「うちの会社、案件管理してるはずなんだけど情報の抜け漏れが多くて…」とお悩みの方はいませんか?
ひと昔前まではExcelを利用した案件管理が一般的でしたが、近年ではクラウド化が進み、案件管理の手間や負担を大きく軽減できるようになってきました。
そこで本記事は、案件管理ツールを導入することで得られる効果やExcelを使うことのデメリット、おすすめの案件管理ツールなど、案件管理の改善に役立つ情報をまとめてご紹介します。
なかには無料で導入できるツールもあるので、利用中のツールに使いづらさを感じている営業の方や案件の見える化を図りたいサービス担当者の方など、ぜひ参考にしてみてください。
案件管理とは?
案件管理とは、業務を進める上で対応すべき事柄(=案件)が今どういった状況なのかを把握するために行われるものです。
例えば商談が受注につながる見込みはあるのか、営業の進捗状況はどの程度かなどを管理したり、サービス利用者からの問い合わせには対応できているのかなどを確認したりすることができます。
案件管理の目的
案件管理の目的は、顧客情報や案件の進捗情報を整理して正しく把握し、企業として利益を得られるようにすることです。
ただ状況を記録すればよいだけと思われがちな案件管理ですが、利益につなげるためにはその先の分析が重要になります。
一つひとつの案件が今どのような状態なのかを的確に把握して、企業の売上を予測。そして注力すべきポイントや改善すべきポイントなどに気づけるようになってこそ、案件管理が適切に行われている状態と言えるでしょう。
案件管理に必要な4項目
では、正しく案件管理を行うためには、どのような項目をもとに管理する必要があるのでしょうか。
こちらでは、案件管理に必要な項目を4つご紹介します。
誰が担当するのか・しているのか(担当者)
まずは案件に対して誰が担当するのかを管理します。
商談などで特定の相手と接する場合、営業担当者と商談相手との相性はとても重要です。
好印象を与えられるかどうかはその後の受注にも関わってくるため、各営業担当者のスキルや知識なども把握した上で担当者を決定することで、より効率的に商談を進めることができるでしょう。
また、案件を誰が担当しているかが明確になっていると、社内のリソースも把握できるようになります。「〇〇さんの工数に余裕があるから、△△さんに同行して指導にあたってもらおう」など、先を見据えた計画を立てられるのも担当者を把握するメリットと言えます。
どのくらいの利益になりそうか(売上見込み)
次に、案件がどのくらいの売上になりそうかを管理します。
製品やサービスなど受注した内容によってそれぞれの単価が設定されていることも多いですが、その
単価の違いで対応の優先度や注力度合いが変わってくるはずです。
例えば売上見込み額が多い場合、通常の営業担当者に加えて意思決定できる立場の人も同行させておくと、商談相手の反応によって対応を柔軟に変えることができるようになります。「上司の判断が必要で…」と、いったん持ち帰らなくて済むため、迅速に受注が決まりやすいでしょう。
いつ頃完了しそうか(完了見込み)
売上の予測を立てる上で、案件の完了見込みがいつ頃なのかも把握しておきたいポイントです。
会社として四半期や1ヶ月など決まった期間ごとの売上目標が設定されている場合には、受注のタイミングによって達成度が変わってくるでしょう。
どの程度進んでいるのか(進捗状況)
完了見込みとつながる部分ではありますが、案件管理においては進捗状況の管理も重要です。
あらかじめ完了見込みを決めておくことで、完了に向けたスケジュールを作成できるようになります。「弊社提案中」「顧客検討中」「契約内容の交渉中」「受注済み」など細かく段階を分けて管理しておくと、どの商談がどういった状態なのか明確になり、管理の抜け漏れを防ぐことができるでしょう。
なぜ案件管理は必要なのか?
案件管理が必要な理由としては、下記の3つが挙げられます。
- 業務の効率化を図るため
- 情報の可視化による抜け漏れを防ぐため
- 情報共有によりスキルの底上げを行うため
案件管理を行うことで情報を一元化でき、担当者の確認や資料探しなどに手間取らなくなります。担当者以外でも簡単に過去のやりとりを見つけられるようになるため、問い合わせがあった場合でも迅速に対応できるようになるでしょう。
また、進捗状況を可視化することで、タスクの遅れにも気づきやすくなり、大きなトラブルにつながるのを防ぐことができます。効率的な案件管理が行えるようになれば、情報共有や分析に時間を割くことができ、担当者のスキルアップにもつなげることができるでしょう。
Excelによる案件管理のデメリット
Excelは使い慣れている人も多いため、案件管理を含めて様々な場面で活用されています。
ですが、実際のところExcelでは上記の目的を実現するような案件管理が難しいため、かえって手間に感じられる部分もあります。こちらでは、Excelによる案件管理のデメリットを2つご紹介します。
PDCAサイクルが回せない
Excelによる案件管理は、ただ情報が羅列しているだけのことが多く、顧客との具体的なやりとりなどを残すことが難しいです。
何が原因で失注となったのか、受注できたのかなど分析につなげにくいため、効率的にPDCAサイクルを回すことができないというデメリットがあります。
リアルタイムに案件を把握できない
進捗状況を正しく把握するためには、リアルタイムの更新が必要です。
ですが、Excelでリアルタイムの情報更新をしようとすると、上書き保存してファイルを共有しなければならないという手間が発生します。しかも、同時に2人が作業するなど更新のタイミングがずれると、正しい情報が入っていない状態で共有されることになってしまいます。
情報の正確性が求められる案件管理において、最新の情報が不確定であることは大きなデメリットと言えるでしょう。
案件管理ツールの導入で可能になる4つのこと
上記の理由からExcelでは利益につながる案件管理は難しいと考えられますが、案件管理に適したツールを導入すると大きな改善を見込めます。
こちらでは、案件管理ツールを導入することで得られる4つの変化をご紹介します。
進捗状況の可視化
1つ目は、進捗状況を可視化できるようになることです。
案件管理ツールでは、案件の担当者やスケジュールを設定することができます。なかにはレポート機能などで状況をグラフ化できるツールもあるため、全体像の把握や分析にも役立ちます。
リアルタイムの情報共有
2つ目は、リアルタイムで情報共有ができるようになることです。
クラウド型の案件管理ツールは、個々で入力した情報がリアルタイムで他者にも反映されます。外出が多い方でもスマートフォンを用いてすぐに状況を確認・報告できるため、移動時間を有効活用できるでしょう。
また、複数人で問い合わせ対応を行っている場合など、「未対応」「対応中」「対応済み」といった対応状況が明確になることも大きなメリットです。未対応分の把握がしやすくなり、作業の二度手間が発生しにくくなります。
迅速な必要情報の入手
3つ目は、必要な情報を迅速に入手できるようになることです。
案件管理ツールでは、ツール内から顧客とやりとりしたり、メモやファイルを保存したりすることができます。顧客の情報を1つのツールに集約できるため、メールを開いて顧客とのやりとりを探して…といった手間が発生せず、業務の効率化に大きく貢献するでしょう。
次のアクションが明確になる
4つ目は、次にすべきアクションを判断しやすくなることです。
上の2項目とも関連しますが、案件管理ツールにはリアルタイムの情報や過去の履歴がすべてまとまっています。
リアルタイムで営業から受けた報告によっては戦略やスケジュールの練り直しが必要になることもありますし、過去の履歴を辿れば顧客にどの情報を伝えれば受注につながりやすいかなどを分析しやすくなります。次のアクションが明確になれば、PDCAサイクルの迅速化にも役立つでしょう。
おすすめの案件管理ツール7選
では、案件を適切に管理するためには、どういったツールを導入すべきなのでしょうか。
こちらでは特におすすめのツールを7つ紹介していますので、自社に適したツールを選びたい方は参考にしてみてください。
Salesforce Sales Cloud
https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/
Salesforce Sales Cloud(セールスフォースセールスクラウド)は、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供している営業支援(SFA)ツールの1つです。
Salesforce Sales Cloudの機能の1つとして案件管理があり、合わせて顧客管理や見込み客管理、メールの連携といった機能があります。
【特徴・強み】
- 4つのプランが用意されており、機能の必要性に応じて選択しやすい
- 案件の更新情報を自動で受け取るようにすることができる
- 見積書をスピーディーに作成することができる
【利用料金】
プラン | 月額料金 ※年間契約時 |
Essentials | 3,000円/ユーザー |
Lightning Professional | 9,000円/ユーザー |
Lightning Enterprise | 18,000円/ユーザー |
Lightning Unlimited | 36,000円/ユーザー |
eセールスマネージャーRemix Cloud
eセールスマネージャーRemix Cloudは、ソフトブレーン株式会社が提供している営業支援ツールです。
機能の1つに案件管理があり、案件ごとに顧客の情報や営業担当者、売上金額などを紐づけることができます。また、5,000社以上の導入実績があり、あらゆる業種や事業規模の営業支援に役立てられています。
【特徴・強み】
- 案件の進捗状況や最新情報が一目でわかる管理画面。項目や表示順も変更可能
- 営業現場での使いやすさに考慮されたスマホアプリを利用できる
- 日報管理やスケジュール管理、社内SNSなど情報共有に役立つ機能を豊富に搭載
【利用料金】
プラン | 月額料金 |
スタンダード | 6,000円~/ユーザー |
ナレッジシェア(閲覧のみ) | 2,000円~/ユーザー |
スケジュールシェア(グループウェアのみ) | 1,000円~/ユーザー |
ちきゅう
ちきゅうは、株式会社ジーニーの提供する顧客管理 / 営業支援ツールです。
導入後に運用し続けられるかを考えて設計されており、機能は顧客管理・商談管理・データ分析の3つに絞られています。
【特徴・強み】
- シンプル設計でありながら拡張性もあり、自社に合わせてカスタマイズしやすい
- ドラッグ&ドロップの直感的な操作でデータベース項目を移動できる
- 「やることリスト」を作成でき、タスク管理としても利用できる
【利用料金】
プラン | 月額料金 |
ライト | 1,480円/ユーザー |
スタンダード | 2,980円/ユーザー |
プロ | 4,980円/ユーザー |
※30日間の無料トライアルもあります。
Knowledge Suite
https://ksj.co.jp/knowledgesuite/
Knowledge Suite(ナレッジスイート)は、ナレッジスイート株式会社の提供するビジネスアプリケーションツールです。
営業支援と顧客管理の機能に加えてグループウェアとしても利用することができ、情報共有の円滑化を進めることができます。
【特徴・強み】
- 5,900社が導入。事例が豊富なので具体的な活用方法を確認しやすい
- ユーザーごとの料金設定ではないため、コストを抑えた導入が可能
- 使わない機能は非表示にできるため、段階的に導入を行うことができる
【利用料金】
プラン | 月額料金 |
スタンダード | 50,000円 |
プロフェッショナル | 80,000円 |
※グループウェアのみを利用する場合は月額6,000円です。また、期間の明記はありませんが無料トライアルもあります。
Zoho CRM
Zoho CRM(ゾーホーシーアールエム)は、ゾーホージャパン株式会社の提供する顧客管理・案件管理ツールです。
全世界で5,000件以上の評価を受けており、日本においても株式会社星野リゾートや筑波大学など多くの企業に導入されています。
【特徴・強み】
- 人工知能「Zia(ジア)」がデータを分析して注力すべきポイントを提示
- 入力項目を柔軟にカスタマイズでき、自社に合わせた運用ができる
- チャットツールやメール配信システムなど他社のツールとも連携が可能
【利用料金】
プラン | 月額料金 ※年間契約時 |
スタンダード | 1,440円/ユーザー |
プロフェッショナル | 2,400円/ユーザー |
エンタープライズ | 4,200円/ユーザー |
※15日間の無料トライアルもあります。
kintone
https://kintone.cybozu.co.jp/purpose/sfacrm.html
kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供している業務改善プラットフォームです。
営業が案件管理として利用するだけでなく、例えば人事部が採用管理に活用したり、マーケティング部が分析用に使ったりなど、さまざまな目的・用途に応じて導入することができます。
【特徴・強み】
- 情報を一元管理でき、案件の属人化を防止することができる
- 条件ごとにグラフ化できるため、分析に活用しやすい
- リマインド機能により、顧客対応の抜け漏れを防ぐことができる
【利用料金】
プラン | 月額料金 |
ライトコース | 780円/ユーザー |
スタンダードコース | 1,500円/ユーザー |
※30日間の無料トライアルもあります
formrun
formrun(フォームラン)は、弊社の提供するメールフォーム作成ツールです。
メールフォームに入力した情報が自動でカード化され、そのカードをカンバン方式で整理できるようになるため、案件管理としても活用することができます。
【特徴・強み】
- 基本的な機能は無料で利用でき、お試し導入がしやすい
- メールやチャットツールとも連携でき、通知にすぐ気づくことができる
- ドラッグ&ドロップの操作でカードを操作でき、進捗状況の共有が容易
【利用料金】
プラン | 月額料金 |
FREE | 0円 |
BEGINNER | 3,880円(税抜) |
STARTER | 12,980円(税抜) |
PROFESSIONAL | 25,800円(税抜) |
※14日間の無料トライアルがございます。
まとめ:案件管理ツールでパフォーマンス向上を目指そう!
今まで案件管理をExcelやGoogleのスプレッドシートなどで行っていた方であれば、案件管理ツールの導入はパフォーマンスの向上に大きく貢献するはずです。また、別のツールを使っていたという方でも、見直すことでより自社の規模や業務に適したツールを見つけられるかもしれません。
適切な案件管理は、企業の成長にもつながります。情報共有やナレッジ化の限界を感じている方は、まず無料で利用できるツールから導入を検討してみてはいかがでしょうか。