
DMARCのRUAとは?RUFとの違いや活用方法、設定時の3つの注意点を解説
「DMARCのRUAが具体的に何を示すのか知りたい」
「RUAレポートの読み方や活用方法が分からず、対策に不安を感じている」
このような疑問を抱えていませんか。
DMARCのRUAは、送信ドメイン認証の状況を可視化し、不正利用の早期発見に役立つ重要な仕組みです。適切に理解して活用することで、ドメインの安全性を大きく高められます。
本記事では、RUAの基本的な仕組みやRUFとの違い、レポートの読み方、実践的な活用方法、設定時に注意すべきポイントまでを丁寧に解説します。
安全性の高いメール運用を実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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DMARCのRUAとは?

DMARCのRUAは、送信ドメイン認証の結果を集約して送付するための重要なタグであり、受信サーバーが認証状況を体系的に報告する仕組みです。
SPFやDKIMの結果、送信元IP、適用されたポリシーなどがXML形式で記録され、ドメインの利用状況を詳細に把握できます。
集約レポートには、正常なメールの挙動だけでなく不正な送信の兆候も含まれるため、運用者は認証エラーの改善ポイントを把握しやすくなります。認証状況の可視化が進むほど、継続的な改善につながりやすい点が特徴です。
RUAを適切に設定すると、なりすましの早期発見や認証設定の最適化に役立ち、ドメインセキュリティの強化に直結します。予防的な対策を整備したい場合に欠かせない要素として活用できます。
▼DMARC(ディーマーク)について気になる方はコチラの記事で詳しく解説しています。
>> DMARC(ディーマーク)とは?仕組みや設定方法、導入する3つのメリット・注意点を解説
▼DKIM設定の詳しい内容は、こちらの記事で解説しています。
>> DKIM設定とは?必要な3つの理由や設定方法・よくあるミスと対処法を解説
DMARCのRUA(集約レポート)とRUF(フォレンジックレポート)の違い

DMARCでは、RUAとRUFが異なる役割を持ち、取得できる情報の粒度も大きく変わります。RUAとRUFの違いを以下の表にまとめました。
項目 | RUA(集約レポート) | RUF(フォレンジックレポート) |
概要 | 電子メール認証に関する集約データ | 個々の認証失敗メールの詳細 |
形式 | XML形式 | プレーンテキスト形式 |
用途 | 送信傾向の統計的な監視 | 不正検知やセキュリティ調査(個別の事例解析) |
RUAはメール全体の送信傾向を捉える集約データで、RUFは認証に失敗した個別メールの詳細を扱います。形式にも違いがあり、RUAはXML形式、RUFはプレーンテキスト形式で提供される点が相違点です。
RUAは日次などの周期で送られるため、大量のデータを統計的に分析しやすく、広範囲の状況把握に適しています。RUFは失敗メールごとの詳細を含むため、不正利用の痕跡調査やセキュリティ検証に向いています。用途が異なることで、得られる示唆の種類も変わります。
集約レポートによる傾向把握を行いたい場合はRUA、個別事案を深掘りしたい場合はRUFがそれぞれ有用です。両者の特徴を理解し、目的に応じて適切に組み合わせることで、より強固なメール認証体制を構築できます。
RUAを含むDMARCレポートの設定方法

RUAを含むDMARCレポートを正しく受け取るには、DMARCレコードに適切なタグを設定することが欠かせません。RUAを含むDMARCレポートを受け取るための設定方法は以下の通りです。
DMARCレコードに「rua=mailto:」タグを追加
受信したいメールアドレスを指定
「v=DMARC1; p=none; rua=mailto:dmarc@domain.com;」の形式でTXTレコードをDNSに登録
DNSはドメイン名を使って通信先を判断する仕組みであり、TXTレコードはドメインに紐づくテキスト情報を扱います。動作検証を行う段階では「p=none」を選択し、挙動を確認しながら方針を調整しやすくなります。
設定の際は、まずポリシーを「p=none」(監視のみ)でテスト運用し、レポート内容を確認してから「p=quarantine」(隔離)や「p=reject」(拒否)へ変更する方法が安全です。
外部ドメインをRUAの送信先に設定する方法

外部ドメインをRUAの送信先に指定する場合は、レポート受信側のDNSに承認用TXTレコードを登録する必要があります。
送信元ドメイン「example.org」のレポートを「sample.net」で受信したい場合、「sample.net」側のDNSに「example.org._report._dmarc.sample.net. IN TXT "v=DMARC1"」という形式のレコードを追加します。
「sample.net」が「example.org」に関するDMARCレポートを受信してよいことを示せます。ドメイン間の認証が成立すると、外部サービスでも集約データを安全に受信可能です。
外部解析ツールを活用したい場合は、この設定を行うことでレポート連携が可能になり、分析の幅を広げられます。
DMARCのRUAレポートの読み方

DMARCのRUAレポートはXML形式で記述されており、そのままでは読みにくいと感じるかもしれません。レポートを正しく解読するため、主要なブロックに含まれる情報を解説します。
report_metadataブロックに含まれる情報
policy_publishedブロックに含まれる情報
recordブロックに含まれる情報
各項目を詳しく見ていきましょう。
report_metadataブロックに含まれる情報
report_metadataブロックは、レポートの信頼性を判断するための基礎情報を把握するうえで重要な役割を担います。作成元の組織名、作成日時、レポートIDなどがまとめられ、内容を読み解く前段階の確認に役立ちます。
記載されている情報から、どの受信サーバーがレポートを生成したか、対象期間がいつかといった識別要素の確認が可能です。発行元の正当性や生成プロセスの妥当性を判断しやすくなります。
集約データ全体を精度高く分析するには、メタデータの把握が欠かせず、レポートの品質を評価する際の出発点として活用できます。
policy_publishedブロックに含まれる情報
policy_publishedブロックは、送信元ドメインに適用されているDMARCポリシーを把握するうえで欠かせない要素です。none、quarantine、rejectといった設定内容が明記され、ポリシー運用の前提を確認できます。
加えて、サブドメインへの適用範囲やフォーマットの整合性も記録され、認証ルールがどのように適用されているかを理解しやすくなります。メール運用全体の意図を読み解く材料として活用可能です。
認証結果の判断基準を把握することで、想定通りの挙動かどうかを評価しやすくなり、改善の方向性を見極める際にも役立ちます。
recordブロックに含まれる情報
recordブロックは、RUAレポートの中でも最も重要な情報を含む領域であり、送信元の挙動を詳細に把握するための中心的な役割を担います。送信元IP、SPFやDKIMの認証結果、適用されたポリシー評価が記録され、送信状況の全体像が明らかになります。
記載されたデータから、どの送信元が認証に失敗しているか、不正利用が疑われる通信が存在するかの判断が可能です。傾向を把握することで、改善に向けた方向性が見えてきます。
集約レポートの中核となる情報であるため、なりすまし対策や設定の見直しを行う際の根拠として活用し、安全性の高い運用体制の構築に役立ちます。
DMARCのRUA・RUFレポートの3つの活用方法

DMARCのRUAレポートやRUFレポートを収集するだけでは、なりすまし対策は完了しません。レポートを分析し、対策に活かす必要があります。主な活用方法を3つ紹介します。
正当な送信元の特定
不正送信元の検知・遮断
フィッシング・なりすまし攻撃の防止
各項目を詳しく見ていきましょう。
正当な送信元の特定
正当な送信元を明確に把握することは、安全なメール運用を行ううえで重要な取り組みです。RUAレポートには送信元IPや関連ドメインが詳細に記録され、どのシステムが正規のメールを送信しているかを判断できます。
記録された情報を確認すると、運用中のメールサーバーを整理し、利用されていない送信元を排除する判断がしやすくなります。送信経路の棚卸しが進むことで、予期しない送信が発生するリスクの減少にも効果的です。
社内外のメール経路が可視化されると、誤送信につながる要因を早期に把握でき、運用の精度向上にもつながります。
不正送信元の検知・遮断
不正送信元を早期に把握することは、ドメイン悪用の防止に直結します。RUAレポートには認証に失敗した通信が記録され、異常な送信活動を見つけやすくなるのです。見慣れない送信元IPや不自然なトラフィックを確認すると、不正利用の兆候を判断できます。
不審な送信が発見された場合は、SPFやDKIMの設定を見直し、正当な送信元のみが利用できる状態を整えることが重要です。設定を適切に調整することで、攻撃者の通信を遮断しやすくなります。
継続的な監視を行うことで、ドメインの安全性を高める運用体制を維持できます。
フィッシング・なりすまし攻撃の防止
フィッシングやなりすまし攻撃を防ぐには、送信状況の変化を継続的に把握することが欠かせません。RUAレポートには統計データが集約され、不審な挙動の兆候を捉えやすくなります。認証に失敗するパターンが増えている場合は、攻撃の可能性を判断できます。
異常な送信傾向を早期に発見すると、認証設定の見直しや保護強化につながり、正規メールの信頼性維持にも効果的です。企業ブランドを守る取り組みとしてもRUAレポートは重要な要素です。
継続した分析を行うことで、フィッシング被害の抑止にもつながり、安全性の高いメール運用の基盤が整います。
DMARCの設定時の3つの注意点

DMARCおよびRUAレポートは強力なセキュリティ対策ですが、設定や運用時にはいくつかの注意点があります。主な3つの注意点を解説します。
レポートが膨大になることでの管理の複雑化
外部送信先を設定する際の権限認証での不具合
レポート送信先アドレスの設定ミスによる受信失敗
各注意点を詳しく見ていきましょう。
レポートが膨大になることでの管理の煩雑化
大規模なドメインを運用している場合は、日次で大量のRUAレポートが生成されるため、手動で内容を確認する作業が負担になりやすいです。数が増えるほど分析の抜け漏れが起きやすくなり、精度の維持が難しくなります。
継続的に管理するためには、レポート解析ツールの導入や自動で集計する仕組みを検討することが有効です。効率的に処理できる環境を整えると、運用の安定性も高まります。
管理負担を軽減する体制を構築することで、分析の質を保ちながら安全性の高い運用を続けられます。
外部送信先を設定する際の権限認証での不具合
外部ドメインをRUAの送信先に指定する場合は、受信側に適切な認証設定が整っていないと送信が拒否されるリスクがあります。設定が不十分な状態では、レポート連携が安定せず運用に支障が生じかねません。
DNSには承認用TXTレコードを正しい形式で登録する必要があり、事前確認を行うことで誤設定を避けられます。設定内容が整っているかどうかを把握することで、運用の安全性が高まります。
権限認証の不具合を防ぐには、設定変更後にテスト送信を行い、問題がないか検証することが重要です。適切な手順を踏むことで、外部とのレポート連携を円滑に維持できます。
レポート送信先アドレスの設定ミスによる受信失敗
レポート送信先アドレスに誤りがあると、連携が成立せずRUAレポートを受信できません。メールアドレスの記述ミスや受信制限が影響するケースもあり、設定内容をよく確認しましょう。
ドメイン名やフォーマットを丁寧に確認し、運用開始前にテスト送信で動作を検証すると、不具合の早期発見につながります。
レポートが届かない場合は、DNSキャッシュの影響や受信側の制限設定も見直し、原因を段階的に切り分けることが重要です。
DMARCのRUAに関するよくある質問

DMARCのRUAに関するよくある質問を整理しました。より詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
RUAレポートはどのくらいの頻度で生成されますか?
多くの環境では1日1回の周期でRUAレポートが作成され、メールとして送信されます。
環境によっては、受信側の設定次第で時間単位の送信が行われるケースもあり、より細かな監視にも対応可能です。運用に合った頻度の確認で、分析の効率が向上します。
レポート受信のタイミングを把握すると、認証結果を継続的にチェックしやすくなり、運用サイクルの最適化につながります。
RUAで複数メールアドレスを指定できますか?
複数のアドレスへRUAレポートを送信したい場合は、カンマで区切って複数の「mailto:」を記述することで対応が可能です。社内向けの監査用アドレスと外部分析ツール用アドレスを分けるなど、用途ごとの振り分けに役立ちます。
設定を増やすほど受信先ごとのデータ量が大きくなるため、保存方法や管理体制を整えることが欠かせません。レポートの扱い方を明確にすることで、運用の安定性が高まります。
複数指定の仕組みを適切に活用すると、分析精度を保ちながら効率的なレポート運用が実現できます。
RUAレポートは保存しておくべきですか?
RUAレポートは一定期間保存しておくことで、送信傾向の把握や不正検知の履歴分析に役立ちます。継続的にデータを確認することで、送信経路の変化や認証精度の改善点の発見に役立つでしょう。
過去のレポートと比較することで、特定期間に発生した異常や設定変更の影響を判断できます。セキュリティ監査やトラブル調査の際には証跡としても利用でき、リスク管理の観点から保存しておくと良いでしょう。
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各メリットを詳しく見ていきましょう。
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DMARCのRUAレポートを正しく理解してなりすまし対策を強化しよう

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