Shopifyストアが軌道にのってきたお客様の中には、『お問い合わせ対応漏れが発生してしまうのをなんとかしたい』、『お問い合わせの内容を迅速に収集して、傾向や改善要望をすばやくチームに共有したい』とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで2021年4月16日に開催されたイベントでは、モデレーターに株式会社フラクタの河野氏、またゲストに『formrun連携』アプリを共同開発した株式会社ハックルベリーの安藤氏をお招きして、
・Shopify上では日本向け初のフォーム作成・管理アプリ『formrun連携』を活用する意義
・『formrun連携』アプリの具体的な活用方法
をご紹介しました。
Shopifyアプリ『formrun連携』を共同開発した背景
安藤氏:
まず背景に約1年前には日本語対応しているアプリが10個ほどしかありませんでした。
その中で、 どんなアプリがあればECストアが喜ぶかを考えたところ、そのうちの1つがお問い合わせフォームのアプリでした。
Shopifyの標準フォームの場合は必要な項目をすぐに追加することができず、海外製のフォーム作成アプリの場合は管理画面が英語で表示され、Shopifyストアにも一部の文言が英語で表示されることもあります。
これらはエンジニアの手を借りれば解決できますが、EC事業にはエンジニアがいないこと が多く、エンジニアがいる場合でも『お問い合わせ』というオペレーション部分にコストをかけたくないと考えている事業者さんが多いです。
そのため、
- 日本語に対応している
- フォームを簡単に作成できる
- ECストアにくる多種多様なお問い合わせを管理しやすい
の3つの基準を満たすフォームアプリを開発できれば、多くのECストアさんが喜ぶだろうと考え、formrunに声をかけました。
長田:
formrunとしても、「Shopifyストアを持っている方を”フォーム”という観点で助けられるのであれば助けたい」と思い、今回の開発に至りました。
私はこれまで数多く事例取材に伺い、その中でほとんどのお客様から「簡単にフォーム作成できる点」を評価いただいています。
Shopifyに日本語対応したフォームアプリがなく、簡単にフォームを作成することが難しいのであれば、formrunであればその課題を解決できると思いました。
formrunを使った生産性の高め方
① 誰でも最短30秒でフォームを作成できる
長田:
formrunであれば、
- フォームのテンプレートを選択する
- クリック、もしくは、ドラッグアンドドロップの操作で必要な項目を追加・削除する
の2つの工程だけでフォームを作成できるため、HTMLの知識がなくても誰でも最短30秒でフォーム作成できます。
一方、フォームツールを使わない場合は、
- ビジネス職のメンバーがフォームを必要とするタイミングで、作成したいフォームの要件を定義する
- フォームの要件をエンジニアに共有する
- エンジニアがフォームを作成する
といった手順を踏む必要があり、1つのフォームを作成するだけで、エンジニアの工数が2時間ほどかかることも多いです。
formrunであれば、要件定義をして依頼をする手間を省け、『なんとなくformrunを触っていたらフォームを完成できる』ため、フォーム作成面で生産性を高めることができます。
河野氏:
私自身、受託者としてフォームの開発に携わっていたこともあるのでわかるのですが、フォームの項目ひとつを追加するだけでものすごく時間がかかります。
要件定義をするストア運営者は、「項目ひとつ追加するなら難しくないでしょう」と思う方も多いと思いますが、開発側の気持ちとしては「送信時にエラーが発生しないように色んなコードを書く必要があって大変なんだよ」と思うことも多いです。
formrunであればビジネス職のメンバーでも簡単にフォームを作成できるので、2者間の心理ギャップや、ビジネス側の要件定義工数、エンジニアの開発工数を削減することもでき、複数の人間の生産性の向上に寄与すると感じています。
② 日本のサーバーを使ったメール送信ができる
河野氏:
formrunのサーバーは日本にあり、海外サーバーと比較してメールが届きやすい面でも売上向上に寄与すると思います。
海外アプリでは海外のサーバーを使用しているため、 お客様からのメールが届かない経験をしたことがありました。
お客様がお問い合わせをしたり、もしくはECストアからお客様にメールを送信しても、それが届いていないことにすら気づけない事態を防げ、お客様とトラブルになることも少なくなる点においても、formrunは安心して導入できると感じます。
③ 困ったことがあったら、日本語のカスタマーサポートを受けられる
安藤氏:
アプリを使っていて困ったことがあった場合に、ECストアからアプリ事業者にお問い合わせすることも多いと思います。
海外アプリだと、英語のみのカスタマーサポートになることが多く、そこで抵抗を感じたり、翻訳に時間がかかるケースも多いです。
formrunは日本製のアプリで、カスタマーサポートも日本語なので、困ったことを解決するまでにかかる時間が短縮できる点もメリットですね。
生産性を高めるformrunのおすすめの使い方5つ
① 条件分岐を使って、そのお客様に必要な項目だけを表示する
長田:
条件分岐を使って、目の前のお客様に最低限必要なフォーム項目だけ表示することをお勧めします。
例えば、返品・交換受付フォームのみで必要な「住所」項目の入力を商品に対するお問い合わせフォームでも入力を求められたら、お客様がフォームを送信する気力を失いかねません。
フォーム送信数が下がると、お客様の声を回収できる数が少なくなり、商品・サービスの改良速度が落ちることにも繋がります。そのため、用途に応じて最低限必要な項目のみを表示させる方法をお勧めします。
ちなみに、この条件分岐もわずか10分ほどで設定が可能です。
※上記フォームの完成形については、こちらよりご確認ください。
https://form.run/@shopifyandform-run
② 普段から使っているチャットツールに受信通知設定を行う
長田:
formrunでは、メール通知に加え、4種類のチャットツール(Slack・Chatwork・Microsoft Teams・LINE WORKS)に受信通知を設定できます。そのため、普段使っているチャットツールに通知設定を行うことで、お客様からお問い合わせがあった際に迅速に対応することが可能です。
Shopifyの標準フォームを使用する場合、Shopifyストアの『ストア連絡先メール』で登録しているメールアドレスにメール通知が届きますが、メールは決まった時間に見ることも多いため、お問い合わせをいただいていることになかなか気づかず、タイムラグが発生しかねません。
そのため、formrunで受信通知を設定して素早く対応することで、お客様への安心感も醸成でき、これが企業への信用性や売上にも繋がっていくと思います。
③ 購入意欲のあるお客様と積極的にコミュニケーションを取ることで売上につなげる
安藤氏:
ECストアでは「中間コンバージョンをいかに取っていくか」の視点が不可欠です。
お客様は商品を気になってもすぐに購入に至らないことが多いため、カタログなどの資料請求フォームを作成して購入前のコンバージョンを取り、その後のコミュニケーションを行うことが重要だと感じています。
お問い合わせフォームは、お客様からいただいた質問に対して答えていくだけの「守り」の姿勢になりがちですが、上記のようにECストアからお客様に対してアクションを行うために使う「攻め」の姿勢としても使えます。
実際に「このお問い合わせは守備的なもの、このお問い合わせは売上に繋がりうるから攻撃的なもの」とフォームに応じて守りと攻めのどちらの姿勢であるかをわけ、姿勢に応じて部署を分けることも多いです。
資料請求フォームなど売上に繋がりうるフォームからお問い合わせがあった場合は、メール配信ツールにお客様のメールアドレスを入れてステップメールを配信するなどの施策を講じることもできます。
むやみに広告施策を行うより、攻めの姿勢でフォームを活用した方がうまくいくことも多いと感じますね。
河野氏:
メール配信ツールにお客様のメールアドレスを入れる観点において、formrunはMailchimp(一斉メール配信サービス)と連携しているので、簡単にメール配信することができますよね。
長田:
そうですね。メールを配信する際は、「該当のお客様の状況(ステータス)」によってリストをセグメントし、配信メールの内容を変更したい場合も多いですよね。
formrunであれば、formrunのボード画面で設定している各ステータスに応じて、MailchimpのAudienceに任意のTagを付けて配信する(※)ことも可能なので、生産性の向上に大きく寄与できると思います。
※ Mailchimpの詳細や連携メリットについては、こちらの記事をご確認ください。
④ Googleスプレッドシートへ顧客情報を出力する
河野氏:
Mailchimp以外のメール配信サービスを利用する場合は、formrunに溜まったデータをGoogleスプレッドシートに出力し、その後にメール配信サービスに出力した内容をインポートすることができるので、利便性を感じています。
長田:
はい、特に月額25,800円(税抜)では、フォームから回答があった際にGoogleスプレッドシートに回答データを自動出力することができます。必要な時に都度出力する手間を省けるため、業務効率化に寄与すると感じています。
また、Googleスプレッドシートへの出力した際の活用例として、株式会社クラス様では
- お問い合わせをいただいたタイミングでformrunのカードに「商品不備」などのラベルを貼る
- Googleスプレッドシートに出力する
- どのラベルのお問い合わせが多いかを集計する
- ラベル件数の多いお問い合わせを把握する
- どこで何に問題があったかを確認し、社内に共有し改善する
といった工夫をされています。
Googleスプレッドシートに情報をまとめることで、お客様がどこに課題を感じ、何をどのように改善すべきかをCSチームのみならず全社的に共有しやすくなるため、業務効率化につながります。
▼株式会社クラス様の事例記事はこちら
⑤ 商品の修理受付フォームとして活用する
河野氏:
商品の修理受付フォームとしてformrunを活用する方法もお勧めしたいです。
例えば、靴や鞄などは修理して長く使いたい需要が高いため、私が土屋鞄製造所に所属していた際は修理受付フォームを設置し、多くのお客様にご活用いただいていました。
その際には、フォームから商品の写真を送付いただき、修理可能かを判断してお客様にご連絡していました。
また、コーディングによってフォームに添付ファイルを設置する作業は特に時間的なコストがかかる一方で、formrunでは1クリックで簡単に設置可能です。
そのため、formrunを活用しながら商品の修理用のフォームにフォーカスしてもらえると、生産性が向上する上にお客様からも喜んでいただけるのではないかと思います。
最後に
formrunでは簡単にフォームを作成することができ、皆様の生産性の向上に役立ちます。ぜひ、Shopifyアプリ『formrun連携』をご活用ください!
▼Shopifyアプリ「formrun連携」についてはこちら
▼FAQ「Shopify連携」についてはこちら
登壇者紹介
河野 貴伸
株式会社フラクタ 代表取締役
2000年からフリーのデザイナーとして活動。美容室やアパレルを専門にWebデザイン・ロゴ・パンフレットなどの制作を手がける。2003年にオープンソースを活用したWebサービスの受託開発を開始。「コマースをエンターテイメント」に昇華すべく、2013年11月にはデジタル・ネイティブ・ブランディングの実現をミッションとした株式会社フラクタを設立し、代表取締役に就任。
安藤祐輔
株式会社ハックルベリー 代表取締役
高校卒業後、東京消防庁入庁のち、筑波大学に進学し 在学中に起業。ケンコーコムにてECの仕入/マーケティング/経営企画を担当、その後、株式会社Socketを創業しEC向けWEB接客/販促ツールFlipdeskを開発/運営、 2015年にKDDIグループ企業に売却。 KDDIグループ社⻑として事業戦略などに従事し 2017年退任、Shopify集客アプリ開発のHuckleberryを創業。
長田 華凜
株式会社ベーシック
formrun事業部 マーケティング推進グループ
フォーム作成管理サービス「formrun(フォームラン)」のカスタマーサクセスを担当し、formrunを使ったお問い合わせ対応や改善要望の収集、要件定義などを担当。2021年1月よりマーケティング推進グループに所属している。