市場調査とは？誰でもできる効率的な実践方法とその流れを詳しく解説

こちらでは、会社の商品やサービスを見直す上で必ずしなければいけない市場調査について説明していきます。
マーケティングを任されていて市場調査をしたい、しかしやり方が分からない方も多いのではないでしょうか。

本記事ではその手順と外部委託する際にオススメのリサーチ会社、更には自分でアンケート調査が行えるアンケートツールも紹介しています。

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市場調査とは

まずは市場調査とはなにか、その定義について説明していきます。

市場調査の意味

市場調査とは、企業が過去から現在にかけての市場や顧客の意向や動向を調べることです。
調べた結果を分析し、どうすれば売り上げを伸ばせるかの仮説を立てながら検証します。

また消費者側も、ニーズを聞いてもらうことにより、期待していないような商品やサービスの開発がされないというメリットがあります。
それにより企業側も、調査結果をもとにマーケティングの施策を改善し、顧客のニーズに可能な限り寄り添うことが可能となります。

市場調査は、「マーケティングリサーチ」と呼ばれることもあります。

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市場調査の種類

定量調査

定量調査は、調査対象者の回答を数値として計測することができる方法のことです。
まとめた回答データを統計的に分析し、仮説の検証や実態把握を目的に使用します。

基本的に選択肢から1つ選ぶ形式が多く、近年ではインターネット調査が普及しています。

メリット

1. インターネット調査で実施されることが多く、低価格かつ簡単に実施することができる。
2. 択一の質問が基本的に使われるため、回答者は短時間で回答でき、回答数が集まりやすい。
3. 集計結果を数字に表すことができるため、表やグラフにまとめやすい。
4. 数字は客観性が増すため、信憑性が上がる。

デメリット

1. 途中から質問内容を変更することが難しいため、深堀りができない場合がある。
2. まとめたデータを活かすには、それを読み解くスキルが必要となってくる。
3. 個人の気持ちや感情など、数値に表れにくいデータを集めることが難しい。

定性調査

定性調査は、調査対象者の数字では表せない、生の声を調査する方法のことです。
調査対象者がトピックに対する印象や態度、意見を深堀りすることができます。
仮説の構築や、原因構築を目的に使用します。

基本的にインタビューや対象者の観察によって行われます。

メリット

1. 実際にインタビューすることで、対象者のことを深く理解することができる。
2. 企業側の気づけないような潜在顧客のニーズに気づける可能性がある。

デメリット

1. インタビューや観察を実際に行うため、一度の調査に時間がかかる。
2. 対象者から本音を引き出すインタビュアーの能力が必要。
3. アンケート形式で行うことができないため、量を確保することができない。

実際に市場調査を行う際の流れ

これまで市場調査の種類や方法について紹介しましたが、実際に市場調査を行う場合の手順を解説していきます。

1. 目的の明確化
2. 調査の計画
3. 調査の実施
4. データの分析と意思決定

市場調査は上記の流れで行います。

1.目的の明確化

市場調査はただ市場の現状を把握するために行うものではありません。
市場調査の結果をどのように使うか、どのような情報が企業の行動方針の決定に繋がるかを意識して調査を進めるといいでしょう。

例えば、調査の目的には次のようなものがあります。

①市場の状況把握

顧客のニーズ、購買行動、ライフスタイル、認知状況、他社との比較、満足度などを定期的に把握しておくことで、市場の動向に合った施策を打つことができます。

ネットリサーチで手っ取り早く調査が行えることが多いです。

②顧客のニーズの把握

顧客のニーズを調査することで、新サービス新商品の開発や、現サービスの改善に調査結果を活用します。
改善やリニューアルが目的であれば、顧客へアンケートまたはインタビュー形式で調査します。
新商品や新サービスの開発が目的であれば、見込み顧客のニーズを想定しアイデアを出し、そのアイデアあるいは試作品を評価してもらいます。

③販促調査

ネット広告やCM、イベントなどどのような広報を行えば顧客は購買行動に至るのかを調べます。
販促調査を行うことで、どのような広報がそのサービスや商品にとって最も効果的かを知ることができます。

また調査の前に仮説を立て、それを検証するという役割も市場調査にはあるため、仮説を立てることも忘れずに行いましょう。

2.調査の計画

リサーチ目的が明確になったら、調査計画を作成します。

• 目的
• 対象
• 対象者数
• 質問項目
• 費用
  

上記に適した調査方法を選択しましょう。

主な調査方法は次ようなものがあります。

1.ネットリサーチ

ネットリサーチは、対象者にインターネットを通してアンケートサイトにアクセスしてもらい、アンケートに答えてもらう調査方法です。

自由記入欄がある場合もありますが、基本的に選択肢から選ぶ質問が多いため、定量調査に向いています。

近年では、外部委託しなくてもお洒落なアンケートサイトを作ることができるツールが普及してきているため、市場調査が初めてな方でも取り組みやすい調査方法となっています。
また、ネットリサーチは低コスト短時間で多くの回答を収集することができます。

一方で、クリック一つで回答ができてしまうため、その信憑性はあまり高くないというデメリットもあります。

2.電話調査

電話調査は調査員が直接、対象者に電話をし、インタビューをする定性調査向けの調査方法です。

時間的に長く詳しく説明が必要な場合や、視覚的に何か見せれる必要あるいは対象者の反応を見たい場合には不向きとなっています。

3.街頭調査

街頭調査とは、調査員が実際に街頭に立ち、対象者をその場で選出してインタビューを行う調査方法です。
インタビューではあるものの、歩行者を呼び止めて調査を行うため、簡単に答えられるような単純明快な質問が多いのが特徴です。

また、街頭調査を行おうとしているエリアで、調査の「使用許可」を事前に取っておく必要があります。

4.ホームユーステスト（HUT）

ホームユーステストは、対象者の自宅に商品を送り、一定期間使用してもらった後にその感想を聞く調査方法です。
ホームユーステストもチェック項目とコメントの両方があるため、定量調査と定性調査双方に向いています。

一定期間使用しないと効果が出ない商品の場合や、同一条件で使用してもらいたい場合に向いています。

5.訪問調査

調査員が対象者の自宅に直接訪問し、インタビューをする「面接調査」と、調査票を留め置いて後日回収する「留め置き調査」の２種類がある調査方法です。

調査員が直接対象者の自宅に行くため、他の調査方法よりも回答の回収率が高いのが特長です。

6.ミステリーショッパー

ミステリーショッパーとは、覆面調査員が店舗や施設に客として出向き、店員の対応や店内の清潔さなどのチェック項目を依頼主へ報告する調査方法です。
チェック項目に関しては定量調査となりますが、その他コメントをするため定性調査にも向いています。

近年では、覆面調査員のバイトや企業が存在しており、1店舗あたり2~5万円が相場だと言われています。

7.デプスインタビュー

調査員と対象者が1対1で行うインタビュー形式の調査方法で、定性調査の代表例です。

1対1で時間をかけて行うため、対象者の深層心理を探れると同時に、対象者の観察も行えるメリットがあります。
一方で、一人一人にかなり時間がかかるため、多くの回答を集められないというデメリットもあります。

8.グループインタビュー

２人以上の対象者を一か所に集め、座談会形式で行う調査方法です。

こちらの調査方法も１つのトピックに関して深く話し合われるため、対象者の深層心理を探れ、更に対象者同士の話し合いが活発化することで、デプスインタビューでは聞けない幅広い意見や発言が期待できます。

9.デスクリサーチ

デスクリサーチは実際に調査を行う訳ではなく、他の目的のために行われた調査の結果や、ネットの情報等を収集・分析する方法です。

市場の動向やトレンドを知るには向いていますが、実際に顧客のニーズや深層心理を知るのには不向きです。

3.調査の実施

調査計画に沿って調査を実施します。

デスクリサーチを行う場合や、サンプルを自分で集めてネットリサーチができる場合は、自分で調べたりアンケート作成ツールを利用するのがオススメです。
自分でサンプルを集められない場合や、多くのサンプルが必要なネットリサーチをする場合は、プロのリサーチ会社に委託するのがいいでしょう。

おすすめのリサーチ会社やアンケートツールについては、下記「おすすめのリサーチ会社」と「初心者でも簡単にアンケート調査が行えるツール」にて紹介します。

4.データの分析

調査のデータが集計されたら、結果を分析しましょう。

定量データは質問項目ごとをグラフに表したり、年齢や性別などの属性項目と質問の回答との関連を明らかにしましょう。
定性調査の結果は一つ一つ整理し、読み解いていく必要があります。

データ分析には3つの原則があるので、そちらを紹介します。

(1)データを比較する

データの数字は、単独ではその数字を評価することはできません。
比較する対象があって初めて、その数値の善し悪しを判断できるのです。
例えば企業内データなら、「予算対実績」「前年対比」「部門対比」等がよく扱われます。

(2)時系列に並べる

時間という軸には、値が連続するという特性があります。
連続した値を並べた結果、データを取れていない未来の値も予測することができます。
データから様々な傾向を読み取り、対策を施すという点で、企業にとってなくてはならない分析です。

(3)詳細データで要因をつかむ

データの比較、時系列に並び替えができたら、その数値の良し悪しやその傾向になった要因を知るためにより詳細な分析が必要です。
「比較する」「時系列に並べる」場合、その分析では比較するための様々な軸が考えられます。
要因をつかむには更に細かく、または絞り込んだ分析が必要となります。
定型的なレポートの場合、分析の視点が加わる度に、新たなレポートを作成するか、既存のレポートを変更する必要が出てくるでしょう。

分析方法には主に次のような手法があります。

①データの差の検定

調査により得られた結果の差が統計的に有意かどうかを分析する方法です。
性別や年代、住んでいる地域によってどのような差があるのかを調べます。

②因子分析

数多くのデータの背後にある共通要素を探り出すための手法です。
回答者の回答の背後に、どのような要因があるのかを把握することで、顧客の理解へと繋がります。

③クラスター分析

異なる性質のものが混ざりあっている集合体の中から、類似した性質のものを集めてグループに分け、回答者を分類する手法です。
対象者の意識や行動の特性により、グルーピングを行うときに用いられます。

④回帰分析

関数をデータに当てはめることによって、結果となるあるデータの変動を、要因となる別のデータの変動により解析し、因果関係を調べるための手法です。

例えば、売り上げと顧客の年齢や来店回数などのデータの関係を分析することで、「顧客の年齢が上がるごとにどれだけ売り上げが増えるか/減るか」や、「来店回数が増えるとどれだけ売り上げが増えるか」といった予測をすることができるようになります。

⑤コンジョイント分析

ある商品やサービスの新規開発やリニューアルの際に、顧客の購入意向や使用以降を高めるための、最適な価格や性能の組み合わせを調べるための手法です。
各々のスペックや価格設定の最適化をすることができます。

⑥PSM分析

顧客の感覚から、商品やサービスのに対する下限価格・上限価格・適正価格を調べる手法です。
どの程度の価格帯が最も顧客に受け入れられやすいのか、利益率が上がるのかなど、目的に合わせた最適な価格が分かります。

⑦トップオブマインド分析

市場での自社サービスの認知率やマインドシェアを知ることができる手法です。
集計した回答をもとに横軸を純粋想起率、縦軸を助成想起率とした2次元グラフを作成します。
この2次元グラフによって、視覚的に企業へのマインドの「強さ」と「広がり」を把握することができます。

⑧ポートフォリオ分析

顧客満足度調査で用いられる分析手法です。
商品やサービスにおける項目別満足度と重要度を軸にして2次元グラフで表現することで、改善点の優先順位が抽出できる手法です。
限られた予算でどの項目を改善するかの意思決定に関わってきます。

どの分析もかなり難しく、分析者はそれなりのスキルを要します。
必要ならば、分析も外部発注するのも良いでしょう。

5.意思決定・アクションの決定

調査結果から、特定の商品やサービスが市場の中で伸びているのか否か、競合企業との関係性や商品やサービスのトレンドを把握します。
把握することにより、今後の自社の商品の売り上げ状況の推測、新商品におけるターゲット選定、売り上げ見込みの推定に役立てることができます。

こうして分析した調査結果は、マーケティング施策の意思決定や商品の改良、次のアクションに繋がってきます。

おすすめのリサーチ会社

1.株式会社intage（インテージ）

株式会社intage（インテージ）公式サイト

株式会社intageは、国内1位、世界10位のマーケティングリサーチ会社です。
取引者数は5,000社を超えており、1960年創業という長い歴史を持っています。

自動車、金融商品、介護等の業界の直近3か月の近況といった様々なテーマに関する属性を、テーマ別パネルとして保有しています。
効率的かつ的確にターゲットを絞り込んで調査が可能です。

費用は9.6万円からです。

2.株式会社MACROMILL（マクロミル）

株式会社MACROMILL（マクロミル）公式サイト

株式会社MACROMILLは世界20か国50拠点のグローバルネットワークを保有しています。
世界中にパネルが11,000万人以上おり、社内には1,000任以上のリサーチのプロたちが在籍しています。

MACROMILLでは、企画から分析までの市場調査の一連の流れすべてを依頼することができます。
費用は7万円からです。

3.株式会社Cross Marketing（クロスマーケティング）

株式会社Cross Marketing（クロスマーケティング）公式サイト

株式会社クロスマーケティングでは、様々なマーケティングシーンでお客様が直面する課題の解決や、お客様のどの様なご依頼にも対応した豊富なアンケート調査メニューがあります。

また、世界中に1,700万人以上のパネルがおり、欧米先進国、BRICs、オセアニアを中心にワンストップで高品質な海外向けアンケート調査のサービスが提供されています。
調査依頼の他にも、無料で調査レポートを配布しているため、興味がある方は是非ご覧ください。

初心者でも簡単にアンケート調査が行えるツール

1.Googleフォーム

Googleフォーム公式サイト

GoogleフォームはGoogleが提供しているサービスで、お客様アンケート・注文書・イベント出欠確認など15以上のテンプレートを使って誰でも簡単にフォームの作成が可能です。

1からフォームを作る必要がなく、テンプレートを微調整しそのまま公開できるので便利です。1つのフォームを複数の編集者が同時に編集でき、効率的に作業を進められます。
作成したフォームに情報が入力されると、回答内容が自動的に集計・グラフ化されるため、アンケート調査や顧客満足度調査にオススメです。

Googleフォームについて詳しくはこちらをご覧ください。
>>【徹底解説】Googleフォームの使い方！無料で簡単にアンケートフォームを作成しよう

2.formrun（フォームラン）

無料でフォームを作成する

弊社で提供しているアンケートフォーム作成ツールです。目的別に用意されたテンプレートにクリックで設問項目を追加するだけで、簡単にアンケートを作成することができます。

管理画面はカンバン方式を採用しており、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で顧客のステータスを変更できるので、顧客管理を効率化することもできるでしょう。

アンケート自体もテンプレートを利用して簡単に作成できますが、その他にもカスタマーサポートの問い合わせ対応やキャンペーンの応募状況確認など幅広い用途に対応しています。

formrunについて詳しくはこちらをご覧ください。
フォーム作成ツールformrun（フォームラン）って？Googleフォームとの違いを解説

3.Questant（クエスタント）

Questant（クエスタント）公式サイト

Questantは、ネットリサーチ会社として知られる株式会社マクロミルが提供しているアンケートフォーム作成ツールです。
規模や予算に応じた複数のプランを用意しており、セブン＆アイ・ホールディングスや東映など、大手企業にも導入されています。

Questantはアンケート作成に不慣れな方でも扱いやすい操作性やテンプレートの豊富さが魅力です。
HTMLなどプログラミングの知識がなくてもアンケートの作成・公開・集計が進められるため、顧客満足度調査や企画の募集、授業の理解度チェックなど様々な場面で役立てられています。

Questantについて詳しくはこちらをご覧ください。
Questant（クエスタント）とは？無料で簡単にアンケートフォームを作成しよう！

4.Typeform（タイプフォーム）

Typeform（タイプフォーム）公式サイト

Typeformとは、スペイン・バルセロナに本社を構えるTypeform社が開発したフォーム作成ツールです。
アンケートの作成から回答、集計までをサポートする機能が数多く搭載されており、さまざまな場面に役立てられています。

また、無料プランでも10個まで質問を設置でき、簡易的なアンケートであれば十分に活用可能。
テンプレートも豊富に用意されているため、目的に合ったものを見つけやすいでしょう。

ただし、気をつけたいのが、フォーム作成画面や公式サイトの情報が英語あるいはスペイン語のみの対応となる点です。
フォームの文言は日本語で設定できるため作成や回答には影響ありませんが、慣れるまではやや手間取る可能性もあります。

Typeformについて詳しくはこちらをご覧ください。
無料で使えるフォーム作成ツールTypeform（タイプフォーム）の使い方を解説！おすすめの他ツールとの比較

まとめ

市場調査をする際には、その調査目的をはっきりとさせないと意味がありません。
調査の目的、予算に適した調査方法を選択し、外部委託をするか自分たちで行うかを決めましょう。

予算に余裕があるのなら、プロのリサーチ会社に依頼するのがとても効果的だと考えられます。
予算に余裕がなく調査に時間をかけられるのなら、自分たちでツールを利用し、試行錯誤を繰り返してみてはいかがでしょうか。

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formLab編集部

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