
メールのdkimとは?仕組み・設定方法・安全に送信するための基礎を徹底解説
企業でメールを運用していると「迷惑メールに入ってしまった」「取引先に届かない」「なりすまし警告が表示された」といったトラブルは避けられません。近年はGoogleやYahooを中心に送信ドメイン認証の厳格化が進み、「正しい送信者である証明」が求められる時代になりました。
こうした背景で重要視されているのが DKIM(ディーキム)です。
DKIMは「このメールは本当にこの送信者から送られてきたものです」と証明する仕組みであり、迷惑メール対策やブランド保護の観点でも広く導入されています。
一方で、言葉だけ聞くと「暗号」「DNS」「鍵」「署名」など難しいイメージがあり、担当者が後回しにしがちな領域でもあります。しかし実際には、メール運用における“送信者としての信頼度”に直結するため、初期段階で押さえておくべき重要な要素です。
ここでは、専門的すぎる説明ではなく、初心者の方でも理解できるように、例えを交えながら丁寧に解説していきます。
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もしお問い合わせフォームやキャンペーンフォームからメールを送信する場合も、送信ドメインの安全性は欠かせません。
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(*独自ドメインを使用する際は別途送信認証設定が必要)
難しい設定や鍵管理を意識しなくても、安全なメール送信を初期から設定できているため、時間や労力を大幅に削減することが可能です。
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メール dkimとは?なぜ必要とされるのか

ここでは、DKIMの役割や、なぜ近年必須とされるのかを解説します。
DKIMの役割と「なりすまし」防止の関係
DKIMは「電子署名」をメールに付与する仕組みです。
この署名によって、受信側は「途中で書き換えられていないか」「本当に正しい送信者か」を検証することができます。
これは、図書館に入館するときに「本人証明のカードを提示する」イメージに近く、誰でも自由に出入りできる状態ではなく「信頼された人のみ通れる」状態を保つ役割を持ちます。
特に近年は、企業を装ったフィッシングメールが増えているため、「正規の送信元」を証明できるかどうかが重要な評価指標になっています。
SPF・DMARCとの違い
DKIMと並びよく登場するのがSPFとDMARCです。
SPFは「送信元のIPアドレスの正当性」を確認する仕組みであり、DKIMは「送信内容の改ざん有無と署名の整合性」を確認します。
さらにDMARCはこの2つを組み合わせ、受信者側に「どう処理するか(拒否・隔離など)」を判断させるための方針を設定できます。
▼DMARCポリシーについては以下の記事でも詳しく解説しています。
>>DMARC(ディーマーク)とは?仕組みや設定方法、導入する3つのメリット・注意点を解説
それぞれが役割を分担しながら“送信ドメインの信頼”を構築しています。
企業のメール配信でDKIMが必須になりつつある理由
GoogleやYahooはすでに大量送信者を対象に「送信ドメイン認証の強化」を明言しており、設定が不十分な場合は迷惑メール扱いされる可能性が高まっています。
また企業ではブランド価値が重視されるため、誤送信やなりすましによる信頼失墜は大きなリスクになります。
そのため近年は“必須のセキュリティ対策”として社内標準化されつつあります。
このように、DKIMは単なるメール設定の1つではなく、「企業の送信責任」と「受信者の安心」を成立させる土台と言えるでしょう。
次に、DKIMの仕組みをもっとやさしく分解して説明していきます。
DKIMの仕組みをわかりやすく解説

ここでは、DKIMがどのように働いているのかを、専門用語に頼らず日常的な例えを使って解説します。
「暗号鍵」の考え方を図書館の入館証で例えると
DKIMの仕組みを一言でまとめると「送信者が本物であることを証明する入館証のようなもの」です。
図書館では、利用者証を提示すると「この人は登録済みの利用者である」と認められます。メールの世界でいうと、この入館証にあたる部分がDKIM署名です。
送信者は“秘密鍵”という本人だけが持つ情報で署名をつけ、受信者側はインターネット上に公開されている“公開鍵”を使って「本当に正しい持ち主か」を確認します。
もし偽装したメールであれば、公開鍵との整合が取れず認証に失敗します。つまり「入館証が偽造だったため入れない」という状態です。
このように、DKIMは単に送信ドメインの名前を表示する仕組みではなく、「正しい本人が送信した」という証拠そのものを提供します。
メール送信時に何が起きているか(認証の流れ)
メールが送信されてから受信者に到達するまでの間、次のような流れで認証が行われます。
- メール送信時に、送信側サーバーが“秘密鍵”で署名を付与する
- 送信ドメインのDNSに“公開鍵”が登録されている
- 受信側サーバーはDNSを参照して公開鍵を取得
- メール本文と署名が整合しているか確認
- 問題なければ「正しい送信者」として扱う
もし途中で本文が書き換えられていた場合、署名との整合が取れず「改ざんが疑われるメール」として扱われ、迷惑メール判定の対象になる可能性があります。
SPFやDMARCと併用することで認証精度が上がる理由
DKIMだけでも一定の信頼性は確保できますが、SPFやDMARCと併用することで「多層防御」の体制を作ることができ、企業全体としてのメール信頼度が向上します。
SPFは「どこから送っているか」
DKIMは「誰が送っているか(内容が安全か)」
DMARCは「認証に失敗したらどう処理するか」
という役割の違いがあります。
この3つを組み合わせることで、なりすまし・改ざん・詐欺メールなどの攻撃リスクが大幅に下がります。
特にDMARCのポリシー設定は、大手企業のメール到達率やブランド保護にも密接に関係しており、近年では必須の基盤となっています。
DKIMを設定しないと何が起きる?

ここでは、DKIM未設定のままメール運用を続けた場合に起こり得るリスクを、初心者にも分かりやすく整理して解説します。
迷惑メールフォルダ行きのリスク
DKIMが設定されていないメールは、受信側のサーバーから見ると「本当に正しい送信者か判断できない状態」です。
特にGoogleやYahooのような主要なメールサービスは、過去の迷惑メールの挙動から機械学習で厳しくチェックしているため、署名のないメールは自動的に“低評価”となりやすく、迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性が上がります。
ユーザーからすれば「送ったのに届かない」という事態につながり、結果的に問い合わせ機会の損失や業務トラブルに直結します。
ブランド信頼性低下(なりすまし検知時)
もしメールが偽装され、受信者側で「送信元が怪しい」と検出された場合、「警告表示」や「なりすまし疑い」といったアラートが表示されることがあります。
これは送信元ドメインにとって大きなマイナス評価となり、「正規の案内さえ届きにくい」という悪循環を生みます。
メールは企業の“顔”の1つです。署名のないメールは「本人確認を怠っている状態」と同じであり、ブランド価値を損ないかねません。
Google/Yahooなどの強化ルールに非対応となる危険
2024年以降、主要各社では「送信ドメイン認証の義務化」が段階的に進んでいます。
特にbulk sender(大量送信ドメイン)だけでなく、問い合わせメールや業務連絡メールでも例外ではなくなりつつあります。
認証が不十分なまま運用を続けると
- 受信拒否(ブロック)
- 迷惑カテゴリへの自動隔離
- ドメイン評価の大幅低下
といった長期的な損失につながるため、今後「設定していない」という理由だけで届かないケースがさらに増えると考えられます。
DKIMの設定方法

ここでは、多くの企業が採用している「DNSにレコードを登録する」形でのDKIM設定手順を、専門知識のない担当者でも理解できるレベルまで分解して解説します。
DNS(TXTレコード)への登録
DKIMは、送信ドメインのDNSに「公開鍵」をTXTレコードとして登録することで機能します。
DNSは“インターネット上の住所録”のような存在で、この公開情報を受信側が参照することで「たしかに本物の送信者だ」と確認できます。
レコード登録そのものは短い文章のように見えますが、途中のスペースや改行が違うだけで認証に失敗することがあるため、コピーペーストにも注意が必要です。
メール運用上でトラブルが起きるケースの多くは、このDNS登録の不整合に起因しています。
秘密鍵/公開鍵の仕組み
DKIM認証に利用される鍵は、「秘密鍵」と「公開鍵」のペアで成り立っています。
- 秘密鍵:送信側が保持し、メール署名に使用する
- 公開鍵:DNS上で公開され、受信側が署名を検証するために使用する
この2つの鍵は“複数の機能でワンセット”となっており、どちらか一方だけではDKIMは成立しません。
また秘密鍵は外部に漏れてはいけないため、通常はメールサーバー側に安全に保管されます。
送信ドメインごとの設定ポイントと注意点
DKIMは「メールを送るドメインごと」に設定が必要になります。
例えば、example.jp/ mail.example.jpのように複数の送信元を運用している場合、それぞれに対して署名設定を行う必要があります。
また、クラウドツールや外部配信サービスを併用している場合は「利用サービス側の送信情報に合わせて別途設定する」こともあり、ここでよくつまずきやすいポイントです。
こうした複雑さがあるため、マーケティング部門・カスタマーサクセス部門・管理部門のどこが設定を持つのか不明確になり、対応が先延ばしになる企業も少なくありません。
フォーム送信でもDKIMは必要?

ここでは、「お問い合わせフォーム・資料請求フォームからのメール送信でもDKIMは対象になるのか?」という、実務でよくある疑問を整理しながら解説します。
お問い合わせメールも「送信ドメイン評価」の対象
意外に見落とされやすいのですが、フォーム送信メールも通常のメール同様に「送信ドメインの評価対象」です。
たとえば社内では「問い合わせ受付だけだから軽い扱いでいい」と思われがちですが、実際には受信者側(顧客・取引先)はWebメールや主要メールサーバーで受信しているため、「認証情報がない=信頼度の低いメール」と判断される可能性があります。
つまり“フォーム経由”であっても、“企業発信”として見られているということです。
フォームツール経由の場合の落とし穴
フォームツールを利用している場合、注意しなければならないのは「送信者アドレスの扱い」です。
- フォームツールのドメインから送信される
- 企業独自ドメインをなりすました形で代理送信される
- DNS設定が企業側にないため認証できない
こうした仕組みを知らずに運用していると、「届かない/迷惑フォルダ行き/顧客に失礼」というトラブルにつながります。
特に最近は“本人確認が取れない送信者”に該当するとフィルタリングされやすく、問い合わせ機会そのものを損失するケースも増えています。
DKIM導入後のチェック方法

ここでは、DKIMが「正しく動作しているか」を確認する方法と、迷惑メールに入ってしまった場合の確認ポイントを解説します。
送信メールヘッダでの確認方法
最も確実な確認方法は、送信後にメールヘッダを確認することです。
メールヘッダの中に DKIM-Signature:や Authentication-Results:といった行があり、値が"pass" となっていれば認証に成功しています。
ただしメールヘッダは専門用語が並び読みづらいため、慣れていない担当者の場合は正誤判定が難しいこともあります。
こうしたときはチェックツールや専用画面を併用するのがおすすめです。
オンラインチェックツールの使い方
メール到達性を検証するオンラインツール(Gmailの「メッセージのソースを表示」、Yahooのヘッダ解析機能など)では、DKIM認証が成功しているかを視覚的に確認することができます。
「pass」か「fail」かがひと目で確認できるため、検証手順の基本としてよく利用されます。
また、メール送信評価を確認する外部ツールでは、SPF・DMARCとの組み合わせ結果まで確認できるため、総合的な送信品質を計測する際にも有効です。
不達・迷惑判定時に確認すべきポイント
もし認証しているにもかかわらず迷惑フォルダに入ってしまった場合は、以下を確認します。
- SPF・DKIM・DMARCがすべてpassになっているか
- 送信ドメイン評価(レピュテーション)が低下していないか
- 送信アドレスの表示名が不審に見えないか
- 件名や本文内に過度な広告表現がないか
- 添付ファイルサイズが大きすぎないか
特に添付ファイルに関しては、メール到達性に影響するほど大きいファイルを送付してしまうケースもあります。
▼ 添付ファイル運用に不安がある場合は、以下の記事も参考になります。
>>メール添付ファイル容量の上限は?大容量の添付を避けるべき理由や3つの代替手段を解説
このように、「設定できたか」だけでなく、「評価されているか」まで確認することが、安定したメール運用には欠かせません。
formrunならDKIM対応から送信品質の安定運用まで標準で実現できます
formrunは、単に「DKIMに対応している」だけではなく、フォーム運用そのものを安全かつ安定して届け続けるための仕組みを標準で備えています。
ここからは、formrunがどのようにして認証の仕組みと運用安定性を両立しているのかを、実務目線で3つ詳しく説明します。
専門知識がなくても「正しく届く状態」を長期的に維持できる
formrunは送信時点でDKIM認証が適用される仕組みを標準で備えており、DNS設定や鍵管理といった専門作業を担当者が行う必要がありません。
社内の誰がフォームを作成しても送信品質が変わらず、部門や担当者のスキルに依存しない“再現性のある安全性”を実現できます。
またフォーム運用と送信認証を同時に整えられるため、開発部門や情シスへの依頼が不要となり、導入の初期段階からスピーディに安定運用を開始できます。
さらにこの認証状態は導入後も自動的に維持されるため、設定後の手戻りがなく、問い合わせ対応の継続性や顧客体験の安定にも直結します。
短期的ではなく“長く届き続ける運用”を前提に設計されていることが、formrunが選ばれている大きな理由です。
豊富なメール機能
formrun(フォームラン)には、メールを送付する機能が主に3種類用意されています。
1.自動メール返信
2.個別メール機能
3. 一斉メール配信
また、すべての機能でフォームで得た顧客情報をメール本文や件名に変数として挿入することが可能です。
フォーム作成から、フォーム回答者へのコミュニケーションまでformrunで一貫してできるため、顧客対応管理もスムーズになります。
formrunのメール機能でメール対応をスムーズにした事例記事はコチラをご覧ください。
>>フォーム一覧やメール機能にて顧客の動きや社内での対応を可視化!複数のプロジェクトを持つマネージャーにとってformrunが最適な理由とは?(一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会 様)
顧客管理・対応を効率化できる
formrun(フォームラン)を活用すれば、フォームで集めた顧客の対応管理まで一元化できます。
回答データは一覧で確認でき、対応ステータス(未対応・対応中・完了・発送済みなど)ごとに整理可能。
担当者ごとにフィルタリングできるので、複数人での対応も漏れやダブりを防ぎながらチーム全体で進捗を見える化できます。
さらに、メールテンプレートやAIメールアシスタントを活用すれば、返信作成もスムーズに。 顧客対応のスピードと質がどちらも向上します。
蓄積されたデータはExcelやGoogleスプレッドシート形式で出力可能。 Salesforceやkintoneなど外部ツールとの連携で、普段の業務フローにも柔軟に組み込めます。
formrunのステータス管理機能でお問い合わせ対応を削減した事例はコチラ
>>お問い合わせから最短1分で個別メール対応を実現!対応漏れをなくすためのボード画面の活用方法とは(株式会社クラス 様)
DKIM導入後に確認すべき「到達率と信頼性」の最適化

ここまで解説してきたとおり、DKIMは単なる技術的なオプションではなく、「安全にメールを届けるための通信上の本人証明」です。迷惑メール対策や信頼保護の観点から見ても、企業として早期対応すべき基盤となっています。
特にお問い合わせフォームなど「顧客との最初の接点」になるメール運用では、信頼性の低下はそのまま顧客体験の損失につながります。DKIMを含めた送信ドメイン認証の整備は、フォーム運用における“入口の品質管理”とも言える重要な取り組みです。
▼入口の品質管理を効率化させるならformrun
専門知識やDNS設定に時間をかけるよりも、最初から認証が整った状態でフォーム運用を始める方が、結果的に確実で安全な方法です。
formrunは単なる「安心のメール送信機能」ではなく、“フォーム作成と問い合わせ対応”を担うツール自体に送信認証が組み込まれているため、フォーム運用そのものが最初から安全性の上に成り立ちます。
これにより、ユーザーからの問い合わせが適切に届くことはもちろん、担当者側は初期設定や技術的なメンテナンスに追われず、本来注力すべき顧客対応や改善活動に集中できます。
問い合わせ体験の入口となるフォームの品質を維持し続けられることが、長期的な信頼にも直結します。
よくある質問(FAQ)

Q1:DKIMとSPFのどちらを優先して設定すべきですか?
SPFとDKIMはどちらか片方ではなく、両方そろって初めて十分なメール認証が成立します。特にDKIMは「本文の改ざん検知」まで担保できるため、最近では優先度が高まっています。
Q2:DMARCは必ず設定しないといけませんか?
今後のメール運用を安定させるためにはDMARC設定も推奨されます。SPFとDKIMによる認証結果を統合し、「認証に失敗したメールをどう扱うか」を定義できるため、ブランド保護にもつながります。
Q3:1度設定したら更新は不要ですか?
公開鍵には有効期限の概念はありませんが、運用環境変更やドメイン切替を行う場合には再設定が必要です。またセキュリティ強化の観点から、環境見直し時に鍵を更新する企業もあります。
Q4:フォーム送信のメールにもDKIMは影響しますか?
はい、影響します。フォームから送信された内容であっても受信者側では「企業ドメインからの案内」と判断されるため、認証の有無が到達性や信頼度に直結します。
Q5:なぜメールが迷惑フォルダに入ってしまうのでしょうか?
DKIM未設定やSPFの不整合といった技術的な要因だけでなく、送信履歴やドメイン評価の低下など複数要素が組み合わさるためです。単純な誤配信ではなく“信頼スコア”の影響と理解すると整理がしやすくなります。
Q6:フォームツールを使っている場合でも自社で設定が必要ですか?
サービスによります。中には利用者側でDNS設定を行わないと認証されないツールもありますが、formrunでは最初からDKIM対応が組み込まれており、追加作業なしで安全な送信が可能です。




