消費者への調査をする上で、以下のような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
「パネルリサーチという言葉を耳にするけれど、具体的にどのような調査なの?」
「自社のマーケティングに、どう活かせばいいのか知りたい」
パネルリサーチは、同じ対象者に繰り返し質問することで、消費者の行動や意識の変化を長期的に追跡する調査手法です。市場の変化を正確にとらえ、的確なマーケティング戦略を立てるために役立ちます。
本記事では、パネルリサーチの基礎知識から、実施目的、メリット・デメリットを紹介します。調査を成功に導くポイントまで分かりやすく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
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パネルリサーチ(パネル調査)とは?

パネルリサーチとは、事前に選んだ同一の対象者(パネル)に対し、一定期間にわたって同じテーマの質問を複数回行う調査手法です。一般的には、パネル調査とも呼ばれます。パネルリサーチの最大の特徴は、個人の行動や意識が時間とともにどう変化するかを時系列で追跡できる点です。
例えば、消費者の購入頻度やブランドの好みなどのデータを継続的に集めることで、ニーズの移り変わりを深く理解できます。初回調査で対象者の基本情報を収集するため、2回目以降の調査がスムーズに進むのも利点です。
ここでは、混同されやすい「アドホック調査」や「トラッキング調査」との違いも見ていきましょう。
アドホック調査との違い
パネル調査とアドホック調査の最も大きな違いは、調査対象者と実施回数です。パネル調査が「同一の対象者」へ「繰り返し」質問するのに対し、アドホック調査は調査ごとに「毎回異なる対象者」を選び「単発」で実施します。
そのためアドホック調査は、新商品のコンセプト評価や広告キャンペーン直後の認知度測定など、特定の課題に対して迅速に答えを得たい場合に適しています。
一方でパネル調査は、ブランドイメージの時間的な変化や、消費者の購買行動の季節変動など、長期的な変化を把握したい場合に有効です。目的に応じて使い分けると、マーケティングに活用できる情報を得やすくなります。
トラッキング調査との違い
トラッキング調査も繰り返し行う調査ですが、対象者の選び方がパネル調査と異なります。パネル調査が「まったく同じ個人」を追跡するのに対し、トラッキング調査は「同じ属性を持つ、毎回異なる人々」が対象です。
例えば、「20代女性」の意識調査を行う場合、パネル調査は同じメンバーに質問し続けます。一方でトラッキング調査は、調査のたびに「20代女性」という条件に合う新しい対象者を探して質問します。
この違いから、トラッキング調査は市場全体の傾向や世論の推移などの大きな流れを把握するのにピッタリです。対してパネル調査は、個人の行動がなぜ変わったのか、背景まで深く掘り下げられる魅力があります。
パネルリサーチを行う目的

パネルリサーチを行う主な目的は、消費者の行動や意識の移り変わりを時系列で正確にとらえ、マーケティング戦略に活かすためです。
例えば、新商品を開発する際に、ターゲット層から継続的にフィードバックを得ることで、ニーズの変化に合わせた商品改良ができます。また、自社の広告キャンペーンがブランド認知度にどのような影響を与えたかを時系列で測定し、広報戦略の改善につなげることも可能です。
さらに、顧客の購買パターンや競合製品への乗り換えタイミングなどを把握すれば、より精度の高い事業計画や市場予測を立てられます。長期的な視点で顧客を理解し、データに基づいた意思決定を行うためにパネルリサーチは実施されます。
パネルリサーチを行う3つのメリット

パネルリサーチには、他の調査手法にはない独自の強みがあります。主なメリットを3つ紹介します。
- 時系列で消費者行動や意識の変化を把握できる
- 調査対象者の基本情報取得が一度で済む
- 調査精度・信頼性の高いデータが得られる
上記の利点を理解すれば、調査の価値を最大限に引き出せるでしょう。
時系列で消費者行動や意識の変化を把握できる
パネルリサーチ最大の利点は、同じ対象者から継続してデータを取ることで、消費行動の変化を詳細に追跡できる点です。具体的には「いつ」「どこで」「何を」購入したかなど、購買データを時系列で分析し、購入頻度の変化やブランドの乗り換えるような行動の背景を探れます。
固定された対象者から回答を得るため、思い出し違いによる誤差が生じにくく、信頼性の高いデータを収集できます。このデータに基づき、マーケティング戦略の企画から分析、改善までのあらゆる段階で、価値ある知見を得ることが可能です。
調査対象者の基本情報取得が一度で済む
パネルリサーチでは、最初の調査で対象者の年齢や性別、職業などの基本情報をまとめて取得します。そのため、2回目以降の調査で同じ質問を繰り返す必要がなく、調査を効率的に進められます。
一度調査パネルを構築すれば、毎回新しい対象者を探す手間やコストを大幅に削減できるのも大きなメリットです。
また、複雑な条件で対象者を絞り込むスクリーニング作業も不要になるため、調査をスピーディに開始できます。あらかじめプロフィールがわかっている対象者の中から、分析したい層を素早く選び出し、より深い分析につなげられます。
調査精度・信頼性の高いデータが得られる
継続的に調査へ参加してもらうことで、回答者との間に信頼関係が生まれ、より率直で質の高い回答を得やすくなります。
また、毎回同じ人が回答するため、回答者の属性や調査環境のばらつきによる影響が少なく、安定した条件下での比較分析が可能です。データのブレが抑えられるため、より信頼性の高い結果につながります。
初回からの回答データが積み重なることで、表面的な回答だけでは見えない深層心理やトレンドを発見しやすくなるのも利点です。対象者の過去の行動を踏まえた質問設計もできるため、より実態に即した調査結果を導き出せます。
パネルリサーチを行う3つのデメリット

多くのメリットがある一方、パネルリサーチには注意すべき点も存在します。計画段階でこれらの課題を認識し、対策を講じることが調査成功の鍵です。
- 対象者の離脱リスクが常につきまとう
- 調査実施から結果活用までに時間と労力が必要になる
- 調査設計・運用の難易度が高い
それぞれのデメリットの内容と対策に関して見ていきましょう。
対象者の離脱リスクが常につきまとう
長期間にわたる調査のため、対象者のモチベーションが低下し、途中で参加をやめてしまう「離脱」のリスクがあります。回答回数が増えるにつれて調査に飽きたり、負担を感じたりして、回答の質が低下する可能性も考えられます。
リスクに備え、計画段階で離脱者が出ることを想定し、最終的に必要な人数を確保できるよう少し多めにモニターを集めておくことが重要です。
また、ポイント付与などのインセンティブを設計したり、回答者の負担が大きくならないよう質問数を調整したりする工夫が、離脱を防ぐ上で役立ちます。
調査実施から結果活用までに時間と労力が必要になる
パネルリサーチは複数回の調査を経てデータを集めるため、結果が出るまでに時間がかかります。そのため、調査結果をすぐにビジネスの意思決定に反映させるのは難しいでしょう。
また、長期間の運用を見据え、調査票の設計段階から綿密な計画を立てる必要があり、準備に手間がかかります。一度調査を始めると、途中で質問項目を大きく変更するのは困難です。変更すると過去のデータとの比較ができなくなり、時系列分析の価値が損なわれるため、柔軟性に欠ける側面があります。
調査設計・運用の難易度が高い
パネルリサーチを成功させるには、専門的な知識と緻密な計画が不可欠です。初回調査の段階から長期的な運用を見据えた調査設計が求められるため、運用の難易度は高い傾向にあります。
例えば、設問の順序や言葉の選び方、継続して尋ねる質問と新たに追加する質問のバランスなど、細部にわたる精密な設計が必要です。
また、長期間にわたって一貫性のあるデータを確保するためには、対象者の回答状況を管理する体制や、データを蓄積する仕組みの整備も欠かせません。回答者の負担や回答品質の低下を防ぐための配慮も常に求められます。
パネルリサーチを成功させるための5つのポイント

パネルリサーチを成功に導くために、押さえておくべき5つの重要なポイントを紹介します。
- 調査目的に応じた手法を選択する
- 調査設計は長期視点で緻密に行う
- 回答者の離脱を防ぐ施策を用意する
- ターゲット層にマッチしたプロフィール精査を行う
- 分析視点は時系列とセグメントで分けて行う
上記のポイントを実践すれば、調査の質を高め、有益な知見を得られるでしょう。
調査目的に応じた手法を選択する
まず最も重要なのは、調査の目的に合った手法を選ぶことです。パネル調査は、固定した対象者の変化を時系列で追うことに長けています。
もし単発の情報収集が目的であればアドホック調査が適しており、市場全体の継続的な変化を追いたいのであればトラッキング調査との相性がよいです。
一方で「消費者ニーズの変化を長期的に把握したい」「自社ブランドの浸透度合いを観察したい」などの目的であれば、パネル調査が大きな力を発揮します。目的に応じて、最適な手法を選択しましょう。
調査設計は長期視点で緻密に行う
パネルリサーチは、同じ内容で複数回調査を行うのが前提です。そのため、調査を始める前に質問項目や対象者の条件を明確に定義しておく必要があります。
また途中で質問を変更すると過去のデータとの比較が難しくなるため、初期段階での設計がとても重要です。長期間の調査になることを見越し、回答者の負担をできるだけ軽くする、シンプルで分かりやすい質問設計を心がけましょう。
もし途中で質問項目を変更する必要が出た場合は、古い設問と新しい設問を一定期間併用するなどの工夫も有効です。
回答者の離脱を防ぐ施策を用意する
長期間の調査では、回答者に継続して協力してもらうための施策が不可欠です。ポイントやギフトカードなどのインセンティブの提供は、回答を続ける動機付けになります。
また質問の難易度や量を適切に調整し、回答者に過度な負担をかけない配慮も大切です。調査結果の一部を共有するなど、回答者が参加する意義を感じられる工夫も考えられます。
回答フォームの使いやすさは、離脱率に影響します。以下の記事では、入力しやすいフォームを作成する「EFO」を紹介しています。自社に合うツールを見つけるためのヒントが得られるので、ぜひ参考にしてください。
>> EFO(入力フォーム最適化)とは?3つの効果や具体的な施策25選・おすすめツールを解説|formLab
ターゲット層にマッチしたプロフィール精査を行う
調査の精度を高めるには、調査目的に合った属性の対象者を正確に選ぶことが重要です。年齢・性別・興味・関心などの条件を明確にし、ターゲット層に合致したモニターを集めましょう。
調査開始前のスクリーニング調査や、既存のプロフィール情報を活用して、不適切な回答者をあらかじめ除外し、対象者の質を担保しましょう。特に専門的な知識が必要な調査では、分野の専門家パネルやB2Bパネルを活用するのが有効です。
オンラインで広く募集すれば、多様な属性のサンプルを効率的に集められます。
分析視点は時系列とセグメントで分けて行う
パネル調査で得られたデータを「時系列」と「セグメント」の2つの視点から分析すると、より深い知見を得ることが可能です。
「時系列」の視点では、行動や意識、ブランド評価などの時間的な変化を可視化します。一方で「セグメント」の視点では、性別や年齢層などの属性別にデータを分解し、ターゲットごとの特徴や違いを明確にします。
2つの視点をかけ合わせて分析すると「20代女性における、1年間のブランドAに対する好意度の変化」などの具体的なインサイトが得られるため、より戦略的なマーケティング施策の立案につながります。
パネルリサーチを行うなら外部ツールの活用もおすすめ

パネルリサーチを実施する際、外部のツールやサービスを活用すると、調査プロセス全体を効率化できます。
例えば、パネル管理ツールを使えば、調査参加者の属性や回答率などを一元管理でき、調査票の設計から配信・回収・分析までをスムーズに行えます。
また、すでに大規模な調査パネルを持つリサーチ会社と連携すれば、自社でモニターを集める手間が省け、ターゲット層へ迅速にアプローチできます。これらのツールやサービスには、回答しやすい質問形式や、回答内容によって質問を分岐させる機能が搭載されている場合が多く、より質の高いデータを集めるのに役立ちます。
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EFO(フォーム最適化)で回答者の離脱を防げる
送信する際のエラーや、項目数が表示されていない、ブラウザを間違えて閉じてしまうなど、フォームにまつわるよくある上記のようなストレスが原因でフォームから離脱するユーザーは、7割を超えると言われています。
ユーザーの離脱を防ぐため、回答者が便利にフォームを利用できる取り組みとして、残項目数表示やページ分割機能、入力途中保存、リアルタイムでのエラー表示機能などがあります。
そのためユーザーは、「自分の入力内容に間違いがないか」「あと何分で完了するか」などを常に把握できるため、回答負担が大幅に減ります。
EFO機能を導入するには約30,000円の費用がかかることが一般的ですが、formrunでは、わずか3,000円〜EFO機能を導入できます。
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蓄積された回答データはExcelやGoogleスプレッドシート形式で出力もできるため、手元で分析も可能です。
さらに、Salesforceやkintoneなど外部連携ツールと連携可能なので普段お使いのツールでも集計・管理ができます。
さまざまな外部ツールと連携可能
formrun(フォームラン)は、さまざまな外部ツールとの連携が可能で主に通知とデータ連携に分かれています。
通知:チャットなどのコミュニケーションツールと連携することでフォームへの回答を即座に通知が可能です。
Slack通知、Chatwork通知、Microsoft Teams通知、LINE WORKS通知
データ連携:SFA・MA・CRMなどのマーケティング支援ツールやクラウドサインとはデータ連携することで、より便利に手間なく業務を行えます。
Salesforce連携、kintone連携、Hubspot連携、MailChimp連携、CLOUDSIGN連携
ぜひお使いのツールと連携して業務を効率化してみてください。
パネルリサーチを活用して顧客ニーズの変化を把握しよう

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