
「弊社」の正しい意味と使い方|「当社・自社・貴社」との違いとは?失礼にならない例文付き
ビジネスメールを書くとき、「この場面では“弊社”で合っているのかな?」と迷うことはありませんか。
特に社外への返信や初めてのやりとりでは、「当社や自社とは何が違うの?」「もし失礼になっていたら…」と不安を感じやすい部分です。
結論からお伝えすると、 社外に向けて自分の会社をへりくだって表す場合は“弊社”で正解です。
まずはこの前提が押さえられていれば、大きく間違えることはありません。
ただし「例外」や「ニュアンスの違い」を知らないまま使うと、意図せず不自然に聞こえてしまうケースもあります。
実は、多くの人が「表現そのもの」で悩んでいるように見えて、根本は「判断基準を自分の中で言語化できていない」ことが不安の正体です。一度“いつ・なぜ・どんな場面で”を整理すると、迷いは自然となくなります。
そしてもうひとつ、メール対応で大切なのは 言葉遣いと同じくらい“対応の土台”が整っているかどうかです。問い合わせ内容の把握や共有があいまいな状態だと、「このメールは誰まで対応した?」「この背景はどこまで伝わってる?」という不安がつきまとい、表現選びにも影響します。
▼入口が整っていれば、返信の丁寧さも自然と安定します。
ビジネスメールでは言葉遣いと同じくらい、「問い合わせの入り口」が整っているかも大切です。
フォームで内容をきちんと受け取り、誰が見ても分かる形で管理できれば、その後の返信もスムーズになります。
formrunは、フォームの作成から受付管理・メールのやり取りまでを一つの画面で完結できるため、窓口運用の“入口づくり”を整えるのに役立ちます。
届いた内容はチームで共有できるため、「担当者しか知らない」という属人化を防ぎ、自然に丁寧な対応が続けられる仕組みが整います。
どのように返信すべきか悩む前段階から、対応の土台が整っていると、メール文面にも余裕が生まれます。
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弊社の正しい意味と役割

「弊社(へいしゃ)」は、自分の会社をへりくだって伝える 謙譲表現です。社外の相手に向けて「自分側」を一段下げて述べることで、相手を立てる役割を果たします。つまり、“ていねいに距離を取るための言葉”です。
このとき押さえておきたいのは、「弊社」という表現そのものが“正しい・間違い”で決まるわけではなく、 “誰との会話か”によって自然さが変わるという点です。
例えば、
- 相手が社外 → 相手を上に置く →「弊社」
- 説明(資料や案内) → 立場を中立に →「当社」
- 社内向け → 上下がない →「自社」
というように、使い分けの軸は「立場の置き方」にあります。
ここが理解できると、「弊社って何となく難しい…」という抽象的な不安が具体的な判断に変わります。
“形ではなく、関係性を整える言葉”
敬語のジャンルでいうと「謙譲語」にあたりますが、「弊社=礼儀正しい言い方」ではなく、より正確には 相手との関係性を整えるクッションです。
たとえば、同じ内容でも
- 「弊社では〜」→ 謙虚に伝える
- 「当社は〜」→ 事実として説明する
というように、言葉1つで受け手の印象は変わります。
また、「弊社」を使い慣れていないと一文ごとに確認したくなることがありますが、これは“表現の問題”ではなく、“相手と自社の位置づけ”をまだ自分の中で固めきれていないために生じる迷いです。判断軸を持てるようになると、不安が大きく減ります。
迷いをなくす「3秒判断ルール」
以下の表にまとめると、判断がぐっとシンプルになります。
判断の軸 | 状況 | 選ぶ言葉 | イメージ |
|---|---|---|---|
相手 > 自社 | 社外への返信・依頼 | 弊社 | 相手を立てる |
相手 = 自社 | 説明・会社案内・プレス | 当社 | 中立・説明 |
相手を想定しない | 社内・議事録 | 自社 | 内向き表現 |
メールを書くたびに検索したり迷ったりする背景には、「言葉の意味」ではなく「立場」の整理不足があります。この3秒ルールを押さえておくと、表現の迷いが自然となくなります。
『弊社』『当社』『自社』『貴社』の違いをやさしく整理

「弊社」の意味が分かると、次に迷いやすいのが「似た言葉との違い」です。特にビジネスメールでは使う相手や場面によって言葉を切り替える必要があるため、ここを押さえておくと文章全体が自然に整います。
まずは全体像を表で確認してみましょう。
表現 | 相手 | 立場 | ニュアンス | 使う場面 |
|---|---|---|---|---|
弊社 | 社外 | 自社を下げる | 謙譲 | 社外メール・依頼・返信 |
当社 | 社外 | 中立 | 客観・説明 | 会社案内・プレス・資料 |
自社 | 社内 | 主観 | 内向き | 社内会議・企画書 |
貴社 | 社外(相手) | 相手を上げる | 尊敬 | お願い・感謝・返信 |
「誰の立場を軸にしているか」が違いのポイント
4つの表現の違いは、“自分の会社をどう位置づけるか”で決まります。
- 「弊社」…相手を立てる言い回し
- 「当社」…事実説明としてフラット
- 「自社」…社内の視点
- 「貴社」…相手を敬う表現
つまり、「敬語・謙譲語だから」ではなく、“どちら側を見る言葉なのか”が本質的な違いです。
迷いやすい境目(よくある実務の質問)
実際のメール現場では、次のような場面で悩むケースが多くあります。
迷う場面 | 結論 | 理由 |
|---|---|---|
プレスリリース | 当社 | 立場を下げず、事実として発信する文章 |
営業メールの冒頭 | 弊社 | 丁寧さ・配慮の表示が目的 |
社内の議事録 | 自社 | 外向きでないため謙譲不要 |
相手企業の名称を入れる | 貴社 | 「相手を立てる=敬称」 |
ポイントは、「上下関係」よりも だれを読者想定として置くかという観点です。
ここまで押さえれば、「どこまでが正しく、どこからが不自然か」が明確になります。
次の章では、この理解をそのまま使える形に落とし込むために、実際のメール例文(3つ)をご紹介します。
どこからが誤用?「弊社」を使うと失礼になるパターン

「弊社」はとても丁寧な表現ですが、実は“どんな場面でも使えば正解”ではありません。
関係性が合わない状態で使うと、相手からすると「上下関係の置き方がおかしい」という印象になり、かえって不自然に聞こえてしまいます。
失礼と判断されてしまうのは、多くの場合、次のいずれかに当てはまるときです。
① 相手より自社を上に置いてしまう文章
本来、「弊社」は相手を“上”に置くときに使います。
ところが、比較や優位性の話の中で用いると、立場のバランスが崩れてしまいます。
誤用例 | なぜ失礼? |
|---|---|
✕ 貴社より弊社の方が優位です | 「相手を立てる」表現と矛盾 |
✕ 御社に代わり弊社で判断いたします | 判断権を上に置きつつ謙る矛盾 |
② 本来「中立」が求められる文章で使ってしまう
プレスリリースや会社概要など、事実ベースで説明する文書では、関係性の上下を表現しない「当社」が自然です。
誤用例 | 正しい形 |
|---|---|
✕ 弊社のミッションは〜 | ◯ 当社のミッションは〜 |
✕ 弊社の事業内容は〜 | ◯ 当社の事業内容は〜 |
「説明」を目的としている文章は、相手を立てる必要がないため“中立の視点”が求められます。
③ 過剰に連発してしまい、読みにくさが出る
丁寧にしようとするあまり、1通のメールに何度も出てくると“堅すぎる・まわりくどい”印象になります。
例 | 読みやすい形 |
|---|---|
✕ 弊社では弊社のお客様に弊社担当が〜 | ◯ 弊社ではお客様対応を一元管理しており、担当よりご連絡いたします |
必要な部分にだけ使えば十分に丁寧さは伝わります。
実務でよくある「グレーゾーン」
実際の運用では、このあたりで迷う人が多いです。
ケース | 判断のポイント |
|---|---|
社内+社外混在の資料 | 相手に読まれる可能性 →「当社」 |
オンライン登壇資料 | 不特定多数 →「当社」が自然 |
代理店やパートナー | 対等関係なら「当社」/先方への配慮強い場合は「弊社」 |
ポイントは、「上下関係」よりも だれを読者想定として置くかという観点です。
ここまで押さえれば、「どこまでが正しく、どこからが不自然か」が明確になります。
次の章では、この理解をそのまま使える形に落とし込むために、実際のメール例文(3つ)をご紹介します。
場面別ですぐ使える「弊社」メール例文

1. 問い合わせ返信
お問い合わせいただきありがとうございます。
お送りいただきました内容につきまして、 弊社にて詳細を確認のうえ、担当より順次ご案内差し上げます。確認には少々お時間をいただく場合がございますが、進捗が整い次第、あらためてご連絡いたします。
お急ぎの場合や、ご不明点が追加でございましたら、本メール宛にお気軽にご返信ください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
“弊社にて詳細を確認”により、「責任を持って対応します」という丁寧な姿勢が自然に伝わります。
2. 営業・提案メール
先日はお打ち合わせのお時間をいただき、誠にありがとうございました。
ご相談いただきました内容を踏まえ、 弊社にて資料を更新いたしましたので、添付ファイルをご確認いただけますと幸いです。
必要に応じて補足説明のお時間も調整可能ですので、ご都合の良い候補日がございましたらお知らせください。
ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
「弊社にて資料を更新」により、“押し付けず・伴走する姿勢”を自然に表現できます。
3. お詫び・不備案内
このたびはご不便をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。
今回の件につきましては、 弊社の確認不足によるものと認識しており、原因の洗い出しと改善策の見直しを進めております。
再発防止のため、社内手続きを再度整備し、同様の事象が起こらないよう努めてまいります。
ご迷惑をおかけいたしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
“弊社の確認不足”が責任の所在を明確にし、誠実さを伝えます。
返信までの流れ」を仕組み化すると、迷わず丁寧なメールが書けます
メールに悩むのは“表現”だけが原因ではありません。
問い合わせの確認・共有・返信の一連の流れが整っていないと、常に不安が残ります。
誰でも迷わず返信できる環境があると、言葉選びも自然にスムーズになります。
メールのやり取りが多い方には、formrunがおすすめです。
ここではformrunの特徴を3つ紹介します。
豊富なメール機能
formrun(フォームラン)には、メールを送付する機能が主に3種類用意されています。
1.自動メール返信
2.個別メール機能
3. 一斉メール配信
また、すべての機能でフォームで得た顧客情報をメール本文や件名に変数として挿入することが可能です。
フォーム作成から、フォーム回答者へのコミュニケーションまでformrunで一貫してできるため、顧客対応管理もスムーズになります。
formrunのメール機能でメール対応をスムーズにした事例記事はコチラをご覧ください。
>>フォーム一覧やメール機能にて顧客の動きや社内での対応を可視化!複数のプロジェクトを持つマネージャーにとってformrunが最適な理由とは?(一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会 様)
顧客管理・対応を効率化できる
formrun(フォームラン)を活用すれば、フォームで集めた顧客の対応管理まで一元化できます。
回答データは一覧で確認でき、対応ステータス(未対応・対応中・完了・発送済みなど)ごとに整理可能。 担当者ごとにフィルタリングできるので、複数人での対応も漏れやダブりを防ぎながらチーム全体で進捗を見える化できます。

さらに、メールテンプレートやAIメールアシスタントを活用すれば、返信作成もスムーズに。 顧客対応のスピードと質がどちらも向上します。
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formrunのステータス管理機能でお問い合わせ対応を削減した事例はコチラ
>>お問い合わせから最短1分で個別メール対応を実現!対応漏れをなくすためのボード画面の活用方法とは(株式会社クラス 様)
AIメールアシスタント(β)でやり取りをスピーディーに
formrunなら、AIが問い合わせ対応をサポートする「AIメールアシスタント機能(β)」で、返信業務をスピーディーに進められます。
この機能を使えば、入力した文章をAIが自動で分析し、敬語表現やトーン、文章の明確さをチェック。 改善案を提案して、誰でも分かりやすく丁寧な文章に仕上げることが可能です。

「この表現で失礼にならないかな?」と悩む必要はもうありません。 さらに、対応品質のばらつきを抑え、一貫性のある返信対応を実現できます。
社内では、この機能を活用することで返信作成にかかる時間を従来の半分以下、わずか5分程度に短縮できたという声もあります。 まずは実際に使って、その効果を体感してみてください。
言葉だけでなく「対応のしかた」まで整えると、安心感は自然に伝わります

「弊社」という表現は、単に敬語の選び方の中の一つではなく、 “相手を立てる姿勢”を形にした言葉です。意味や使い分けの考え方を理解すると、「どの場面でどちらを選ぶべきか」という迷いが、自然と小さくなっていきます。
そして実務の現場で振り返ってみると、多くの場合「言い回しに迷っている」ように見えて、根本にあるのは
- 相手の状況や背景を把握しきれていない不安
- 対応が重なって“混在”している状態
- 過去の履歴や他担当との整合が見えない焦り
といった、“表現以外の不確実さ”であることも少なくありません。
言葉は、人から人へ届く直前の「最後のアウトプット」です。
入口の整理や共有体制が整っていると、そのアウトプットはおのずと落ち着き、丁寧さが続けられるようになります。
つまり、「言葉遣いの精度」は、 土台が整うことで再現性が生まれるという考え方です。
▼迷わずに返信できる環境があると、表現の品質は自然に揃っていきます。
社外対応の質は、“一度うまく答えられるか”よりも“いつでも安定して答えられるか”で評価されます。
formrunでは問い合わせ内容をチームで可視化できるため、誰が返信しても同じレベルの対応がしやすくなります。さらに AI メールアシスタント機能を活用することで、「この表現は失礼にならないか」「敬語の使い方はこれで正しいか」といった不安も事前に解消できます。
正しい言い回しが常に確認できる環境があることで、対応品質が一貫し、“会社として信頼できる姿勢”を自然に伝えられます。
言葉の選び方と体制づくりの両面を支えてくれる仕組みがあることで、メール対応全体の安心が生まれます。
よくある質問(FAQ)

ここでは、「弊社」をメールで使うときに特に迷いやすいポイントをQ&A形式でまとめました。実務でつまずきやすい“境界線”や“例外パターン”にも触れながら、すぐに判断できる形で整理しています。
Q1:社外メールでは必ず「弊社」を使った方が良いですか?
基本的には「はい」です。相手が社外の場合は謙譲表現が適切とされます。ただし資料説明やプレスリリースなど“会社案内”要素が強い文章では「当社」を選ぶ方が自然です。
Q2:「弊社」はメールのどこに入れるのが自然ですか?
主語に置くと最も馴染みます。「弊社では〜」「弊社にて〜」という形にすると、不自然に浮かず、文章全体にやわらかく溶け込みます。
Q3:「弊社」と「当社」の言い換えはどう判断したら良いですか?
“誰に向けて伝えているか”を基準にしましょう。相手に敬意を向けたいときは「弊社」、説明的・客観的な文章では「当社」が自然です。
Q4:「弊社」を使うと硬すぎる印象になりませんか?
多用すると硬く感じることがあります。その場合は、別の文では「弊社」を省き「担当よりご連絡いたします」など文脈で調整すると、自然で読みやすくなります。
Q5:電話でも「弊社」を使いますか?
はい、使えます。メールと同様に社外向けの場面では自然な謙譲語表現になります。ただし口頭では少しやわらかく聞こえる「当社」を使うケースもあります。
Q6:社内向けの資料で「弊社」を使うのは変ですか?
はい、基本的には不自然です。社内で用いる場合は「自社」「当社」が適切です。「弊社」は“相手を立てる”ための語なので、社内文章では役割が成立しません。
Q7:問い合わせ返信メールで「弊社」を使うとき、定型文のままでも大丈夫ですか?
定型文だけでも失礼にはなりませんが、問い合わせ内容への“理解”が伝わる1文を添えると、より丁寧で温度感のある対応になります。たとえば「お問い合わせ内容を拝見し、弊社でも確認いたしました」というように“文脈”を足すと自然です.




