多くの企業が、顧客とのコミュニケーションツールとしてメールフォームを設置しています。
24時間いつでも問い合わせが可能で、会社にとっても顧客データを収集・整理しやすいことから業務効率化ツールのひとつとして導入しているケースもあるでしょう。
本記事ではメールフォームの作成方法や、作成ツールの選び方、おすすめのメールフォーム作成ツールを紹介します。
「メールフォームを導入したいが、どう選んだらよいか分からない」「メールフォーム作成ツールにどんなものがあるか知りたい」という人はぜひ参考にしてください。
メールフォームとは
問い合わせや注文・資料請求などを行いたいときに、OutlookやGmailなどのメーラーを使わなくてもWebサイト上でメッセージを送信できるシステムのことです。
ユーザーはページに設置された入力欄に従って必須項目を入力し、送信ボタンを押すとその内容がメールフォームを経由して送信されます。
メールを送信するユーザーは、メールソフトを立ち上げる必要がありません。
メールフォームはどんなシーンで使われる?
メールフォームは主に以下のようなシーンで使われます。メールフォームの使用目的によって、設置する項目の数や内容は異なります。
- 商品・サービスに関する問い合わせ
- 見積り依頼
- 商品の注文
- 予約受付
- アンケート
- 応募・採用受付
- 会員登録
- 資料請求
一般的な構成
メールフォームは基本的に以下の3つのページで構成されます。
項目 | 役割 |
入力フォーム | 氏名や連絡先などの個人情報、問い合わせ内容などを入力する画面 |
確認ページ | 入力したデータに間違いがないかユーザーが確認できる画面 |
完了ページ | メールが送られたことをユーザーに通知する画面 |
メールフォームの作成方法
メールフォームを作成する方法には大きく分けて2つあります。それぞれについて詳しく解説します。
コーディングやWordPressプラグインの活用
一つ目は、HTMLやPHPなどのプログラミング言語を用いてオリジナルのフォームを作ったり、WordPressプラグインを活用する方法です。
プログラミング言語を用いてフォームを作成する場合は、デザインや設置項目などフォーム作成の自由度が高く、カスタマイズが自在という利点があります。
メールフォーム作成サービスを利用しないため初期費用や月額利用料金といった金銭的なコストがかからない点もメリットと言えるでしょう。
その一方で、一からコーディングをするためには専門知識が必要です。作成・管理・運用にあたる担当者にはプログラミングに関する専門知識を備えた人材を選ばなくてはいけません。
もし、自社のWebサイトをWordPressで作っているのならWordPressプラグインの活用もおすすめです。
プラグインはボタン一つでインストールでき、WordPressの操作に慣れている人ならWebページにフォームを埋め込むこともそれほど難しい作業ではありません。
ただ、デザインやページの構成に変更を加える際はHTMLやCSSの知識が必要ですので、WordPressプラグインを利用する場合でも、やはり専門知識を持つ人材が担当することが望ましいです。
WordPressプラグインの中には無料で公開されているものが多いため、コーディングで作成する場合と同じく、費用をかけずにメールフォームを作成・設置できます。
プラグインを活用したWordPressへのフォームの設置方法は以下で解説しています。
メールフォーム作成ツールの活用
二つ目はメールフォーム作成サービスを利用し、ツールとして提供されているメールフォームを自社サイトに設置する方法です。
もととなるメールフォームのテンプレートが用意されており、自社のWebデザインやブランドイメージ、またフォームの使用目的に応じたカスタマイズも可能です。
HTMLやPHP・CSSといったWebやプログラミングの専門知識がなくても手軽にフォームを作成・設置できるため、自社に専門知識を持つ人材がいない場合や時間をかけず手軽にメールフォームを作成したい会社向けのツールと言えるでしょう。
コーディングやWordPressプラグインを使う場合は、セキュリティ対策を自社で行う必要があります。
しかし、専用のメールフォーム作成ツールならデータの暗号化など、すでにセキュリティ対応を施しているツールも多いため、安心して利用できます。
メールフォーム作成サービスの多くは、無料・有料両方のプランが用意されており、無料のプランではカスタマイズや使える機能・データの保存件数を制限されていることもあります。
自社の予算やメールフォームにかけられるコストを考えて導入を進めましょう。
メールフォーム作成ツールの比較時に意識すべき8つのポイント
ここでは、メールフォーム作成ツールを選ぶときに意識するべきポイントを8つに絞って解説します。
セキュリティ対応はどうか
自社で導入を検討しているメールフォーム作成ツールに不正アクセスや情報漏洩を防ぐセキュリティ対策があるかよくチェックしておきましょう。
スパムメールを排除する機能があるか、送信データのSSL暗号化や、メールフォーム作成ツールを提供している会社がISMS認証・プライバシーマークを取得しているかなどといった点です。
もし、きちんとセキュリティ対策がされているツールなら、自社でメールフォームを作成するよりも安全に運用することができます。
名称 | 概要 |
SSL暗号化 | Web上の通信内容を暗号化することで送信したデータの内容を知られたりWebページが改ざんされず安全に運用できる仕組み。 |
ISMS認証 | 企業や組織の持つ重要な情報を守るための情報セキュリティマネジメントシステムのこと。認証を受けている企業は情報の保護・管理体制が国際的な基準を満たしている。 |
プライバシーマーク | 企業や組織の個人情報保護・運用状況が適切であることを示す商標のこと。日本国内を対象とした認証制度。 |
価格・コストはどのくらいか
メールフォーム作成ツールには無料・一部無料・有料のプランがあります。
高機能・多機能のツールが必要でなく、シンプルな構成のフォームを手軽に作りたいというだけなら無料ツールでも問題ありません。
ただ、無料ツールの場合は機能やデザインに制限があったり広告が表示されたりする場合があり、利便性やユーザビリティといった点ではやはり有料プランのツールには及びません。
もし有料プランの申し込みを検討しているなら、まずは一定期間お試しで使えるトライアルコースの利用をおすすめします。
自社サイトに馴染むか
メールフォームのデザインが自社サイトやブランドイメージに合うか、別ページに変遷しなくて済むようページにフォームの埋め込みができるといった点も確認が必要です。
メールフォームが開いた途端、それまでのページと全く雰囲気の違うデザインになっていたり、別のドメイン下のページに誘導することでユーザーに不信感を与えてしまう恐れがあります。
自社サイトの雰囲気に合うテンプレートが揃っているメールフォーム作成サービスを選んだり、別のページに遷移しなくても問い合わせができるようWebページ内に埋め込みができるフォームの利用をおすすめします。
また、広告の存在感が大きすぎるとユーザーの離脱率が高まる可能性があるため、広告非表示を選べるツールが良いでしょう。
データ集計・管理機能はあるか
メールフォーム作成ツールにはフォームからのデータ受信だけでなく、データの集計・管理や問い合わせ内容の分析を行う機能を搭載しているものもあります。
フォームで受け付けたデータを手作業で仕分けたり収集することは、担当者の大きな負担となります。
業務効率化のためにもデータ集計・管理機能は重要です。また、この機能があればデータの集計や分析結果をサービスの改善に役立てることもできます。
より高度なマーケティングや顧客分析が必要なら、外部のマーケティングツールとの連携もできるツールを選ぶと良いでしょう。
カスタマイズが容易か
メールフォームは設置したらそれで終わりではなく、運用を始めたらユーザーの反応や問い合わせ状況、使い勝手を考えながら、適宜フォームの改善を行います。
設置・運用の状況次第では大幅なカスタマイズが必要になるケースもあるでしょう。
そのため、メールフォームはカスタマイズしやすい、操作性のよいツールを選ぶようにしましょう。
テンプレートやデザインがシンプルであることはもちろんですが、ドラッグ&ドロップで操作できる、操作方法を調べなくても直感的な操作で容易にカスタマイズできる等といったことも重要です。
入力の煩わしさはないか
メールフォーム作成ツールは、入力の煩わしさを軽減してくれる入力サポート機能のあるものを選びましょう。
必須・任意項目が分かりにくかったり、記入負担が大きかったりすると、入力がユーザーにとって煩雑な作業になり、フォームの途中離脱率が高まってしまいます。
自動入力や入力補助機能を活用してできるだけユーザーの負担を減らし、フォームの入力率をアップさせましょう。
また、リアルタイムで入力エラーが表示される機能も搭載されていれば、ユーザーの再入力の手間を省くこともできます。
項目の内容と数を要確認
どうしても収集したい情報はラジオボタンやチェックボックスに置き換えられる機能があると、項目数が多少多くても入力してもらいやすいです。
はじめにメールフォームの用途・目的によって最低限必要な必須項目はどれかを検討しておき、メールフォームの項目数はできるだけ絞っておきましょう。
ユーザーが手間やストレスなく入力を完了させられるフォーム作りを目指しましょう。
アクセス解析があるとなお良い
どのような経路でフォームにたどり着いたか、ユーザーの行動分析に繋げられる機能が搭載されているツールだとなお良いでしょう。
ページの滞在時間はどれくらいか、フォームのどの段階でユーザーが離脱したのかが分かれば、メールフォーム改善のヒントになります。
また、どんなページからユーザーが訪問したのか、新規ユーザーか、すでに複数回訪問しているユーザーなのかを知れば、商品やサービスの販売戦略に役立てられることもあります。
メールフォームおすすめ7選を比較
ここではおすすめのメールフォーム作成システムを7つ紹介します。
formrun
formrunはスタートアップから大企業まで幅広く20万以上のユーザーが利用しているメールフォーム作成ツールです。
メールフォームの作成・設置・受信データ管理など顧客対応業務を一元化でき、業務効率化を図れます。
また、リアルタイムバリデーションや入力補助機能などユーザーに嬉しい機能も充実しています。
GoogleスプレッドシートやMailChimp、Salesforceといった外部ツールとの連携も可能ですので、メールフォームで集めた情報をさらに有効活用したい会社におすすめです。
フォームメーラー
フォームメーラーは個人事業主・店舗・企業・官公庁・教育機関など幅広い顧客に利用されており、アカウント数は40万を超えます。
他のメールフォーム作成ツールと異なる機能として、フォームだけでなくLP(ランディングページ)も作成できる機能があります。
イベント・セミナー・キャンペーン・ネット販売・アンケート・問い合わせ・採用など、テンプレートの種類が豊富な点も魅力の一つです。
Tayori
Tayoriは、メールフォームだけでなく、FAQ・アンケート・チャット機能を持つ総合的なカスタマーサポートツールです。
外部ツールとの連携はもちろんのこと、TayoriではメールフォームとFAQの連携、チャットとフォーム・FAQ・アンケートの連携など、Tayoriツール内での連携機能も充実しています。
顧客対応を一つのツールでまとめたい会社にはぴったりのサービスでしょう。
Googleフォーム
Googleフォームは検索エンジンGoogleが提供している無料のメールフォーム作成ツールです。
シンプルながら高機能の問い合わせフォームやアンケートフォームが簡単に作れます。
フォーム作成や回答はマルチデバイスに対応しており、チーム編集機能も搭載しているためいつでもどこでも、チーム内の誰でも手軽にフォームの編集ができます。
もちろん、Googleドキュメントやスプレッドシート、Gmailとも連携していますのでGoogleユーザーには使い勝手の良いツールです。
フォームズ
フォームズは20年の運用実績を持ち、フォーム作成件数は140万件を超えるメールフォーム作成ツールです。
メールアドレスの登録だけで簡単にフォームを作成できます。
作成できるフォーム数については、フリープランなら無制限、パーソナル・ビジネスプランでも100フォームまでと、複数のフォームを低コストで管理できる点が大きなメリットです。
メールフォームとして珍しい機能として『ガラケー表示対応』があります。
オレンジフォーム
オレンジフォームは豊富なテンプレートの中からフォームを選んでカスタマイズするだけで自社のフォームが簡単に作れるツールです。
問い合わせフォームはもちろん、資料請求・アンケート・イベント受付・メルマガ登録など多様な用途で使えるテンプレートが揃っていますから、初心者でもシンプルな操作でメールフォームを設置できます。
オリジナルの入力項目を増やしたり、HTMLやCSSでデザインを変えるなどカスタマイズも可能です。
SurveyMonkey
SurveyMonkeyは、33万を超える世界中の企業で導入されているツールです。
メールフォームからの問い合わせだけでなく、市場調査や顧客満足度調査にも利用できるうえ、従業員へのアンケートにも使えるなど幅広いコミュニケーションに適しています。
データの自動集計・分析・レポート機能を自社の企業戦略に活かせるなど、情報の有効活用を考えている会社にはうってつけです。
質問項目の作成に迷ったときは専門家作成の質問サンプルを参考にできます。
メールフォームは目的・用途によって比較検討しよう
メールフォーム作成ツールは、特徴や機能が多岐に渡っています。
自社でどのような目的・用途でメールフォームを作成・設置するのか、また入力項目や得たいユーザー情報を明確にし、自社に適したメールフォーム作成ツールを選んでください。
formrunなら40種類以上のテンプレートから好きなものを選ぶだけで、高品質なフォームを作成でき、自社のWebサイトに埋め込むことができます。
また、フォーム作成機能に加えて、顧客対応状況の管理や回答データの自動集計も可能です。
回答があればメールやslack、Chatworl、Microsoft Teams、LINEWORKSなどの連携先に通知される機能も備えているため、業務効率化が狙えるでしょう。
また、Salesforce、Googleスプレッドシートといった外部ツールとも連携できるため、メールフォームを通じて得た情報を自社のマーケティング運営に活かすこともできます。
どのツールが良いか分からないと悩んでいるなら、まずは導入をお勧めしたいツールです。