeskが提供している、総合型カスタマーサポートシステムです。
全世界で14万社以上の導入実績があり、SHARPやNTT DATA、ジャパンネット銀行などの企業にも導入されています。
一つのワークスペース上に顧客情報や会話履歴を集約できるため、カスタマーサポート業務の一元化が可能です。問い合わせ手段は、電話やメール、SNSやチャットなど複数のチャネルに対応しています。
AIを活用したチャットボット機能やFAQ機能も用意されているため、カスタマーサポート業務の負担を削減することも可能です。
3.Re:lation (リレーション)

Re:lationは、株式会社インゲージが提供しているカスタマーサポートシステムです。操作性の高いインターフェイスを実現しており、メールや電話はもちろん、LINEやTwitter、チャットなどの問い合わせにも対応しています。
複数人での問い合わせ管理に役立つ、以下のような機能が用意されています。
- 問い合わせのステータス管理
- 二重返信防止
- 担当者の振り分け
- ラベル管理
- メールテンプレートの作成
ほかにもスタッフごとの対応件数や所要時間を確認できるダッシュボード機能や、問い合わせ対応の品質をチェックする機能もあるため、新人スタッフの教育に活用することも可能です。
4.Freshdesk(フレッシュデスク)

Freshdeskは、インドのチェンナイで設立されたFreshworksが提供しているカスタマーサポートツールです。
15万社以上もの導入実績があり、hpやAMERICAN EXPRESSといった企業にも導入されています。問い合わせ手段は、メール、チャット、SNSなど複数のチャネルに対応しています。
Freshdeskの大きな特徴は、さまざまな業務を自動化できる点です。顧客からの問い合わせ内容に応じて、分類や優先順位を自動で設定してくれます。また対応スタッフの業務量を考慮したうえで、ツールが自動的にタスクを割り振ってくれるため、対応漏れのリスクも防止できます。
毎日行う繰り返し業務の自動化もできるため、カスタマーサポートスタッフの工数も削減できるでしょう。
5.ChatPlus(チャットプラス)

ChatPlusは、チャットプラス株式会社が提供するツールです。使いやすさNo.1を掲げていることもあり、簡単な操作でWebサイトにチャットボットを設置することができます。
チャットボットによる無人での顧客対応だけではなく、スタッフが直接コミュニケーションを取ることもできるため、柔軟な対応が可能です。チャットのやり取りだけで完結できない場合は、メールや電話でフォローし、対応内容をチケットとして管理できます。
スマートフォンアプリを使えば外出先でも確認・対応できるので、顧客からのチャットを逃しません。利用IDの発行は1分~3分ほどで完了するため、手間や時間をかけずに運用を始められます。
6.Tayori(タヨリ)

Tayoriは、株式会社PR TIMESが提供しているカスタマーサポートツールです。
以下のように、さまざまなカスタマーサポート機能が備わっており、問い合わせ管理を一元化できます。
- FAQ
- チャット
- アンケート作成・分析
- メールテンプレートの作成
- 問い合わせフォームの作成
FAQ機能では、顧客の疑問解決に役立つヘルプページや、社内向けのマニュアルページなどの作成が可能です。チャット機能はFAQサイトやフォームとの連携が可能なため、対応スタッフが不在の場合でも、顧客に対して問題解決方法を提供できます。
アンケート機能を使えば、テンプレートを使用したアンケートフォームの作成が可能です。アンケートフォームに集まった回答は自動で集計・グラフ化されるため、顧客ニーズの把握にも役立ちます。
7.HubSpot(ハブスポット)

HubSpotは、HubSpot Japan株式会社が運営しているプラットフォームです。HubSpotのソフトウェアにはいくつか種類があり、中でもService Hubがカスタマーサポートに特化しています。
Service Hubを使えば、複数チームやチャネルでのやり取り、顧客データなどを一元管理できます。問い合わせ対応の関係者全体で情報が共有できるため、部門間でのコミュニケーションロスを防ぐことが可能です。
またFAQに似た機能であるナレッジベースや、顧客からの問い合わせに自動で対応できるチャットボット機能を使用することで、カスタマーサポートスタッフの負担を軽減できます。Service Hubは無料版も提供されているため、コストをかけずに試したい方におすすめです。
8.yaritori(ヤリトリ)

yaritoriは、Onebox株式会社が提供しているカスタマーサポートツール。シンプルなデザインが特徴で、月額980円から利用できます。
メールでの問い合わせ対応に特化したツールですが、チャットツールであるSlackと連携することも可能です。
問い合わせメールごとに未対応・対応済みといったステータスを設定でき、誰がどのメールに対応しているかをひと目で確認できるため、対応漏れなどのリスクを防止できます。二重対応防止機能や送信キャンセル機能も用意されているため、メール誤送信といったトラブルの対策にもなります。
おもにメールでの問い合わせ対応を行っていて、低コストのツールを探しているなら、yaritoriの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ:カスタマーサポートシステムならformrun(フォームラン)がおすすめ
カスタマーサポートシステムを導入することで、業務の効率化や顧客満足度の向上が図れます。カスタマーサポートシステムを利用する場合には、操作性や機能、コストなどをしっかりとチェックして、自社に合ったものを選ぶようにしましょう。
カスタマーサポートシステムの導入が初めてなら、無料で利用できるformrun(フォームラン)がおすすめです。
formrunは無料プランだけではなく、有料プランの機能が利用できる無料トライアルも用意しています。操作性や機能などを無料で体験できますので、どのカスタマーサポートシステムを選ぶべきか悩んでいる方は、ぜひformrunをお試しください。