自社サイトに設置するメールフォームについて、Googleフォームのような完全に無料なツールを使うか、有料のツールに切り替えるか悩んでいませんか。自社サイトにとって最適なツールを選ぶには、無料と有料ではコスト面以外でどんな違いがあるかを把握する必要があります。
本記事では、メールフォームにおける無料・有料の違いやツールの選び方、メールフォームを作成する際の注意点などについて解説します。
目次
メールフォームにおける無料・有料の違い
フォーム作成ツールには無料のものと有料のものがあり、無料で使えるツールでも、有料プランが用意されていることがほとんどです。
無料・有料の違いとして大きいのは、利用できる機能の幅です。そのため、問い合わせやWebマーケティングの施策にメールフォームを活用するのであれば、有料ツールのほうが使い勝手は良いでしょう。
とはいえ、企業としてはコストも見逃せないチェックポイントであるため、まずは無料プランで一定期間試し、問題なければ有料プランに切り替えるのがおすすめです。
無料のメリット
無料ツールを使う最大のメリットは、メールフォームにかかるコストを抑えられることです。機能やデザインなどにこだわりがなく、コストを最優先する企業であれば、無料ツールで十分でしょう。
また、有料ツールを使用する場合は、ツールを選ぶための比較・検討に時間がかかります。すぐにメールフォームを導入したい場合は、無料ツールのほうが選びやすいでしょう。
有料のメリット
有料ツールを使うメリットは、無料ツールよりも機能の幅が広がることです。例えば、作成できるフォーム数やメールに添付できるデータ容量などが増えたり、外部ツールと連携できるようになったりします。
そのため、メールフォームを単なる連絡手段として使うのではなく、Webマーケティングなどの用途にも活用したい場合は、有料ツールのほうがおすすめです。
また、ツールにもよりますが、有料プランでは広告がされないようになったり、サポートが手厚くなったりすることもあります。メールフォームを長く使うことを考えると、こういった点もメリットといえるでしょう。
自社に合うメールフォームの選び方
「コスト」を最優先にしてメールフォームを選ぶのであれば、プラン料金のみを確認するだけで事足ります。しかし、他の面も考慮して選びたい企業は多いでしょう。自社に合うメールフォームを選ぶためには、以下の点を意識するのがおすすめです。
- 操作性が良いものを選ぶ
- テンプレートが自社に合うものを選ぶ
- セキュリティが機能が備わっているものを選ぶ
- 外部ツールと連携しやすいものを選ぶ
- 顧客管理機能があるものを選ぶ
操作性が良いものを選ぶ
メールフォームの操作性は、企業側だけでなくユーザー側にとっても重要なポイントです。フォームの作成やカスタマイズが簡単にできれば、フォーム管理にかける時間や労力を抑えられます。また、EFO機能(入力サポート機能)が備わっているなど、ユーザーが入力しやすいメールフォームであれば、問い合わせの数を増やすことにもつながります。
そのほか、Webサイトへの設置が簡単にできるかも確認しましょう。ページ内にフォームを埋め込んだり、フォーム専用ページへのリンクを貼ったりするなど、初心者でも実践しやすい設置方法のものを選ぶのがおすすめです。
テンプレートが自社に合うものを選ぶ
メールフォームを選ぶ際は、用意されているテンプレートにも注目しましょう。企業によってWebサイトのイメージは異なるため、メールフォームもイメージに合ったデザインにする必要があります。テンプレートが豊富なツールであれば、自社のイメージに合うフォームを選びやすくなります。
さらに、テンプレートの色やデザインのカスタマイズがしやすいツールであれば、ユーザーの反応を見ながら変更を加えることも可能です。メールフォームのデザインは、ユーザーの離脱率にも影響するため、入力欄やボタンを操作しやすい大きさに設定するなど、細かく調整できるものがよいでしょう。
セキュリティが機能が備わっているものを選ぶ
メールフォームでは、ユーザーの氏名や住所、連絡先などの個人情報を扱います。そのため、セキュリティ機能が十分に備わっているツールを選ぶことが重要です。
具体的には、SSL暗号化通信やサーバー監視、ISMS(Information Security Management System)やプライバシーマークの取得、アクセス権限の設定といった機能があるかを確認します。
個人情報の流出は、企業の信用を著しく損なうトラブルです。その後のビジネスに大きな悪影響を及ぼす可能性が高いため、どのようなセキュリティ対策が取られているかは必ずチェックしましょう。
外部ツールと連携しやすいものを選ぶ
マーケティングサポートツールや解析ツールなど外部ツールとの連携が可能なツールであれば、メールフォームの利便性は向上します。特に、Webマーケティングにメールフォームを活用したい場合は、特に重要な機能です。
マーケティングサポートツールや解析ツールなどと連携できれば、ユーザーの行動履歴を分析して、そのデータをマーケティング戦略に活用できます。
また、ChatWorkやSlackといったチャットツールと連携できるツールであれば、メールフォームから問い合わせがあったら通知されるように設定することが可能です。ユーザーへ迅速な対応ができるようになり、ユーザーからの信用を高めることにつながります。
顧客管理機能があるものを選ぶ
メールフォームに顧客管理機能が付いているか否かも、重要なチェックポイントです。前項でも触れた通り、的確なユーザー対応は企業の信頼につながります。そのため、ユーザーとのやり取りのミス軽減につながる機能があるものを選びましょう。
例えば、メールフォームからの問い合わせを、「未対応」「対応中」「対応済み」などのステータスで管理できるものであれば、対応漏れや重複対応を防げます。さらに、ユーザーに関する情報をメモできる機能があれば、ユーザーの事情を考慮した対応ができるようになるでしょう。
また、メールフォームで顧客管理ができれば、エクセルなどの他ツールに顧客情報をまとめ直す必要がなくなります。スタッフの負担を減らせるうえ、他ツールに移す際のミスも防げるでしょう。
無料で使えるおすすめのメールフォーム4選
無料のメールフォームとしておすすめできるものは、以下の4つです。
- formrun(フォームラン)
- Tayori(タヨリ)
- Formzu(フォームズ)
- Googleフォーム
それぞれの特徴をみていきましょう。
formrun(フォームラン)
formrun(フォームラン)は、クリックするだけでフォームを作成できるため、短時間で簡単にフォームを作成したい方におすすめのメールフォームです。Webサイトへのメールフォームの埋め込みも簡単で、フォームのURLをコピー&ペーストするだけで設置できます。
また、メールフォームからの問い合わせ内容を「カンバン方式」で管理できるため、ユーザーとのやり取りのミスを防げます。
無料プランと有料プランが用意されており、有料プランには無料トライアルも付いているため、コストを抑えながら操作性などを確かめることが可能です。フォーム作成数や個別メール送信数、添付ファイルの保存容量などが、プランのランクが上がるほどに増えていく料金体系となっています。
【利用料金】
- FREEプラン:0円
- BEGINNERプラン:3,880円(税抜)/月
- STARTERプラン:12,980円(税抜)/月
- PROFESSIONALプラン:25,800円(税抜)/月
Tayori(タヨリ)
Tayoriを使うと、利用シーン別のテンプレートをカスタマイズするだけで簡単にフォームを作成できます。ロゴ・カラー・アイコン・背景色などの変更が可能で、直感的な操作が可能です。
GoogleAnalyticsを設置できるため、Webマーケティングに活用することもできます。さらに、メモの共有やステータス管理、タスクの割り振り機能もあるため、顧客管理をする際も便利です。
無料プランと有料プランがあり、有料プランには14日間の無料トライアル期間があります。各プランの大きな違いは、ツールを利用できるユーザーの人数です。無料プランでは1名しかツールを利用できないため、企業の規模に合わせたプラン選択が必要になります。
【利用料金】
- フリープラン:0円/月
- スタータープラン:3,400円(税抜)/月
- プロフェッショナルプラン:7,400円(税抜)/月
Formzu(フォームズ)
Formzu(フォームズ)は、メールアドレスがあれば問い合わせフォームを30秒で作成可能という、スピーディーなフォーム作成が特徴のツールです。
PC・スマホ・携帯電話に対応したフォームの作成や自動返信機能、統計機能などを無料で使うことができ、ページ内への埋め込みもできます。また、無料プランでもPayPalによるクレジットカード決済を利用できるため、決済が必要になるメールフォームを作成したい場合に最適なツールです。ただし、顧客管理機能は搭載されていません。
無料プランと有料プランが用意されており、有料プランには2週間の無料トライアル期間があります。無料プランは、広告が表示されたり、フォームに入れられる項目数が少なかったり、複数メールを送信できなかったりと、機能がかなり制限されています。そのため、機能を確認するためには無料トライアルを利用したほうがよいでしょう。
【利用料金】
- フリー:0円
- パーソナル:17.3円/日
- ビジネス:32.9円/日
- プロフェッショナル:84.9円/日
Googleフォーム
GoogleフォームはGoogleが提供しているツールで、Googleアカウントをもっていれば誰でも簡単にフォームを作れます。有料プランはなく、すべての機能を無料で使えるため、コストをかけずにフォームを作りたい方向けのツールです。
クセのないシンプルなデザインで、フォーム作成数や入力項目数に制限がないため、メールフォーム以外にも、アンケートや応募フォームなど幅広い用途で使うことも可能です。反面、デザインの細かなカスタマイズはできないため、ひと目でGoogleフォームで作成したことがわかってしまうことはデメリットといえます。
また、Googleフォームで入手したデータはクラウド上で保存されているため、複数の端末でデータを共有することができます。Google AnalyticsなどGoogleが提供している他サービスとの連携も簡単にできるため、データ分析もしやすいです。
ただし、自動入力や自動返信、顧客管理などの機能はないため、ユーザーへの対応の質を重視する場合は不向きなツールです。
【利用料金】
- 0円
有料のおすすめのメールフォーム4選
メールフォームのなかには、無料プランの用意がなく、有料プランのみのものもあります。そのなかでは、以下の4つがおすすめできます。
- WEBCAS formulator(ウェブキャス フォーミュレーター)
- Prius Pro(プリウスプロ)
- Qubo(キューボ)
- SPIRAL®
1つずつみていきます。
WEBCAS formulator(ウェブキャス フォーミュレーター)
WEBCAS formulator(ウェブキャス フォーミュレーター)はフォーム作成が簡単で、データをリアルタイムで集計・分析できるツールです。「導入型」と「クラウド版」という2種類の提供形式があり、自社の環境に合わせて選べます。
マルチデバイス対応で、メールフォームのデザインや項目の細かなカスタマイズが可能です。重複登録チェックやエラーメッセージ編集、公開スケジュール設定など、フォーム作成に関する機能が充実しています。
また、すべてのプランで担当営業がつき、カスタマーサポートが無料であるため、サポート体制を重視する方にもおすすめです。
【料金】
- クラウドサービス ASP型 初期費用 5万円~ 月額費用 3万円~
- クラウドサービス SaaS型 初期費用 50万円~ 月額費用 10万円~
- パッケージ導入版 ライセンス費用 400万円~ 保守費用 別途
Prius Pro(プリウスプロ)
Prius Pro(プリウスプロ)は、メールフォームの作成だけでなく、顧客管理や一斉メール配信、ステップメール、チケットサービスなどを提供している顧客管理システムです。
月額料金は顧客数に応じて変動するようになっており、最低月額1,100円から利用できます。他の有料ツールと比べてコスパが非常に良いツールといえます。
集客や販促に役立つ機能がたくさんあるため、ユーザーとのやり取りだけでなくWebマーケティングも1つのツールでまとめて行いたい方におすすめです。
【利用料金】
- 初期費用 5,500円(税込)
- 月額料金 1,100円(税込)~
- オプション料金(月額)
※30日間の無料トライアルあり
Qubo(キューボ)
Qubo(キューボ)は、直感的なドラッグ&ドロップ操作でメールフォームを作成できるツールです。「レスポンシブWebデザイン」を採用しており、PCだけでなくスマホでも快適に操作できるメールフォームを作れます。
お問い合わせや申し込み、応募などのメールフォーム作成に特化した「REQUEST」と、アンケートや診断フォーム作成に特化した「SURVEY」の2種類に分かれています。ただ、「SURVEY」は2024年1月15日をもって、全サービスの提供が終了することになりました。
初期費用が不要で、3つある有料プランのそれぞれに14日間の無料トライアルがついています。さらに、1ヵ月だけの短期利用も可能となっているため、有料ではありますが、コストを抑えながら操作性などを試すことが可能です。
【料金】
月払い(単月契約)の場合
- BASIC:2,750円(税込)
- PRO:4,400円(税込)
- BUSINESS:7,150円(税込)
※14日間の無料トライアルあり
SPIRAL®
SPIRAL®は、Webの知識がない方でも、2ステップで簡単にマルチデバイス対応のメールフォームを作成できるツールです。その手軽さから、幅広い業界で12,000社以上の導入実績をほこります。
デザインについては、テンプレートから選ぶほか、HTMLやCSSなどで編集することもできます。そのため、コーディングの知識があれば、より自社にあったメールフォームにカスタマイズ可能です。
料金プランは定額制で、何人で使っても、どれだけのフォームを作成しても料金は変わりません。ただ、その分だけ料金は他ツールよりも高めに設定されているため、複数のメンバーでフォームを管理し、大量のメールを送る必要のある企業向きのツールといえます。
【料金】
- 初期費用:10万円 ※アプリケーションの構築費用は別途見積
- 月額費用:5万円〜 ※フォームから登録・保管可能なデータ件数に応じた従量課金制
メールフォームを作成するうえでの注意点
メールフォームをリニューアルするのであれば、フォームを抜本的に作り変えるのもおすすめです。その際には、以下の点に注意するようにしましょう。
- 入力項目の数や形式が適切か確認する
- 入力例やエラー箇所をわかりやすく表示する
- 個人情報の取り扱いについて示す
- 確認画面機能や自動返信機能を利用する
- スパムメール対策を施す
入力項目の数や形式が適切か確認する
メールフォームに設定する入力項目は、必要最小限に抑えるようにしましょう。項目数が多くなるほどユーザーの入力がストレスになり、離脱される可能性が高まってしまいます。入力の手間をできる限り省くため、選択形式にできそうな項目はプルダウンで選択できるようにするのも効果的です。
また、必須入力と任意入力の区別をわかりやすくしたり、英数字での入力を全角・半角の両方に対応できるようにしたりするのも、ユーザーの手間を減らす工夫になります。
入力例やエラー箇所をわかりやすく表示する
メールフォームの項目のなかには、ユーザーがどう入力すればいいか迷うものもあります。そうしたときのために、入力欄の近くに入力例を表示しておくとよいでしょう。ユーザーのストレスを減らすとともに、入力ミスを防ぐ効果があります。
また、入力忘れや条件に合わない入力などの入力ミスが起こった場合でも、すぐにエラー表示されるようにしておくのがおすすめです。入力が完了して「送信」をクリックした瞬間にエラー表示されると、ユーザーの入力意欲は著しく下がります。ユーザーに離脱されないよう、入力ミスは発生したらすぐに知らせましょう。その際、どんな理由でエラーになったかを示すとより親切です。
個人情報の取り扱いについて示す
メールフォームに入力する内容は個人情報が多いため、どのようなセキュリティ対策をしているか記載しておくとよいでしょう。
メールフォームのセキュリティに不安を感じたユーザーは、問い合わせをすることに躊躇するはずです。そうしたユーザーの不安を解消し、問い合わせの数を増やすために、個人情報の取り扱いについては見やすい場所に明記しておきましょう。
その際、フォーム作成ツールで施されているセキュリティ対策と、自社のセキュリティ体制の両方を記載しておくと、よりユーザーを安心させられるでしょう。
確認画面機能や自動返信機能を利用する
メールフォームのなかには、「確認画面機能」や「自動返信機能」がついているものがあります。そうした機能がある場合は必ず利用しましょう。
送信前の確認画面があると、ユーザーの入力ミスを減らせるとともに、ユーザーに安心感を与えられます。また、自動返信機能を利用して、登録したメールアドレス宛に「○日以内に返信します」といった内容のメールが自動返信されるよう設定しておけば、ユーザーはメールが無事に送信されたことが確認でき、返信までの目安を知ることができて安心です。
ただ、ツールによっては確認画面機能や自動返信機能が有料プランにしかない場合があるため、ツール選びに際によく確認しておきましょう。
スパムメール対策を施す
メールフォームを設置する際は、必ずスパムメール対策を取るようにしましょう。スパムメールとは、受信者の意向を無視して一方的に送られてくるメールのことで、いわゆる迷惑メールです。
メールフォームは気軽に送信できる分、スパムメールも届きやすくなります。スパムメールが大量に届くようになると、重要なメールへの対応が遅れてしまう可能性があるのです。
そのため、「私はロボットではありません」にチェックしなければ送信できない「reCAPTCHA」をメールフォームに埋め込んだり、入力欄とチェックボックスを併用したものにしたりといったスパムメール対策をする必要があります。
自社に合ったメールフォームのプランを選択しよう
メールフォームには無料のものと有料のものがあり、コストのみを考えるのであれば無料のツールを選ぶべきです。しかし、機能やデザインにこだわりがある場合や、ユーザーとのやり取り以外の用途でもメールフォームを活用したい場合は、有料のツールのほうがおすすめです。
無料・有料の違いやツールを選ぶ際のポイントなどを参考にして、自社に合ったメールフォームを選ぶようにしましょう。
特におすすめなのは、フォーム作成が簡単で機能も充実している「formrun」です。無料プランと有料プランの両方があるため、無料プランを使い始めてから必要に応じて有料プランに切り替えることもできます。