Webアンケートの回答率の目安は?有効回答率を上げる方法も紹介

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Webアンケートにおいて、回答率は重要な指標です。自社の商品やサービスの改善、見込み客との関係性構築に役立てるためには、回答結果を分析して回答率を上げる必要があります。

そのためには、Webアンケートの回答率の目安を知ることが必須です。回答率の目安を知ることで、自社のWebアンケートの回答率が適正かを判断できます。

この記事では、Webアンケートの回答率の目安と回答率を上げる方法について解説します。

国のWebアンケートの回答率目安

Webアンケートにおける回答率とは、Webアンケートを依頼した件数のうち、実際に回答を集められた件数の割合のことです。

この回答率の目安を知るためにも、まずは信頼できるデータが公開されている国や地方自治体のWeb回答率を紹介します。

調査年度実施者調査内容抽出方法母集団Web回答提出率
2018内閣府市民の社会貢献に関する実態調査無作為9,000人29.0%
2019甲賀市(滋賀県)甲賀市市政に関する意識調査無作為市内在住の18歳以上の男女・個人10.3%
2020総務省国勢調査全数調査日本に住むすべての人と世帯37.6%

参考URL:総務省「調査票の回収率・有効回答率の状況について」

アンケートの実施者、調査内容によって回答率は上下するものの、国や自治体におけるWebアンケートの回答率の目安は1~3割程度です。

内閣府は、郵送だけでなくWebアンケートも積極的に導入するなど、回答者の負担を軽減して回答率を上げる取り組みに力を入れています。そして、回答率が30%を下回る場合は品質が確保されていないとして、調査そのものを廃止することも検討しています。

つまり、国においてもアンケート回答率を重視していることがわかります。

参考:
内閣府「各府省等における調査業務の棚卸し結果と今後の改善の方向性 令和3年」

研究から見るWebアンケートの回答率の傾向

論文や海外での研究などを元に、回答率の傾向と目安について解説します。

Webアンケートは紙よりも回答率が低い

ここでは、Webアンケートの「回収率」について書かれた論文を紹介します。ちなみに、「回収率」と「回答率」は同じ意味です。

まず、以下のアメリカでの研究結果を参照します。

たとえば Kwakと Radler(2002)は、米国の大学の学生名簿から無作為で1,000人ずつ 2グループの対象者を抽出し、1つのグループには紙の調査票を郵送し、もう1つのグループには、ウェブで調査を行った。回収率は、郵送で42.5%であったのに対し、ウェブでは27.4%と約15ポイントも低かった。
年代別でみると、24-29歳の若年層で郵送での回収率が58.3%であったのに対し、 ウェブ回収率は25.8%と低く、ウェブであっても若年層の回収率は低かった。

出典:千年よしみ「ミックスモード調査における郵送・ウェブ回答の回答率・回答者属性・項目無回答率の比較―住民基本台帳からの無作為抽出による SOGIをテーマとした調査から―」

20年近く前の調査結果ですが、先に紹介した国や自治体のデータや、この後紹介するNHK放送研究所が実施した2016年の調査でも紙(郵送)がWebアンケートの回答率を上回っています。これは若年層でも同じ傾向です。

リソースの鮮度に影響を受ける

大隅昇「インターネット調査の適用可能性と限界―データ科学の視点からの考察―」の実験結果も参考にできます。その実験結果は以下です。

ほぼ同時期、異なるサイトで同じ設問に対し回答するアンケートを実施。その際、直前にリソース(Webサイトを構成する文書・画像・その他諸々のデータファイルなど)を更新すると、Web回答率が高くなる傾向が証明されています。そして、リソースの鮮度が落ちるにつれ、回答率も減少する傾向が見られました。

このように、アンケート自体のテキストや画像、掲載されているデータ、Webサイトなどのリソースが新しいか古いかも回答率に影響するのです。リソースの鮮度を意識すれば、Web上であっても回答率をあげられるかもしれません。

回答率は上げられる

NHK放送研究所は2016年と2017年に、住民基本台帳から無作為に抽出した男女にアンケートを実施して、Webアンケートの回答と郵送回答のデータを比較しました。

調査方法は、Webアンケート未回答者に後日郵送で調査票を送るWeb先行方式が採用されています。

年度有効回収率Web回答郵送回答
2016年43.5%20.2%23.30%
2017年54.5%(△11)46.5%(△26.3)8.0%(▼15.3)

NHK放送研究所「住民基本台帳からの無作為抽出によるWEB世論調査の検証①」

NHK放送研究所は2016年の結果を踏まえ、2017年のアンケート実施時に以下の3つの施策を実施しました。その結果、Web回答率を26.3ポイント上昇させることに成功しています。

1.謝礼品を「後渡し」から「前渡し」にした

2016年はアンケート回答者に謝礼品を後渡ししていましたが、2017年は対象者全員に謝礼品を先渡ししました。

謝礼品を先に渡すことで、アンケートを断りにくくなったと考えられます。このほか、アンケート実施前に実施する旨をメールで通知したり、督促メールを送ったりする方法も有効と考えられます。

2.回答期限を短縮した

2016年は回答締切日が1カ月後だったのに対し、2017年は8日間に短縮しました。

期日が長すぎると回答を後回しにされてしまうため、Webアンケートの回答締切日は1週間前後が良いと考えられています。

3.調査票(紙)の発送を遅らせた

2016年はWebアンケート実施後6日後に調査票を郵送していましたが、2017年は調査日を3週間後に遅らせました。

回答率を上げるために郵送などWeb以外の代替アンケートを実施する場合は、間隔をあけることでWeb回答率を上げられると考えられます。

 

Webアンケートを作成するツールやネットリサーチツールが多数存在しており、これらを活用することで簡単かつ効率的にアンケート調査を実施できます。

調査目的に合わせて最適なツールを選ぶためのポイントを下記の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【無料あり】Webアンケート作成ツール・システム11選を比較!選び方も解説

Webアンケートの回答率に影響を与える要素

Webアンケートの回答率に影響を与える要素

ここまでは国や研究のデータから回答率の目安、傾向を紹介してきました。ここからは、アンケートの回答率に影響を与えるであろう要素について紹介します。

回答者の年齢・属性

Webアンケートの対象者の年齢、属性は回答率に大きな影響を与えます。これらがマッチしていないと、回答率が低くなる可能性があります。

アンケートの対象者を設定するときは、自社のマーケティング課題や顧客層を分析し、最も関心が高く、自社の課題を解決できそうなターゲットを選出する必要があります。その際には年齢だけでなく、性別・居住地・家族構成・職業などの属性までも絞り込んだほうが回答率を上げることが可能です。

設問数

Webアンケートの設問数や選択肢が多いと回答者はめんどうだと感じ、途中離脱や自由回答の書き込み量・複数回答可のチェック数減少などが起こります。そのため、アンケートの設問数や選択肢は必要最低限とし、ボリュームが増えてしまう場合は2回に分けるなど検討するのがよいでしょう。

また、設問に答えるたびに、「次へ」のように画面遷移が必要なアンケートはユーザーに負担を与える可能性があるので、1ページでアンケートが完結するのがおすすめです。

入力方法のわかりやすさ

入力方法がわかりにくいアンケートは、ユーザーの入力ミスや回答方法がわからないことによる離脱を発生させる恐れがあります。

そのため、Webアンケートはどのような内容を書けばいいか回答者がひと目で理解できるように作成しましょう。設問近くに回答例を表記する、入力時にリアルタイムでエラーを表示する、全角や半角どちらでも入力できるようにする、あとどれくらいでアンケートが終わるかわかるフロー図を設置する、などが対策として有効です。

回答する必要性

アンケートに回答することで回答者にどんなメリットがあるのか、回答がどのようなことに役立てられるのかなど、アンケートに回答する必要性を事前に明示します。

合わせて、プライベートな質問など答えにくい設問がないか、回答する必要性が感じられない質問がないかなども確認しましょう。特に重要な設問や、分岐元になる設問には補足説明を設定し、回答者の入力内容や選択肢が重要であるとアピールすることも大切です。

不信感

アンケートの回答内容を何に利用するのか、どんな企業がアンケートを収集しているのかわからないと、ユーザーから不信感を抱かれてしまいます。

企業情報や個人情報の取り扱い方針、SSLなどのセキュリティ表示をわかりやすい場所に明記し、自社のWebアンケートが安心・安全であることを視覚的にアピールします。

Webアンケートの回答率を上げる方法とは?

Webアンケートの回答率を上げる方法とは

Webアンケートの回答率を上げる具体的な方法を解説します。

回答者の属性を最適化する

質問項目の作成に着手する前に、アンケートを依頼する属性を最適化させる必要があります。

属性を設定しなかったり、ずれた属性を設定をすると、そのアンケートに関心のない人や利用経験のない人、回答できない人にアンケートを依頼する可能性があります。その結果、回答率が低下して質の高いアンケート結果を得られなくなります。

属性を最適化するためには、アンケートの目的を明確化し、どのような人の回答を集めれば仮説が検証できるのかを考えます。具体的な人物像であるペルソナ設定や、ネットリサーチツールを利用するのも有効です。

また、アンケートの目的がユーザーとのコミュニケーション構築が含まれる場合、属性に沿ったアンケート内容にすることでユーザーの共感やインサイトを得ることも可能です。

Webアンケートに工夫をする

Webアンケートの回答率を上げるために、利便性を上げる工夫をしましょう。利便性を向上させることでユーザーのストレスを軽減でき、アンケートに回答してもらいやすくなります。

具体的には、信頼性の高いデザインにする、回答しやすいレイアウトにする、回答者が迷わないように補足を入れる、リアルタイムにアラートを表示するなどの工夫を行いましょう。

また、Webアンケートを最適化するためには、データ分析を行うのもよいです。データ分析を行えば、回答者がどの設問で離脱しているのか、どのページの滞在時間が長いのかなどを確認することができます。

このような分析をするにはそのための機能が必要なので、データ分析機能が初めから用意されたアンケートツールを利用するのがおすすめです。

不信感を与えない

Webアンケートに回答してもらうためには、ユーザーに不信感を与えないことが重要です。そのため、個人情報の取り扱いやセキュリティには充分に配慮しましょう。セキュリティ対策に不安があると、回答者は個人情報が流出するのではないかと思って回答をやめてしまう可能性があります。

このようなリスクを回避するには、ファイアウォール、SSL/TLS 暗号化通信、IPアドレス制限、権限管理設定などのセキュリティに対する機能を搭載したアンケートフォームがおすすめです。

セキュリティ対策が施されたフォームをイチから作るのには大変な手間やコストがかかります。しかし、セキュリティ対策が万全なフォームツールを利用すれば、コストを大きく削減できます。

このように、Webアンケートの回答率を上げてアンケートを成功させるなら、回答率を高める施策が満載のフォーム作成ツールを利用しましょう。

Webアンケートの回答率を上げるなら「formrun」がおすすめ

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formrunは、スタートアップから大企業まで10万を超えるユーザーが利用しているフォーム作成ツールです。

40種類以上のテンプレートの中から任意のデザインを選択し、テキストや項目を編集するだけで簡単にWebアンケートフォームを作成できます。ドラッグ&ドロップやクリックなどの簡単操作で作成できるので、コーディングの知識は必要ありません。

以下のような、入力時の負担を軽減するためのユーザー補助機能も簡単に実装できるため、より便利なアンケートが作れ、回答率の向上が期待できます。

  • ドロップダウン
  • チェックボックス
  • 住所の自動入力
  • リアルタイムバリデーション
  • 設問の条件分岐

ISO 27001やプライバシーマークを取得しており、24時間365日のサーバー監視、データアクセスの管理・制限などを徹底しており、セキュリティに対しても安心です。

また、Webアンケートの回答結果は自動で集計され、CSVやGoogleスプレッドシートにエクスポートできるため、データ分析も効率化できます。

まとめ:Webアンケートに工夫を行い回答率を上げよう

Webアンケートの回答率の目安は約30%です。Webアンケートの回答率は、設問数や入力方法のわかりやすさ、回答者の年齢や属性などによって変わります。回答率を上げるためには、回答者の属性を最適化することはもちろん、Webアンケートの利便性を上げるなどが有効です。

このようにアンケートの改善をして回答率を上げるには、formrunのように入力補助機能や回答結果の集計機能が備わっており、セキュリティ対策も万全なフォーム作成ツールを利用するのがおすすめです。無料でも利用できるため、ぜひ一度お試しください。