「退職者から離職票の発行を依頼されたけれども、どうすればいいの?」と悩んでいませんか。
離職票の発行手続きには期限があります。対応を怠り発行期限を過ぎてしまうと、罰則の対象となってしまうため、手続きの流れを知り迅速に対応することが重要です。
本記事では、離職票とは何かの基礎知識に加え、発行手続きの方法について解説します。
離職票とは?
離職票とは、退職者がハローワークに失業保険を申請する際に必要な公的書類です。
退職者から請求があった際に、企業はハローワークに離職票の発行を申請し、ハローワークが発行します。
再就職先が決まっていて失業保険を受け取らない場合は離職票の発行は不要です。ただし、再就職先に離職票の提出を求められる場合もあるため、離職票が必要かどうか確認しておきましょう。また、59歳以上の方は、本人から申請がなくても離職票を必ず発行しなければなりません。
離職票の発行期限は退職日翌々日から10日以内です。期限を過ぎると、30万円以下の罰金または6か月以下の懲役が科せられる可能性があります(雇用保険法第83条)。
退職者より申請があった際には、すぐに申請の手続きに取り掛かりましょう。
離職票の発行手続きの流れ
離職票の発行手続きは、退職者の権利を保護し、次の就職活動への移行をスムーズにするために重要です。以下より離職票発行の手続きの流れを解説します。
手続きの流れを理解し、退職者から申請があっても慌てずに対応できるようにしておきましょう。
離職票がほしいか確認する
まずは、離職票を希望するかどうか退職者に確認しましょう。退職者からの要求があった場合、ハローワークに提出する「離職証明書」と「雇用保険被保険者資格喪失届」を作成します。
これらは退職者の雇用状況や退職理由を証明し、離職票の発行に必要な情報を提供する書類です。
書類には勤めていた企業と退職者本人のそれぞれが記入する項目があります。退職者と内容を確認し問題がなければ、退職者から署名と押印をもらって書類作成の完了です。
また、離職証明書の他に「退職証明書」が存在します。退職証明書は公的書類ではなく、書類の紛失や発行遅れによる「代替書類」として認められてきました。失業保険の給付にあたり、仮受付の役割でしかないため、最終的には、離職票を提出しなければならないことを知っておきましょう。
ハローワークに必要書類を提出する
企業は「離職証明書」と「雇用保険被保険者資格喪失届」を事業所管轄のハローワークに提出しましょう。
また上記2つの書類の他にも、以下のような書類を管轄のハローワークに持参しなければいけません。
- 労働者名簿
- 賃金台帳・出勤簿(一定条件で省略可能)
- 退職理由を証明する書類(例:就業規則、役員会議事録)
事前に必要な書類を確認し、提出漏れがない状態で期限内に提出してください。
※参考:資格取得届に必要な書類
ハローワークから離職票を受け取る
ハローワークは提出された書類を精査し、離職票を発行します。ハローワークから以下の書類が会社宛てに交付されます。
- 被保険者資格喪失確認通知書(離職票-1)
- 被保険者離職証明書の本人控(離職票-2)
- 被保険者離職証明書の事業所控
繁忙期(3~4月)を除いて、通常、数日以内に届きます。
退職者に離職票を送る
ハローワークから離職票を受け取ったら、離職票を退職者に渡しましょう。送付でも、直接の受け渡しでも構いません。
退職者が失業給付の申請手続きを速やかに進められるよう、なるべく早めに退職者に渡してください。
なお、ハローワークから届く書類の中には事業主が保管する控えもあります。間違って送付してしまわないよう注意しましょう。
紛失時における離職票の再発行手続き
離職票を紛失した場合、再発行手続きは退職した企業かハローワークで行います。
企業で再発行をする際は、人事担当が「離職票再交付請求書」を提出しなければなりません。その際に、紛失した離職票の交付年月日と交付番号を記入します。退職者本人に、記録を控えているか確認しましょう。
「雇用保険の被保険者に関する書類」は、4年間保管しなければなりません(雇用保険法施行規則第143条)。離職証明書もこの書類に含まれるため、4年間は保管し、再発行の要求に応じましょう。
ハローワークで再発行する場合は、企業側ではなく、退職者により「離職票再交付申請」が必要です。
離職票の書き方
ここでは、離職票にはどのような情報が記載されているのかを解説します。
雇用保険被保険者離職票ー1
出典:離職票-1
雇用保険被保険者離職票ー1は、退職者の基本情報と雇用保険の資格喪失に関する情報が記載された書類です。
退職者は、この書類に個人番号(マイナンバー)や希望する失業給付金の振込先金融機関を記入します。
雇用保険被保険者離職票ー2
参考:離職票-2
雇用保険被保険者離職票ー2には、給与額や退職理由が記載されます。失業給付の基本手当日額や所定給付日数、給付制限の有無を決定する際に使用される情報であるため、正確な記入が必要です。
給与額の項目は、賃金支払いの基礎日数が11日以上になる月を1か月として、退職前6か月分を計算します。「給料の締日前に退職する月」、「基礎日数が11日未満の月」は除外してください。
ただし2020年に労働時間による基準が見直されたため、 賃金支払いの基礎となる労働時間が、80時間以上ある月は算定の対象です。
雇用保険被保険者離職票ー2の主な記載内容は、以下のとおりです。
- 被保険者番号
- 事業所番号
- 離職者氏名
- 離職年月日
- 事業所名、所在地、電話番号
- 離職者の住所または居所
- 離職理由
- 被保険者期間算定対象期間
- 被保険者期間算定対象期間における賃金支払基礎日数
- 賃金支払対象期間
- 賃金支払対象期間における基礎日数
- 賃金額
- 備考
- 賃金に関する特記事項
※参考:雇用保険の具体的な手続き
離職理由
離職票の離職理由は、企業が記載します。離職理由の該当項目に丸印をつけて、「具体的事情記載欄」も記入しましょう。
主に自己都合と会社都合の2種類があり、細かくすると7つに分類されます。
離職理由は、失業手当の「給付日数」や「支給開始日」に影響を与える項目です。トラブルを避けるためにも、企業と退職者の認識を一致させておきましょう。
<離職理由の7区分と記載例>
区分 | 具体例 | 「具体的事情記載欄」の記載例 |
事業所の倒産等によるもの | 倒産により退職 | |
定年によるもの | 就業規則第〇条に基づき63歳定年により退職 | |
労働契約期間満了等によるもの |
| あらかじめ定められた労働契約期間満了に達したことに伴い退職 |
事業主からの働きかけによるもの |
| 売上を横領したため令和〇年〇月〇日懲戒解雇 |
労働者の判断によるもの |
| 事業所が○○区から○○区に移転し、労働者の住所である○○からの片道の通勤時間が4時間となり、通勤が困難となったため |
一身上の都合または転勤希望によるもの |
|
|
その他 | 1~6のいずれにも該当しない場合 |
退職手続きは「申請フォーム」で発行忘れ防止&効率化しよう
退職手続きは、さまざまな書類作成や提出が必要で、煩雑な作業になりがちです。急に離職票の申請手続きを依頼された場合、日々の業務に埋もれてしまい、対応を忘れてしまいかねません。退職者に迷惑をかけたり、最悪の場合、罰則を受ける可能性もあります。
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ステータスごとに進捗状況を可視化できるため、対応漏れを防止可能です。
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ステータスを「離職証明書作成中」「ハローワーク提出済み」「書類送付完了」などで管理しておけば、どこまで申請手続きが進んでいるのか、対応が漏れている案件がないかを把握可能です。
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