「顧客対応の業務量が膨大で人員が不足している」「問い合わせ管理が属人化していて、担当者が休みだと対応が進まない」など、顧客対応に改善が必要と感じている企業に向けて、顧客対応の課題を改善する方法を紹介します。
顧客対応の重要性から、CSを最大化するためのポイントや業務を効率化する手段を説明します。
業務改善に役立つ問い合わせ管理ツールも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
顧客対応の基礎知識
まずは顧客対応についての基礎知識を解説します。
顧客対応とは
顧客対応とは、自社の製品やサービスの利用者等からの問い合わせに対応する業務のことを指します、ユーザーとコミュニケーションを直接取る場であるため、企業の印象を左右する重要な要素です。
さらに、顧客対応の質が悪いと既存顧客が離れてしまうので、売り上げに大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、顧客満足度を向上させるような対応が求められるのです。
顧客対応の業務内容
顧客対応は、クレーム対応や製品に関する質問への応答など受信業務が基本ですが、アンケート調査や販売促進など能動的に顧客に働きかける業務を行うこともあります。
以下、顧客対応の主な業務内容です。
- 製品やサービスに対する要望や質問への応答
- 製品やサービスの不備の対応
- クレーム対応
- 顧客管理
- アンケート
- 販売促進
製品やサービスに関する問い合わせの対応から、アンケートや販売促進など、業務内容は幅広くなっています。顧客管理はカスタマー情報を管理して、二重対応や対応漏れなどを防ぐことが目的です。
顧客対応の重要性
顧客対応は事業の成長のために重要な要素を担います。顧客対応の質は顧客満足度やリピート率に影響を及ぼし、対応に不備があると既存顧客が離れてしまうからです。
マーケティングでは「1:5の法則」と言われるものがあります。これは企業が新規顧客を獲得するには、既存顧客を維持する5倍のコストがかかるというものです。
だからこそ、既存顧客との良好な関係性を保つためには、顧客対応の見直しや改善が必要です。さらに、顧客の声を製品開発やサービス企画に活かすことで、商品やサービスの改善が望めます。
結果的に顧客満足度の高い製品やサービスをお客様に届けられるため、新規顧客の獲得にも繋がるのです。
顧客対応の流れ
実際の顧客対応の流れを確認しておきましょう。
まず、顧客からの電話やメール、チャットなどからの問い合わせに応対するところから始まります。
顧客からの質問や要望の意図をしっかりとヒアリングし、どのようなものであるのかを理解し、解決できる方法を検討します。場合によっては、チームもしくは関連する部署との相談が必要なこともあります。
次に、社内で精査した解決策を顧客に提示します。その後も顧客フォローを適時行っていきます。
顧客への対応が完了すると同時に、社内においてサービス情報に追加する情報があれば担当者と相談し、追記や修正を行うように進めます。ここまでが顧客対応における一連の流れとなります。
顧客満足度を最大化する顧客対応のコツ
顧客満足度を最大化するには、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。ここからは顧客対応のコツを解説します。
対応時の心がまえ
顧客対応時の心がまえとして、押さえておきたいことがいくつかあります。
まず、丁寧な言葉づかいはお客様に対する基本です。敬語、謙譲語を用いた言葉を上手く使えるように普段から心がけておくのがよいでしょう。
お客様に対しては常に感謝の気持ちを持ちましょう。あわせて、誠意を伝えることも意識しておくのが大事です。常に「企業の顔」であることを忘れないよう、プロとしての振る舞いが求められます。
そして、お客様からの問い合わせがあった場合には、その用件を迅速かつ的確に把握しておくのが重要です。用件確認の際には、いつ・どこで・何をといった5W1Hの情報を明確に引き出せるように意識しておきましょう。そうすることでスムーズに課題解決に繋がります。
電話対応での話し方
顧客対応において話し方は大変重要です。正しい言葉づかいはもちろん、顧客との会話のなかではあいづちやクッション言葉を取り入れることで、お客様からの印象がより良いものに変わります。
例えば、「なるほど」「そうですね」などのあいづち、「恐れ入りますが」「お手数ですが」「誠に申し訳ございませんが」などのクッション言葉を、その場の状況に合わせて使うことで同じ内容を伝える会話でも随分と印象が異なるものです。
メール対応の書き方
電話や対面でのやりとりでは意図が伝わりやすいですが、メールの場合は文章なので伝えたいことと捉える内容がずれる可能性があります。
まずメールの文面では、相手の立場に立って要点を押さえた文章で読みやすいレイアウトを心がけましょう。結論やその理由を明確に記載し、読み手にどのような行動を取ってほしいのかを書くのも忘れないようにします。
お客様からの問い合わせと返信内容の齟齬がないように、お問い合わせの文面を引用して返信する場合もあります。その際は、行頭に「>」などの記号を用いてどの部分が引用箇所であるのかをわかるようにしておきましょう。
また、お問い合わせに対する返信では、そのお問い合わせをいただいたことに対するお礼も文面に入れましょう。
対応スピード
顧客への対応が遅いと不満が増大する可能性があるので、迅速に対応することが大切です。
スピードのある対応を行うには、問い合わせの属人化を防いで対応状況を共有する必要があります。担当者が対応できないような状況でも、チーム内であらかじめ案件を共有しておけば、顧客を待たせることなく対応できます。
さらに、メール、電話、問い合わせフォームなど、様々な媒体からの問い合わせを一つの場所にまとめるという一元管理もスピード向上に繋がります。
問い合わせの受け口が複数あると確認するのに手間がかかりますが、一元化することでその手間をなくせます。
正確性
顧客対応を正確に管理できていないと、対応漏れや二重対応を引き起こすことがあります。それぞれの問い合わせのステータスや状況を正確に把握しておく必要があります。
対応状況を明確にしておくためには、問い合わせの対応状態を簡単に確認できる工夫が欠かせません。
例えば、問い合わせ管理ツールでは、顧客対応の状況ステータスが見える化されているほか、対応できていない問い合わせに、自動アラートが発生する機能を持つものがあります。
分析
顧客満足度の向上を目指すには、ただ業務を行うのではなく、問い合わせの傾向や問い合わせが多くなる時期を分析することが重要です。
それによって、繁忙期に合わせて人員を増やしたり、よくある質問に対してFAQを設けたりすることができます。
スピードや正確性、分析、それぞれの改善をして、顧客対応の効率化がを図ることが重要です。
顧客対応を効率化する方法
顧客対応の効率を改善するための方法を説明します。自社の抱えている課題改善のために、適した方法を選ぶことが大切です。
Excel(エクセル)
社内で使用しているPCに既に導入されていることが多いExcelは、導入の初期費用がかかりませんし、利用しやすいツールです。導入に時間も要さないので、すぐに始められる点もメリットです。
一方で、問い合わせ件数が膨大だったり、担当者数が増加したりすると、Excelではチーム内での同時編集ができないため、問い合わせを管理しにくくなります。
さらに、ExcelのファイルはUSBなどに保存して簡単に持ち出せるため、セキュリティが十分ではありません。顧客データの流出は企業への信頼を損なう原因となるため、セキュリティ管理には注意が必要です。
グループウェア
グループウェアとは、コミュニケーションや情報共有を行えるソフトウェア・アプリケーションの総称です。グループウェアとしては、「kintone」や「サイボウズOffice」などが有名です。
スケジュール管理やタスク管理、文書管理が行えるため、業務の効率化が可能です。
問い合わせ状況の共有などが行いやすい一方、顧客情報などの大切な情報を共有する場合は、情報管理に細心の注意が必要になります。
問い合わせ管理ツール
問い合わせ管理ツールは顧客対応に関する業務全体の効率化が期待できるツールです。formrunやZendesk、Freshdeskなどが問い合わせツールに該当します。
電話やメールでの対応を一元化、問い合わせ内容・返信履歴等の情報を管理・チームで共有、分析などを行えるため、スピードや正確性の改善が可能です。
業務の大幅な改善が期待できる一方、コストや導入の手間が懸念点に挙げられます。初期費用がかかったとしても社員の負担が軽減されるため、長期的な視点で考えればコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
顧客対応を効率化できるツール4選
顧客対応を効率化できるツールを4選で紹介します。
formrun(フォームラン)
「formrun(フォームラン)」は、フォームの設置から問い合わせ対応状況の確認、メール対応や問い合わせの一元化など、フォームに関わる業務を効率化できるサービスです。
特にformrunのボード画面では未対応・対応完了のステータスが一目で確認でき、担当者に振り分けることができるため、顧客対応のスピードの改善に繋がります。
さらに、対応の進捗状況をメモ機能で残すことで、チーム内での共有が行いやすくなり、対応の属人化を防ぐことができます。
Freshdesk
「Freshdesk」は、カスタマーからの問い合わせがカードと呼ばれる形式に一元化され、業務の生産性を高めることができるツールです。
カードに優先順位が自動でつき、担当者も自動で振り分けられるため、次にやらなくてはいけないことが明確になります。
さらに、レポート機能によって日々の生産性や業務量が分析されるので、繁忙期には臨時人員を補完するなどの対応ができる点もメリットに挙げられるでしょう。
しかし、海外のサービスであるため、日本語によるサポート体制が不十分に感じられることがあるかもしれません。
Zendesk Support Suite
「Zendesk Support Suite」は大規模なチーム向けの問い合わせ管理ツールです。
管理画面を40以上の言語に切り替えられ、外国人スタッフも対応が可能なのが特徴に挙げられます。
ビジネスの変化に合わせて機能を最適化できるため、柔軟性の高いプラットフォームです。
Zendesk Support Suiteも海外のサービスであるため、一部日本語対応していないことを留意しておく必要があります。
kintone(キントーン)
「kintone」は顧客対応のみならず、様々な部署や職種で利用できる業務改善プラットフォームです。職種や業務に合わせて必要な機能を備えたアプリを作成することができます。
もちろん、一元管理、データの分析、チームでの共有などの機能を持ち、顧客対応の業務も改善可能です。
アプリを簡単に追加できる一方で、アプリ同士の連携が一つずつしか行えないなどのデメリットも挙げられます。
顧客対応を効率化してCSの効果を最大化しよう
顧客対応は、顧客満足度や売上拡大に繋がる重要な業務です。顧客対応を改善するにはスピードや正確性を意識することはもちろん、併せて問い合わせ内容を分析し、その結果を活かすことが重要になります。
業務を管理する手段として、エクセルやグループウェアを利用している企業も多いですが、問い合わせ管理ツールは問い合わせを一元化できたり、自動分析できたりと顧客対応の業務効率化するための機能が充実しています。
特に、formrunはフォーム作成に特化した問い合わせ管理ツールであり、時間がない中でもすぐにフォームを作成できるので、問い合わせの削減に繋がります。対応にスピードが求められるチームにおすすめのサービスです。ぜひご利用ください。