業務の属人化や対応漏れなど、顧客対応に課題を抱えている企業は、業務改善の必要性を感じていると思います。
業務効率化にはFreshdeskのような問い合わせ管理ツールがおすすめです。Freshdeskには様々なメリットや便利な機能があります。
ここでは、Freshdeskの導入を検討している顧客対応の担当者に向けて、Freshdeskの機能、特徴、導入事例をFreshdeskを詳しく解説します。
目次
Freshdesk(フレッシュデスク)とは
Freshdeskとは、クラウドベースのカスタマーサポートソフトウェアです。現在150,000を超える企業に利用されており、ヘルプデスクや顧客対応の仕事の効率化が期待できます。
受信する全てのメール、フィードバック、チャット、通話はチケットへと変換されるのが特徴的です。チケットを完了させると任意で設定したポイントを獲得することができ、ゲームのように楽しみながらタスクを完了させていくことができます。
他にも、FAQサイトやコミュニティフォーラムと呼ばれる、ユーザー同士が意見を交換する場をオンライン上に作成できるなど、便利な機能が豊富にあります。
Freshdeskの機能
Freshdeskには、「問い合わせ管理」「メール管理」「フィールドサービス管理」など豊富な機能があります。ここではそれぞれの機能を紹介します。
問い合わせ管理
問い合わせ管理は、顧客からの問い合わせの対応や管理を効率化し、問い合わせ内容をチーム内で共有しやすくするための機能です。フィルターで優先順位を設定してタスクを明確にしたり、サービスを追跡・測定してレポートを作成できたりします。
問い合わせ管理は顧客とコミュニケーションを取る重要な業務です。Freshdeskの「問い合わせ管理」機能を利用することで、対応漏れを防ぎながらスピーディーな対応が行え、顧客満足度の向上につながります。
さらに、問い合わせ内容を社内の資産として蓄積することが可能。ナレッジを貯めることで将来的に商品・サービスの開発に活かすことができます。
メール管理
顧客満足度を向上させるには、大量のメールを効率よく処理して、適切に管理する必要があります。Freshdeskの「メール管理機能」では、自動返信やテンプレートを利用することができ、迅速な対応が可能です。
一定期間が経過しても顧客から返信が来ない場合、リマインダーメールを自動で送信できるようになっています。
さらに、同じような内容のメールに対しては、テンプレートを利用でき手間を省くことができます。
フィールドサービス管理
「フィールドサービス管理」機能とは、ヘルプデスクと情報システム部門のワークフローを簡素化することができる機能です。
Freshdeskでは、エンジニアの対応が必要な問い合わせ内容を管理し、タスクを記録することができます。さらに、顧客とのアポイント管理やフィールドチームのシフト管理が可能です。
ミーティングのダブルブッキングなど、スケジュールミスも防ぐことができるため、顧客との関係性を良好に保つことができます。
複数チャネルヘルプデスク
複数のツールを横断して使用するには、多大な時間と労力を要します。Freshdeskの「複数チャネルヘルプデスク」は、1つにまとまった顧客データベースから、過去の問い合わせにいつでもアクセスできる機能です。
例えば、顧客と電話でどのようなやり取りをしたか振り返りたいときに、通話の録音に簡単にアクセスすることができます。緊急性の高い対応であっても、データベースにいつでもアクセスできるため、迅速な対応が可能になります。
ヘルプデスクのタスク自動化
優先度の設定やステータス設定など、繰り返し修正が必要なヘルプデスクの業務ですが、Freshdeskではタスク管理を自動化することで手間を抑えることができます。
自動で担当者が割り当てられるので、チームメンバーがそれぞれ何から着手するべきか明確にすることができます。
また、「Freddy AI」というAI機能がどのように対応するべきかをサポートする機能も導入されています。FreshdeskのAIで問い合わせを処理することで、担当者は専門的な回答が必要な問い合わせに集中することができるのです。
セルフサービス
Freshdeskの「セルフサービス」機能は、顧客自身が解決方法に辿り着けるようにする機能です。顧客が解決方法を自身で見つけられるので、問い合わせの量を軽減させることができます。
例えば「Freshdeskフォーラム」は、製品に関して顧客同士で質問し合ったり、議論に参加できたりするスペースです。
コミュニティで議論に上がった重要な問題やアイデアはデータとして残るので、同じように疑問に思った顧客はこれを見ることで解決することができます。
ヘルプデスクレポート機能
Freshdeskの「ヘルプデスクレポート機能」は、チームの動向を把握できる機能です。
週次または日次の業務量を分析し、週で最も忙しい日や1日の中で最も忙しい時間帯などの分析が行えます。それによって、必要に応じて人員配置ができるのです。
さらに、問い合わせの解決に最も時間がかかっているチームや、他のチームを待つ時間が1番長いチームの特定が可能です。このようにワークフローを可視化することで、課題解決につなげることができます。
Freshdeskのメリット
Freshdeskを導入することでどのようなメリットを得られるのでしょうか?
確認漏れの防止
問い合わせ管理で確認漏れや対応漏れが頻繁に起こると、顧客満足度が低下してしまう恐れがあります。顧客状況が一目で判断できない状況や、複数のチャネルに対応する必要がある場合は、ミスを防ぐためにも顧客管理の改善が必要です。
Freshdeskでは、問い合わせを自動的に優先付け・分類・割り当てするので、確認漏れや対応漏れのミスを防ぐことができます。漏れなく対応することで、顧客満足度の向上やクレーム削減につなげることができるのです。
チームでの作業
問い合わせ管理が属人化してしまうと、担当者が不在の時に対応を行えず、顧客を待たせてしまう可能性があります。
Freshdeskはチームで問い合わせ状況を共有し、迅速かつ効率的な対応が可能です。
Freshdesk内では問い合わせはチケットに変換されて管理を行いますが、このチケットのオーナー権限を、他のチームと共有したり、複雑な問い合わせ内容を小さな子チケットに分割したりすることができます。
さらに、1人に対する業務量を調整することでオーバーワークを防ぐことがき、チームメンバー同士でサポートできます。
データ分析の効率化
「日々の問い合わせ業務で忙しいのでデータ分析に時間がかけられない」という少数のチームでも、Freshdeskを利用することでデータ分析をスピーディーに行うことができます。
Freshdeskでは知りたい項目を入力するだけで、データがグラフ化されて自動的に表示されるので、非常に効率的です。
例えば、チケットの対応に最も時間がかかっているチームを照会できたり、業務量が最も多くなるタイミングを確認できたりするので、PDCAを回しやすくなります。
さらに、顧客満足度も分析できるため、サービス向上に繋がる課題を立てやすくなるのです。
データセキュリティ
個人情報の流出は企業の信頼やイメージを低下させる原因になります。そのため、大切な顧客情報が流出しないように、セキュリティ面の強化が重要です。
Freshdeskでは、信頼できるIPアドレスをホワイトリストに登録することで、職場外のログインアクセスを制限することができます。さらに、IPアドレスのホワイトリストをVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)と連携させることができるので、場所を問わずにセキュリティ保護が可能です。
他にも、保管時のデータ暗号化やクリックジャッキング対策などセキュリティ機能が充実しています。
Freshdeskの導入事例
Freshdeskを導入している企業の事例を紹介します。
Hamleys
Hamleysはイギリスのリテール企業で、250年以上もの歴史を持つ企業です。玩具やエンターテイメント系のサービスを展開しています。
HamleysはFreshdeskの導入で作業の生産性が向上し、50%のコスト削減に成功しました。
さらに、レポート作成にあてる時間の節約を達成し、その分の時間をカスタマーサポートの戦略立案に使用しています。
Pearson
Pearsonは、70カ国以上でビジネス展開を行っている出版系のグローバル企業です。
大量に送られてくるメールの仕分けや、返信の優先づけなどに時間がかかってしまうことに課題を感じていました。さらに、それぞれ個別のメールアドレスに問い合わせが来ていたため、問い合わせ内容の追跡やサポートのマネージメントなどが行えていませんでした。
Freshdeskを導入することで、担当者ごとに問い合わせが自動振り分けされて、時間を削減することに成功。あらゆるチャネルからの問い合わせも一元化されるので、業務の効率化を実現できています。
Freshdeskの導入費用
Freshdeskの導入費用をプランごとに比較します。
プラン名 | 対象・特徴 | 月額 | 含まれる機能 |
Sprout | 初心者向け | $0 | ・チケット割り当て ・対応方法に関するノウハウを提供 ・業務量などの分析 ・データを保護する場所の選択 |
Blossom | 通常サポート向け | $15/1ユーザー | Sproutに加えて以下機能が含まれる。 ・自動化 ・重複検知 ・ヘルプデスクの機能の拡張するアプリ ・ヘルプデスクレポート ・サービス品質保証 ・事前に営業時間を定義できる機能 |
Garden | 効率化向上に最適 | $35/1ユーザー | Blossomに加えて以下機能が含まれる。 ・時間トラッキング ・顧客満足度アンケート ・パフォーマンスレポート ・対応方法に関するノウハウを多言語で提供 ・アプリの作成、インストール |
Estate | 最高のパフォーマンス | $49/1ユーザー | Gardenに加えて以下機能が含まれる。 ・担当者の割り振り ・アクセス制限 ・外観や機能性の見直し ・カスタムレポート&ダッシュボード ・顧客に合わせたサポート方法の提案 ・バージョンの編集、復元、管理 ・製品ごとに個別のポータルの設定 ・動的チケットフォーム |
Forest | 大企業に最適 | $99/1ユーザー | Estateに加えて以下機能が含まれる。 ・チケットのマッチング ・テスト環境の整備 ・監査ログでの最新情報の把握 ・ノウハウや対応方法に関する記事の追跡、レビュー、承認 ・グローバルチームのスケジューリング ・IPホワイトリスト登録によるセキュリティ管理 ・対応方法をアシストするボット ・メールボット ・自動優先付け ・記事提案 ・セキュリティ強化 |
Freshdeskの利用料金はプランによって異なりますが、機能を充実させるためにはコストが高くなる傾向にあります。さらに、アドオンで機能をカスタマイズする場合、追加料金が必要になる点を留意しておきましょう。
企業全体で導入を考えている場合は、ランニングコストなども検討する必要があります。
顧客対応を効率化できるその他のツール3選を比較
Freshdeskの他に、顧客対応の業務を効率化できるツールを紹介します。
1.formrun(フォームラン)との比較
formrunはフォームを簡単に作成することができるツールであり、問い合わせ管理の業務効率化が期待できます。
コストを抑えたい企業にはformrunがおすすめです。Freshdeskと比べると料金が安価で、個人事業主やベンチャー企業など、ヘルプデスクや顧客対応の担当者が少ない場合でも導入しやすくなっています。
フォームのテンプレートが充実しており、Web制作の専門的な知識がなくても直感的にフォームを作ることができます。
問い合わせ管理に関しても、未対応や完了対応のステータスがボード画面に表示されているので、問い合わせ状況のスピーディーな確認が可能です。
さらに、メモ機能に記録を残すとSlackに通知が来るシステムになっています。チャットグループに簡単に共有できるので、対応状況の可視化が実現できます。
2.Zendesk(ゼンデスク)との比較
Zendeskは、120,000社にも及ぶ世界中の企業に導入されているカスタマーサービスのプラットフォームです。様々な機能を単独もしくは組み合わせて導入することができます。
Freshdeskのように問い合わせをチケットで管理するのが特徴的です。顧客対応の業務を一元管理することができます。
Freshdeskの方が全体的に機能が豊富ですが、基本的な機能のみが必要な場合はZendeskをおすすめします。小規模のヘルプデスクチームなど、基本的な機能で十分なチームは、Zendeskのようなシンプルな機能のツールを選びましょう。
3.チャットプラスとの比較
チャットプラスとは、チャットサポートに特化したサービスで2,500社11,500媒体で利用されているツールです。
プログラミングの知識がなくても、自動で顧客の問い合わせに返答できるチャットボットを作成することができます。
「WEBページにチャットボット機能を導入したい」と目的が明確に決まっている企業にはチャットプラスのような、チャットボットに特化したツールがおすすめです。
月額1,500円から安価にサービスを利用できる点だけでなく、たった1分でIDを発行でき、3分でチャットをスタートできるというスピード性も特徴です。
以下の記事では、その他の問い合わせ管理ツールについてもまとめています。より多くのツールを検討したい方はぜひ参考にしてみてください。
顧客対応やヘルプデスクの業務改善を目指そう
Freshdeskは、顧客対応やヘルプデスクの業務を効率化するための機能が充実している問い合わせ管理ツールです。
様々なチャネルからの問い合わせを一元化できたり、チームの動向を把握できるレポートを自動で作成できたりできます。
他にもさまざまな問い合わせ管理ツールがあるので、導入するツールを選ぶときは、それぞれの特徴をしっかりと把握することが大切です。
formrunはフォームを簡単に作成できるのが特徴であり、問い合わせ管理も対応状況の共有も行えるツールです。無料プランもあり、利用料金が比較的安価な問い合わせ管理ツールであるため、コストを抑えたい企業は、ぜひ導入を検討してみてください。